キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

晩夏のカミキリ

2007年08月19日 | カミキリムシ科
ご近所の森でオオハナカミキリがノリウツギで採れたと、虫友から連絡を受けてから1週間が経った。
この話を聞いて直ぐにでも現地に行きたい気持ちはあったが、
昨日書いたとおり個人行動自粛中であった為、少し悔しい思いをしていた。
ようやく普段の生活パターンに戻り、本日は天気も回復!
再び夏らしさを取り戻したので、午前中散歩がてらご近所の森に行ってみた。
ご近所といっても車で15分はかかる場所だが・・・。


今日の気温は30℃に迫るくらいまで上がった。普段なら「暑い暑い」と、言っているところだが、
先日の経験があるので、とても心地よい暑さに感じた。
湿度は60%くらい。汗をかいても、そよ風に当たれば不快ではない。これこそ北国の夏である。
そんなことを思いながら、森の遊歩道を歩く。

湿地付近や草地沿いを歩くと、アカネ類がわんさか飛び出す。
その中でも一番多く見られたのがナツアカネであった。



ナツアカネ♂


やはり、ナツアカネは札幌付近では増えている。周囲ではアキアカネを上回る個体数が見られた。
なんとなくだが、ナツ3割、ノシメ3割、アキ2割、マユタテ2割、そんな感じだった。
アカネ類はだんだんと色付き始め、晩夏の空を彩っている。
思わずのどかな光景に浸ってしまいそうになったが、今日の目標はオオハナである。


しかし、肝心要のノリウツギは既に散り始めていた・・・。
車を止めて4kmくらい歩いても、辛うじて咲き残っている花にはアカハナもヨツスジハナも居なかった。
どうもカミキリシーズンは終わったようだ・・・

来た道をトボトボと引き返していると、花が無くて困っているカミキリに出会った。



オオヨツスジハナカミキリ[Bellamira regalis]★★


普通種らしいが、自分自身は毎年目撃はしているものの、一度に複数採集した経験が無い。
おそらく採集力が足りないものと考えられる。
残念ながら右後脚フセツが飛んでいたが、大型でなかなか良い虫だ。


参考として、つい先日、クワガタ屋のS氏が同じ森で採ったオオヨツスジが家にいるので、
室内撮影してみた。






本種は黒斑の太さに個体変異がある様なので集めると面白そうだ。
しかし、年1頭ペースでしか出会えていない現状を考えると、
道内各地における斑紋の出現ぐあいなどを調べることはチョッと無理かも知れない・・・。



次回更新は金曜日です。


暑い日の思い出 2

2007年08月18日 | カミキリムシ科
この夏、7月はトホシ、ヤナギトラ以外に初めて撮影に成功したカミキリが何種類かあり撮影は順調であったように思う。
しかし8月入ると、台風接近後、天気が崩れエゾ梅雨状態。憧れのカミキリ達になかなか会えない悶々とした日々が続く。
因みに8月以降狙っていたカミキリはオオトラ、トラフ、オオアオ、ギガン、道南でハスオビヒゲナガ、ニイジマトラ、ブドウトラ、セミスジコブヒゲ、コブスジサビ・・・など。

8月の中旬に入り、夢もほぼ消えかかったので、お盆期間は家の用事を優先。
お墓参りや子供の自由研究目的の化石採りの手伝いなどに徹し、自分一人での単独行動は慎んだ。
でも、虫の知らせとでも云うのか、何かソワソワした感覚があり昨年から気になっていた木を子供達と見に行ってみた。
その予感は的中し、3年間探し続けたカミキリが一度に4頭、気になる木の樹皮を闊歩していたのを目撃した。



トラフカミキリ[Xylotrechus chinensis]★★★







気になる木とはヤマグワ。
ヤマグワなんて何処にでもあるじゃん!・・・と、思われがちだが、
彼らが好む大木で衰弱気味のヤマグワなんか滅多に見ない。大抵は3~4mの細い木が多い。
もともと北海道には桑畑なんてものが無いから、得難いカミキリの一つであるように思う。


