ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

500円・・・。

2015年05月23日 | 日々の出来事

 先週の火曜日(5月12日)に灯油の配達で馴染みのお客さん(高齢者)の家に行ったところ、帰り際に、「これで冷たいモノでも飲んでね。」と言われて1コインを差し出されました。

 「コーヒーでも飲んで。」と言われて100円硬貨を差し出されたり、缶コーヒーやジュースを頂く事は他のお客さんでは時々あるのですが、このお客さんから言われたのは今回が初めてだった事と、差し出されたのがお駄賃(チップ)としては明らかに高価な500円硬貨だった事もあって、私は、「頂けません。お気持ちだけで結構です。」と断りました。

 しかし、「いつもお世話になっているから。」、「私の気持ちだから受け取って。受け取って。」と何度も言われたので、数回の軽い押し問答の後に、「それではありがたく頂きます。」と言って私は500円を受け取りました。その後、「来週後半にガスの検針と集金に伺いますね。」と言って、お客さんの家を後にしました。



 そして、昨日(5月22日)、ガスの検針と集金に伺ったところ、いつもは、「お母さん、ガス屋さんよぉ~。」と言って支払いにはタッチしない娘さんが財布を出してガス代を私に支払いました。いつもとは違う対応だったので、「今日はお母さんはお出かけですか。」となにげなく聞いたところ、娘さんから返ってきたのは、

 「母は亡くなりました。」

と言う思いがけない言葉でした。先週元気な姿を見ていたばかりだったので信じられませんでした。その後、娘さんと二言三言話をしましたが、何を話したのかあまり覚えていません。

 その後は、なんだかフワフワした感じで残りの仕事をこなしましたが、先日突然頂いた500円の事を思い出して、

 「先週の事はなんだったんだろう。なんか予感みたいなのがあったのかな。」

等と言う超自然的な事を考えながら会社に戻りました。昨日の午後はなんだか心にポッカリ穴が開いた感じで過ごしました。



 会社の上司や同僚からは、「気にしてもしょうがないよ。あまり深く考えるな。」と言われますが、こう言った馴染みのお客さんとの突然の別れは何度経験しても慣れる事ができません。今年の10月には入社して丸5年が経過するのですが、今でも全然ダメです。私がガス屋の仕事で唯一馴染めないのはこれかもしれません。私は検針や集金や灯油の配達で他の社員よりもお客さんに対面する機会が多いので想いが強いのかもしれません。



 しばらくの間は500円硬貨を見る度に、今回のお客さんとの突然の別れを思い出すことになると思います。

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