ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

中華帝国へようこそ

2008-08-09 | アジア・中華・香港
北京オリンピックの開会式を善(11歳)と観ました。
NZは中国と4時間の時差があり、こちらの時間では9日でした。

スゴい!
という形容詞以外、頭に浮かばないほど延々と続くマスゲーム!
これは五輪というスポーツの祭典というより、中国(というよりも漢民族)による中華民族の祭典ですね、ホント。

一糸乱れぬ数千人のマスゲーム。
こんなことをするのは、地球上で共産党と宗教団体ぐらいなもの。
徹底的に個を排除し、全体の一部になりきる無名性、没個性。
そこに喜びを見出し、全体の中に自らを埋没させていけたらそれはそれで幸せなことなんでしょうが、映し出される人たちの口角の角度まで合わせた硬い笑顔がそうでもないことを感じさせました。

貼り付けたような出来合いの笑顔は、晴れ舞台に立つ喜びよりも失敗を恐れる緊張を表しているようで、
「あぁ、この人たちも人間なんだな~。」
とややホッとしました。

国旗掲揚、国歌斉唱、人民解放軍・・・
外国人には「鑑賞」、国民には「鼓舞」となりそうな国威発揚の儀式。これはもう国家や民族に名を借りた、中国共産党の一大式典じゃあ~りませんか。ときどき映しだされる胡錦涛がこの日ほど中国国家主席ではなく、中国共産党総書記に見えた日はありませんでした。



中華帝国へようこそ。



この国は何千年もかけて時々の覇者が帝国を築いては追われ、築いては追われを繰り返しているんだと改めて思いました。今の「集団指導体制」は1人に権力が集中する脆弱さを補い戦後の新中国を担っていますが、長い中国の歴史から見ればまだまだ新しい政権。

政権を握っている党はそれを手放さぬよう、混乱で国家が転覆することがなきよう、経済成長の華々しさとは裏腹に慎重に慎重に時として陰湿に事を進めているんでしょう。「集団」と言っても民意で選ばれたわけではない、権力闘争を勝ち抜いてきた政治エリートたち。
民主主義と無縁の世界。ソフトを変えてもハードはやっぱり「帝国」。

式典の構成は紙や火薬を世に送り出し、大航海時代の先駆けとなった、偉大ないにしえの国での壮大にして最先端なデジタル絵巻、
というところなんでしょうが、背後にある意図のあざとさばかりが目立ち、選手の姿さえ見えない自己顕示欲に辟易。「スゴく」ても、
いつまでも記憶に残る「美しさ」と「感動」がなかったのは残念。
まぁ、あくまでも私見ですが。

中国全56民族の華やかな衣装に身を包んだ大人と子どもの登場で、観ているのもそろそろ限界に。あの中にチベット人もチベット族として含まれているのかと思うと、それ以上観続ける気力もなくなりテレビの前を離れました。正味30分くらいの「鑑賞」だったでしょうか?

善はそれからも1人で観ていましたが、眠くなったのか退屈なのか、
15分ほどで「おやすみ」と部屋に引っ込んでしまいました。温(14歳)はまったく興味なく就寝中。夫はキッチンに来たついでに立ち見。西蘭家にあっては鳴り物入りの北京五輪もこんなものでした。

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2003年夏の北京旅行のときの写真を見ていたら懐かしいので何枚かU~P。

(←観光客にはお約束の天安門広場。
広すぎてどうがんばっても写真が撮れない!)




温と善の小ささにただただ唖然*O*

(故宮で写生中の2人→
ママに言われて渋々だったのに、始めたらけっこう一生懸命になって最後は腹ばいでした)



(←こちらはすぐそばでカップラーメンをかっこむ小父さん。

ありえないワインレッドの透けるビジネスソックスと靴のコーデがオサレ上級者ですな ̄▽ ̄;)




(万里の長城に行ったときにバスで一緒だった人?? 

誰だか記憶にないのですが2人のこのなつきよう。善なんか「家族か?」のノリ。
でも誰だったんだろ?→)




(←万里の長城の「やらせ写真」。

暑くて長くて大人も子どももヘトヘトだったのに、帰りの下り道で
「走って登った写真を撮っとこう!」
とけしかけたら、さっそくやってる善。ちょろいぜ。そしてワタクシ。
その後ろがさっさと下りてる温)

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