8月が近づくと、例年、戦争に関する記事が多くなります。
それに加えて、今年は安保法案の審議があるので、なおさらの感があります。
テレビが無いのでわかりませんが、総理は相変わらず火事の喩え話をしているのでしょうか。
ネットでテレビ出演の動画を見ましたが、バカバカしく、ちらとだけ見てやめました。
生肉、と揶揄されていましたが、たしかに煙のつもりの模型はどう見ても肉の塊でした。
それと、戦争を火事と同一次元で考える精神構造の粗雑さには、とうていついていけません。
さて、この3,4日ほど、断続的にネットで映画を見ています。五味川純平原作「人間の条件」。
若い時に本を読み、自分では経験していない戦争の過酷さ、悲惨さを感じさせられた作品です。
映画で見るのは初めてでした。
全6部9時間半という長い映画なので、1回で全部見てしまうわけにはいきません。
これまで断続的に1部、2部まで見終わりましたが、これだけで3時間余。
主人公は、鉱山で中国人労働者の労務管理を行う梶という男。仲代達也が演じています。
軍隊というのは本来敵を殺すための組織です。
いざ戦争となれば、正義もへったくれも通用しなくなります。
そういう暴力組織の軍隊を、消防組織に喩えるのは不謹慎。
消防庁長官は文句の一つも言うべきでしょう。
映画は、戦争や軍隊というものの理不尽さを告発します。
地位の高い者、利権がある者、不正をする者、要領よく立ち回れる者だけが生き残ります。
それ以外の人間は、すべてが消耗品であり捨石なのです。
見ているとやりきれなくなります。
ただ、そういう立場になったら、わたしも人間としての正気を保っていられるか自信がありません。
人間が人間でいられなくなる、それが戦争というものだと思います。
だからこそ、人は戦争を忌避し、平和を願うのではないでしょうか。