医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

銀司と取手の人々

2014-10-23 07:30:53 | 創作欄
銀司は時々、取手図書館へ出向いた。
読書好きの大村夫妻も来ていた。
奥さんの房子さんは新聞の投稿に熱心で、読書の前には数纸に目を通している。
自治会の班長会議の時に隣の席に座ったので房子さんに声をかけた。
「図書館で姿を見かけます。熱心に新聞を読んでいるんですね」
「教師になったのだけれど、ジャーナリスト志望だったの」と微笑んだ。
67歳であるが服装もお洒落であり、何時も栗毛の髪がふわっとしていて若々しい。
ある日、房子さんが3人のご婦人たちと野球グラウンドのベンチに座っていた。
銀司は利根川に釣りに来て帰る時であった。
遠くから3人がどのような会話をしているのかを想像してみた。
春の陽気に誘われ図書館から緑地公園へ3人でやって来たように思われた。
雲雀がさえずっており、ウグイスの声も聞こえていた。
土手の外れにサイクリング用に自転車を貸し出す駐輪場があった。
4人連れの60代と思われる女の人たちが自転車を借りてサイクリングコースを走って行く。
銀司は土手を横切り市民会館の方へ向かった。
そして市役所支所の前の休憩場所に置かれた血圧計で血圧を測ってみた。
印字された纸が出てくる音に違和感を感じた。
そして数字を見ることなくその紙片を丸めてゴミ箱に捨てた。
蕎麦屋に寄って酒を飲む。
その店は取手市内で一番、レトロな店であった。
柱時計やラジオは昭和30年代を思わせた。
店の奥の障子のガラス越し、80代思われ女性が裁縫をしているのが見えた。
濃紺であった暖簾も変色して風に吹かれて侘しい。
ビー玉入のサイダーを飲んでいる70代の女性は赤ちゃんを抱くように猫を抱いていた。
格子戸の窓から女子高生たちが店内を覗いてから入ってきた。

ガラガラと開くガラスの引き戸の音も昭和30年代を想わせた。

銀司は地酒の「君萬代」を2本飲んで店を出た。














読書は多くの人生経験も教えてくれる

2014-10-23 06:18:30 | 編集スクランブル
★東京・上野・御徒町のアメ横が訪日外国人に人気であるが、戦後の闇市から生まれた新宿ゴールデン街観光名所の一つになっているそうだ。
また、最近の米CNNニュースが「日本のランドセルが人気」と伝え、注目されている。
「大衆薬」も人気で、「正露丸」「龍角散」目薬も売れ筋になっている。
★子どもの貧困防止
多くは母子家庭であり、その理由の多くは離婚。
子どもを引き取った母親は、極めて経済力が弱い状態のため、生活が困窮している。
貧困の連鎖を断つには、子どもの学力を付けることだ。
★母子世帯の母親は中卒、高卒の場合が多いため、急いで自立を促すよりも、学び直しや職業訓練を同時並行で行う支援も打ち出している。
長い目で見て、経済力を付けることが不可欠だ。
一方貧困問題は、経済面だけでなく、社会的な孤立の問題も含んでいる。
「子どものための経済支援は長い目で見れば社会が得をします」
放送大学副学長・宮本みち子さん
★映画「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」
映画は、過去と現在が行き来する形で展開。
クロエ・グレース・モレッツが演じる主人公ミアは、家族旅行中に事故に遭遇。
昏睡状態に陥ったミアの魂は、体を抜け出し、自分の置かれた状況を客観的に見つめつつ、これまでの人生を振り返る。
恋人と破局したばかりの彼女は、この事故で家族をも失ってしまう。
それでも自分は生きるべきなのか。
「死というリアルなテーマに向き合えるのは、今作の魅力のひとつだ」とモレッツは語る。
「恋か仕事か、どちらかを選ばなければいけないのだとしたら、それは真実の愛ではないと思う。相手が情熱をもつことを含めてその人を受け入れるのが、本当の愛。誰かと一緒にいるためには小さな妥協は必要でしょうけど、人生を完全に変えてしまったら、やがて後悔するはずよ」
生きるか死ぬか-。
究極の選択を迫られるミア(モレッツ)
★「自分が経験する人生は一つだが、読書は多くの人生経験も教えてくれる。人生を豊かにしてくれる」
映画も然り!