キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

暑いよ~!

2006年08月09日 | カミキリムシ科
連日の真夏日。道産子には堪えます・・・。


こんな時は、虫も休んでいるので良い結果は得られない。
いっそ、高山に行ってみよう。
という訳でもないのですが、用あって大雪山の中腹、愛山渓に行ってきました。


愛山渓といえば、カタキカタビロハナ、アラメハナ、オオトラ、アイヌホソコバネ、オニホソコバネ、ヤマナラシノモモブトなど、カミキリ初心者には垂涎の的が多種確認されている。
果していつになったらこれらに会えるのだろうか?
今回は採集で行くわけではないので、期待はしていないが・・・


国道39号線から約30分ほどで愛山渓温泉に到着。標高は1000m。
道程はほとんど舗装道路であったので、山奥に着た感じはない。
しかも、結構暑い。27度近くある。



植生はアカエゾマツ、ダケカンバの針広混交林である。
ほど良い立ち枯れが結構あり、巨木も点々と見られる素晴らしい環境だ。


しかし、仕事で来たのである。良ポイントを尻目に、せっせと仕事をこなす。


アメバチの様な昆虫が目の前を通る度に、
「チクショー!いつか採集に来るぞ!」と、強く思ったのであった。


一泊して、次の日の早朝、虫を探しに散歩してみた。
7時前だというのに、エゾニュウの花には、既に色々と集まっております。



ミドリ、クロハナ、フタスジハナ、ツヤケシハナ、ヤツボシハナ、カラカネハナ、ホクチチビハナ・・・



こちらにはマルガタハナカミキリ[Pachytodes cometes]★★



こっちにはブチヒゲハナカミキリ[Corymbia variicornis]★★★



薪置き場にはシロトラカミキリ[Paraclytus excultus]★


じっくり歩いてみたい!そんな場所であった。




大雪山系比布岳




ツバメオモトの実



・・・?




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探そう!ほっかいどうの虫

2006年08月07日 | その他
普段から、お世話になっている堀繁久さんの本が出ました。



タイトルは「探そう!ほっかいどうの虫」(堀繁久/北海道新聞社)
税込み¥1,575


昆虫採集に必要な道具、採集のコツ、各種トラップ方法、小学生高学年でも読めるように専門用語の解説や難しい漢字にはフリガナを振ってある。
とにかく、全ページフルカラーで写真が豊富。そしてこの価格が嬉しい。
私も少し写真協力しています

大人も十二分に楽しめる内容だ。
北海道のオサムシ図鑑、特にオオルリオサとアイヌキンオサの地域変異が一目瞭然。
ネキを取り上げたページも珍種採集のコツも個人的に大変役に立つ。
子供と一緒に夏休みは北海道旅行と考えている方は、一読すると結果が変わるかも。

ムシキングやクワカブ飼育から一歩抜け出し、昆虫採集をこれから始めようとする少年達に是非読んでもらいたい本である。

ついにでた北海道の昆虫採集本!

オススメです





エオア探しの旅

2006年08月07日 | 採集記・撮影記
土曜日はネキ山に行って、見事にボーズ!

日曜日は虫屋の夢のまた夢、エゾアオタマムシ[Eurythyrea eoa](通称エオア)探しの旅に出た。
(参考HP:日本のタマムシ



今年の「月刊むし」2月号にロシアにおけるエオア生態の一部が紹介されている。
記事を見た方は、その美しさに目を奪われたはずだ。
個人的には数年前から暑い時期になるとドロノキに注目していたが、飛翔姿も目撃した事はない。
今回は北海道の内陸部、上川と空知でエオアを探してみた。



国道沿いから、河原や中州が広そうな箇所を見つけ、付近に寄ってみる。
そして、その環境が周辺の山地も含め良好な樹林環境であれば河原を歩く。
河原や中州にドロノキの倒木、流木があれば、そこで飛来を待つ。
こんな感じで、頑張ってみた。

