キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

お盆休み、いかがお過ごしでしょうか?

2006年08月16日 | 採集記・撮影記
お久しぶりです。

一週間振りの更新になってしまいました。スミマセン。
先週末は野外に出られず、そのままお盆休みに突入。函館へ帰省し、昨日戻ってきました。


函館山


函館の新名所「新五稜郭タワー」


タワーから五稜郭を望む


行きも帰りも渋滞で疲れました。
北海道は暑さのピークを向かえました。蒸暑い日は例年以上。
気が付けば、7月上旬までの天候不順は嘘のように20日間以上まとまった雨が降ってません。
これは虫的に宜しくなく、樹液も草木の葉も一部枯れはじめています。
そして、まだ朝晩暖かいのにナナカマドは紅葉しはじめ・・・。
やっぱり変です。


帰省中の結果は、初めに言っちゃいますが、ダメダメでした。
道南の旬な虫といえば、オオクワガタ、ヒメオオクワガタ、オオトラカミキリなど。
個人的に未採集のトラフカミキリやフタオビミドリトラカミキリ(渡島半島の日本海側に分布)くらいは採ってこようと意気込んでいたのですが・・・



8月14日 檜山支庁管内


うちのカミさんが江差の友達の所へ数年振りに会いに行くというので、子供らも一緒に連れていきました。函館から江差に行く途中、どうしても寄りたい場所があった。

それはビッグタイガーが採集されているある場所だ。
自分には全く縁が無く、個体の目撃も食痕すら見たことは無い。
食痕は札幌周辺で結構探しているのですが・・・。


-某町某場所-


複数の家族がキャンプをしている。キャンプ場周辺はスギが多く、食樹となるトドマツは少ない。
奥地も探索してみたかったが、「クマ出没立ち入り禁止」の看板があり、
家族も同伴していることから止めた。

木の上の方ばかり見ていた私に、少し離れた場所から「虫いるよ~!」と子供が教えてくれた。もしやと思い駆け寄ると・・・


アブラゼミの羽化シーンであった。

この辺はアブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミが鳴いている。
コエゾゼミが鳴く札幌周辺の山とは雰囲気が違う。

羽化中のセミに初めて遭遇する子供らにセミの生態を教えてあげると「まだ見たい!」と言ってその場所を離れようとしない。
「ゆっくり見てな。」と、自分はビッグタイガーの食痕を探す。


まもなく・・・


「んっ?」



「あ、あっー!」

やっと見つけた渦巻き印。
成虫を見つけた訳じゃないのにこの感激は何なんだ?
ってか、こんな身近な場所にあって良いの?
セミを見ている子供たちに「ちょっと来い、見てみろ。珍しいものあるぞ!」
と呼び寄せたが、「ただの穴でしょ!」と一蹴される・・・
カミキリ屋にはお宝の印なんだってばよぉ~



友達と会う約束の時間に近づいてきたので急いで江差に向かう。
江差に着いて、家族を降ろしフリータイムの始まりだ。
といっても制限時間は4時間。
トラフとフタオビミドリトラを狙うには、海岸からそう離れていないヤマグワの多い山地が良いのでは?
そう考え、とりあえず更に南方へ車を走らせ、適当に林道に突入する。

林道沿いはヤマグワだらけだ。ヤマグワを一本一本見て進む。
しかし、古いヤマグワは見当たらない。
林道が新しいのかもしれない。
所々で咲いているノリウツギも気になる存在である。



ぱっと見、カミキリは見えないがハチ、ハナアブ、チョウはたくさん集まっている。
この地域のチョウと言えば、キタテハも見逃せない。
暫く北海道で記録がないと聞いている。
ここまで来たのだから、お世話になっている蝶屋さんにお土産でも、とノリウツギの梢のタテハ類を掬う。
が、採れるはシータテハばかりなので即リリース。



ノリウツギの梢に止まるコイツはイチモンジチョウ?とりあえず掬う。
「あっ、逃がした!・・・別にいいけど。」と呟きながらネットの中を覗くと、
「うへっ?」
赤いカミキリが入っていた。
そのカミキリその名は・・・



アオカミキリ[Schwarzerium quadricolle]★★★
夏季にノリウツギなどの花に集まる。食樹はイタヤカエデ。

いやぁ、初物でございます。北海道産のアオカミキリ族の中では(アオ、オオアオ、ジャコウ、ミドリ)の順で希少性が高いものと思われる。
トラフが採れなくてもコイツが採れるなんて、嬉しい誤算である。

しかし、トラフ採集の夢は叶わなかった・・・。


また、海岸近くの草原でフタオビミドリトラを狙うも・・・




ヒメスジコガネ[Mimela flavilabris]★★



アカスジカメムシ[Graphosoma rubrolineatum]★★

などばかりで、結局、本日のカミキリは先程のアオ一頭・・・。
こんな結果じゃ寂しいので、山奥まで入ってヒメオオ3頭採って来ちゃいました。



ヒメオオクワガタ[Dorcus montivagus montivagus](道南★★)
今年初の50㎜。(18時過ぎていたので写真は思いっきり補正しました)



19時過ぎ、家族を迎えに行き、函館へ帰る途中、オオクワガタ狙いで灯下採集。
雨が暫く降ってないせいかクワガタの集まりが悪い。
見られたクワはノコとミヤマのメスだけ。
けど、この日はクワよりもカミキリが多かったです。



ウスバカミキリ[Megopis sinica]★★
7月下旬以降、よく灯火に飛来する。



ゴマダラカミキリ[Anoplophora malasiana]★★★
北海道では主に南西部に分布。札幌以北では珍しい種となる。



最近、良い結果が得られず挫折感を味わう日々が続いている。
昨晩、久しぶりにメールをあけて見ると、お世話になってる甲虫屋さんからマジョール、オオアオ、トラフ、オオクワなどメジャー種の採集報告・情報が入ってきた。

はぁ・・・。自分は一体、何を狙ってんだか・・・。
狙い所も悪いし、執念も足りないのか。
ここらで、昨日の甲子園の駒大苫小牧のような大逆転劇を期待するのである。



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