北朝鮮がアフリカ諸国に指導員を派遣し、要人警護などの技術指導をして外貨を稼いでいる実態が浮かび上がった。北朝鮮制裁の履行状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルが、近く公表予定の最新の年次報告書で指摘した。朝日新聞が入手した未公表の報告書によると、北朝鮮は西アフリカのアンゴラで、1990年ごろから大統領警護の技術指導を開始。昨年秋の現地調査では、北朝鮮人の指導員ら12人が現地の当局者らに対し、武術やパレードでの警護方法を指導していることが確認されたという。
中国の第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第5回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、2017年の実質国内総生産(GDP)成長率の目標を前年より事実上引き下げ「6・5%前後」とした。成長目標の引き下げは3年連続。成長鈍化を容認し、構造改革を進める。李首相が政府活動報告を読み上げ、習近平共産党総書記(国家主席)を党中央の「核心」と位置付けたことを確認した。最高指導部が大幅に入れ替わる今年後半の第19回共産党大会を控え、習氏は全人代で自らの求心力強化を図る。
トランプ米大統領は4日、ツイッターに「オバマ大統領は大統領選直前の10月に私の電話を盗聴していた」と書き込み、オバマ前大統領に電話を盗聴されたと主張した。主張の根拠は示していない。オバマ氏のスポークスマンは同日、「オバマ大統領、ホワイトハウス当局者ともに米国市民の監視を指示したことは一度もない」と完全否定の声明を出した。米国の司法機関は、捜査対象者の通話やメールを傍受することがあるが、それを指示する権限は大統領にはない。司法機関も、捜査から独立した立場の連邦判事から令状を取得する必要があり、その際には、なぜ通信傍受が必要なのか根拠の提示を求められる。
マレーシア外務省は4日、北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放すると発表した。48時間以内の6日午後6時(日本時間同午後7時)までにマレーシアを出るよう求めた。姜大使は金正男氏殺害事件を巡るマレーシア政府の対応を繰り返し批判し、同国が求めた謝罪にも応じなかったという。両国関係の悪化は決定的となった。 マレーシア政府はこれまで駐北朝鮮大使を召還させ、北朝鮮国民のビザなし渡航の中止も表明。今回、国交断絶に次ぐ強硬措置を打ち出した。
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が5日に開幕するのを前に、全人代の傅瑩報道官が4日午前、北京の人民大会堂で記者会見し、2017年度の国防費予算案の伸び率は前年度実績比7%前後だと公表した。16年度と同水準の伸び率で、初めて1兆元(約16兆5千億円)を超えることが確実になった。トランプ米政権は、国防費を大幅に増額する方針を表明している。中国の国防費は、国内総生産(GDP)の成長率を上回り高水準を維持。経済が減速する中、南シナ海問題などで対立を続ける中国が、対抗する形で軍拡を継続する方針を鮮明にした。
日本映画が中国で続々と公開されている。日中関係の悪化で一時期はゼロだったが、昨年は2000年以降では最多の11本が公開。アニメ「君の名は。」の興行収入は中国での邦画の最高記録を更新した。世界2位の映画市場に、日本政府も熱視線を送るが、規制や政治といったハードルはまだ高い。「何にも余計なものが混じっていない純粋なラブストーリーに最も感動した。現実は映画と異なり、愛だけではダメで、お金が必要だから」。中国南部・広州の映画館で「君の名は。」を見た女性(31)は感想を語った。
元東京都知事の石原慎太郎氏は3日、豊洲市場(江東区)の移転問題に関して初めて都内で記者会見を開き、「豊洲移転は(知事就任時には)既定路線だった。最高責任者として裁可した責任はあるが、私一人というよりも行政全体の責任だ」と述べた。用地買収交渉などの詳しい報告も受けていないと従来の主張を繰り返し「今の混乱、迷走の原因は小池百合子都知事にある。豊洲は科学的に問題がなく、一刻も早く移転すべきだ」と批判した。石原氏は、水面下で行われたとされる東京ガスからの用地買収交渉は、担当していた側近の「浜渦武生元副知事に一任していた。逐一報告は受けていない」と説明した。
トランプ米大統領が不法移民流入を防ぐため指示しているメキシコ国境の壁建設の費用が十分に確保されず、早期着手の障害となっているとロイター通信が1日伝えた。トランプ氏は2月28日の施政方針演説で「巨大な壁の建設をすぐ始める」と表明したが、資金の壁に直面している。トランプ氏は国境警備を担う国土安全保障省の既存の基金を活用して建設を始め、不足分の予算を議会に求めると説明してきた。だが同省が議会に先週提出した報告書は、基金では2千万ドル(約23億円)しか確保できなかったと明らかにし、「壁の建設を始めるには不十分」とした。
北海道は28日、江差町で繁殖のために押し寄せた大量のニシンで海が白く濁る「群来」が確認されたと発表した。かつてはニシン漁でにぎわった同町だが、その後は衰退していた。群来が確認されたのは約100年ぶりという。道によると、26日午前、江差港の南にある「えびす浜」付近の海が白濁しているのを漁業者が発見。28日には付近の海底で、海藻に産み付けられたニシンの卵が見つかったという。江差町によると、町内でのニシンの豊漁は1913年(大正2年)が最後という。檜山地方では2009年からニシンの稚魚の放流を行っており、同町は「放流の成果が表れているのではないか」と話している。
神奈川県藤沢市の建築現場で今月、小型無人機ドローンが墜落し、ぶつかった作業員がけがをしていたことが28日、国土交通省への取材で分かった。ドローンをめぐっては、国がトラブルの連絡を求めるようになった2015年12月以降、墜落など約50件のトラブルが報告されているが、人身事故は初めてという。国交省によると、18日午前、建築現場を空撮するために飛行していたドローン(縦横各40センチ、重さ約1キロ)が、高さ約70メートルの場所でクレーンに接触して墜落し、30代の男性作業員に衝突した。作業員は顔に大けがを負った。