そんでもって、最初に見つけたポイントがこれ。


中州と河岸には大きなドロノキが混じる。中州の河畔林の中にはドロノキの立枯れや衰弱木もある。
流木の一部もドロノキっぽい。一応、8mのタマムシネットを立ててみる。
2時間以上待ってみたが、結果無し。


次に、見つけたポイントがこれ。



写真には写っていないが、雑草の影に相当数の流木が溜まっている。
大き目のドロノキやヤナギの流木も結構ある。
ここでも1時間半。虚しくもドロノキの流木と樹冠を眺めるだけで終わった


さすが30年以上記録が途絶えているだけある。そう簡単に見つかる種ではない。
地道な努力と相当引きが強くないと採集できそうもない。そう直感した。

それにしても、真夏日の中、ウエーダーで河川を踏査。
500mくらい歩くと脱水症状になり、頭がボーっとしてくる。
とても過酷な旅であった。



その後は撮影に終始。
今日は写真の貼り付けだけで勘弁して下さいませ。



エグリヒメカゲロウ[Drepanopteryx palaenoides]★★



オニヤンマ[Anotogaster sieboldii]★



ミヤマクワガタ[Lucanus maculifemoratus]★



ミンミンゼミ[Oncotympana maculaicollis]★★★



カタジロゴマフカミキリ[Mesosa hirsuta hirsuta]★★



ハセガワトラカミキリ[Teratoclytus plavilshikovi]★★★



仲良しゼフ



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あぁ、ヒョウタンゴミは何処?

2006年08月04日 | 採集記・撮影記
道央の日本海側の地域に行って来ました。

今まで採ったことのないヒョウタンゴミムシを探して、
某川河口の砂浜を歩いてみました。





流木、ゴミ、板などを片っ端からめくって歩く。
石狩浜などに比べ、ゴミの内容は殆どが天然素材である。
流域に人が殆んど住んでない事と、地形的に内湾になるので海流によって運ばれるゴミも少ないみたい。
特にハングル文字の容器が一つも見つからない綺麗な砂浜であった。



ハマベハサミムシ[Anisolabis maritima]★★
砂浜に普通。翅が無い。

今回、最も多く見られた。
丁度、孵化時期だった様で、流木を動かしてみると、幼虫がクモの子を散らした様にザワザワッと動き、一瞬、血の気が引いた。




オサムシモドキ[raspedonotus tibialis]★★★
海岸や河川の砂地の石の下などに生息。あまり多くは見かけない。

流木を動かすと、砂地に直径1cm程の穴が開いている。
サイズ的にヒョウタンゴミだ!と思い、掘ってみる。
すると、コイツが出てきた。
まだ、足が白い綺麗な個体。新成虫と思われる。




キベリマメゲンゴロウ[Platambus fimbriatus]★★
綺麗な川や池で見られる。

見つけた時、一瞬、目を疑ったが、やっぱりゲンゴロウ。
しかも、小川などで見られる種が河口から数百m離れた砂浜のゴミの下に・・・。
どこから来たの?



結局、朝の5時から7時まで、2Km弱の砂浜を往復したが、
ヒョウタンゴミムシは見られなかった。残念



帰り道、以前から良い景色だと思っていた場所が、晴れていたので撮ってみました。


「ソバ畑の一本の木」


良いアングルから撮りたかったが、時間が無かったのでまた今度。




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ザリガニ

2006年08月01日 | 動物
あ~、8月に入ってしまった。
残り少ない夏を効率的に攻めないと。


2~3日、更新できませんので、先日撮った涼しげな生物を・・・






ザリガニ(ニホンザリガニ)[Cambaroides japonicus]★★★
日本固有種。北海道と東北地方の北部に分布する。
山地河川や夏でも冷たく綺麗な水が流れる沢などに生息する。
北海道では開発や外来種のウチダザリガニの分布拡大によって、個体数および分布域は減少傾向にある。


小さな沢でコイツを見つけると、ホッと安心します。
「よく生き残っててくれた。これからも生き続けるんだ!」と思ってしまうのである。