トラフカミキリはその昔、トラカミキリ、ハチカミキリなどと呼ばれていたようだ。
見ての通り、スズメバチに擬態した姿は「カッコイイ!」としか云いようが無い。
しかも、自己開拓で近所の森で見つけたのだから、これは気分が良い。

チョッとしょぼいが、この夏、最も印象に残ったカミキリとなった。




暑い日の思ひ出 1

2007年08月17日 | トンボ目
今週の北海道は例年に無く暑かった!
11日までのジメジメ、ムシムシとはうって変わり、
12日以降は激しい日差しが照りつけ尋常じゃない暑さ・・・
札幌は猛暑日までいかなかったものの、エアコンがない我が家では連日34℃はホントきつかった。
内地で40℃超えのニュースを聞くたびに、来年以降もこの暑さが襲ってくるのかも・・・と思うと、正直怖くなった。


しかし、昨日に前線が南下し、今は半袖では肌寒い感じになった。
コオロギやカンタンが元気に鳴きだしたので、もうすぐ秋なんだと実感する
北海道の夏は突然終わる。



ナツアカネ♀[Sympetrum darwinianum]★★★

北海道では比較的少ない種であったが、近年、各地で目撃例が多い。
農薬使用が減った為か、温暖化の影響なのかは定かではない。
13日の正午、34℃越えの最中、あちこちで止まっていたアキアカネ、ナツアカネ、
ノシメトンボなどがお尻を天空に突き上げる、この避暑ポーズをキメていた。


お盆の頃見られる甲虫たち

2007年08月12日 | カミキリムシ科
11日~12日、大きなトラとクワを狙って道南へ行ってきました。

でも天候に恵まれず、狙ったものには会えませんでした

往復670kmを走った成果としては大変お粗末でありますが、何枚か撮影したものをUPします。



クロオオハナカミキリ[Macroleptura thoracica]★★

シナノキやダケンカンバの立ち枯れで産卵していたものが複数見られました。



アカハナカミキリ[Aredolpona succedanea]★

針葉樹の伐採木や各種の花に良く集まります。



シラフヨツボシヒゲナガカミキリ[Monochamus rosenmuelleri]★★(特)

新しい針葉樹の伐採木でたくさん見られます。



ヨツスジハナカミキリ[Leptura ochraceofasciata ochraceofasciata]★

とにかく何処へ行ってもエゾニュウ、ノリウツギに群がっています。



ツヤケシハナカミキリ[Anastrangalia scotodes]★

特別多くはないけれど、エゾニュウなどの花に普通です。



アオハナムグリ[Eucetonia roelofsi roelofsi]★

これもエゾニュウ、ノリウツギなどの花に群がっています。



ヒメオオクワガタ[Dorcus montivagus montivagus]★★

シダクロスズメバチがまとわり付くので、雄が雌を守ろうと覆いかぶさりました。
雌は一心不乱に樹液を舐め続けます。ヒメオオの雄は優しいなぁ。



タテジマホソハナカミキリ[Parastrangalis shikokensis]★★★

ニンフホソハナに似ていますが、触角の白色部の位置が微妙に違いました。初採集。
支笏湖で採れました。札幌付近で採れているものは縦縞が無いものが多いようです。



明日から1週間ほど、このブログも夏休みを取らさせて頂きます。
特に遠くへ行く用事もないのですが、リフレッシュしたいと思います。
皆様もお盆期間中、事故などにあわないよう過してください。

でわでわ



ゴイシシジミ

2007年08月10日 | チョウ目

ゴイシシジミ[Taraka hamada]★★

年によって発生量が大きく変動する蝶。昨年は全道的に見られなかった様だが今年はどうなのか?

幼虫はササなどに寄生するアブラムシを食べる肉食性。成虫はアブラムシが出す蜜を吸う。
成虫はやや薄暗いササのなかをチョコチョコ飛び周っているので結構目立たない。

それにしても、この子が肉食とは・・・。