銀司は時々、取手図書館へ出向いた。
読書好きの大村夫妻も来ていた。
奥さんの房子さんは新聞の投稿に熱心で、読書の前には数纸に目を通している。
自治会の班長会議の時に隣の席に座ったので房子さんに声をかけた。
「図書館で姿を見かけます。熱心に新聞を読んでいるんですね」
「教師になったのだけれど、ジャーナリスト志望だったの」と微笑んだ。
67歳であるが服装もお洒落であり、何時も栗毛の髪がふわっとしていて若々しい。
ある日、房子さんが3人のご婦人たちと野球グラウンドのベンチに座っていた。
銀司は利根川に釣りに来て帰る時であった。
遠くから3人がどのような会話をしているのかを想像してみた。
春の陽気に誘われ図書館から緑地公園へ3人でやって来たように思われた。
雲雀がさえずっており、ウグイスの声も聞こえていた。
土手の外れにサイクリング用に自転車を貸し出す駐輪場があった。
4人連れの60代と思われる女の人たちが自転車を借りてサイクリングコースを走って行く。
銀司は土手を横切り市民会館の方へ向かった。
そして市役所支所の前の休憩場所に置かれた血圧計で血圧を測ってみた。
印字された纸が出てくる音に違和感を感じた。
そして数字を見ることなくその紙片を丸めてゴミ箱に捨てた。
蕎麦屋に寄って酒を飲む。
その店は取手市内で一番、レトロな店であった。
柱時計やラジオは昭和30年代を思わせた。
店の奥の障子のガラス越し、80代思われ女性が裁縫をしているのが見えた。
濃紺であった暖簾も変色して風に吹かれて侘しい。
ビー玉入のサイダーを飲んでいる70代の女性は赤ちゃんを抱くように猫を抱いていた。
格子戸の窓から女子高生たちが店内を覗いてから入ってきた。
ガラガラと開くガラスの引き戸の音も昭和30年代を想わせた。
銀司は地酒の「君萬代」を2本飲んで店を出た。
読書好きの大村夫妻も来ていた。
奥さんの房子さんは新聞の投稿に熱心で、読書の前には数纸に目を通している。
自治会の班長会議の時に隣の席に座ったので房子さんに声をかけた。
「図書館で姿を見かけます。熱心に新聞を読んでいるんですね」
「教師になったのだけれど、ジャーナリスト志望だったの」と微笑んだ。
67歳であるが服装もお洒落であり、何時も栗毛の髪がふわっとしていて若々しい。
ある日、房子さんが3人のご婦人たちと野球グラウンドのベンチに座っていた。
銀司は利根川に釣りに来て帰る時であった。
遠くから3人がどのような会話をしているのかを想像してみた。
春の陽気に誘われ図書館から緑地公園へ3人でやって来たように思われた。
雲雀がさえずっており、ウグイスの声も聞こえていた。
土手の外れにサイクリング用に自転車を貸し出す駐輪場があった。
4人連れの60代と思われる女の人たちが自転車を借りてサイクリングコースを走って行く。
銀司は土手を横切り市民会館の方へ向かった。
そして市役所支所の前の休憩場所に置かれた血圧計で血圧を測ってみた。
印字された纸が出てくる音に違和感を感じた。
そして数字を見ることなくその紙片を丸めてゴミ箱に捨てた。
蕎麦屋に寄って酒を飲む。
その店は取手市内で一番、レトロな店であった。
柱時計やラジオは昭和30年代を思わせた。
店の奥の障子のガラス越し、80代思われ女性が裁縫をしているのが見えた。
濃紺であった暖簾も変色して風に吹かれて侘しい。
ビー玉入のサイダーを飲んでいる70代の女性は赤ちゃんを抱くように猫を抱いていた。
格子戸の窓から女子高生たちが店内を覗いてから入ってきた。
ガラガラと開くガラスの引き戸の音も昭和30年代を想わせた。
銀司は地酒の「君萬代」を2本飲んで店を出た。