【寄稿】
新松浦漁協の海上デモで思うこと
~生活の海を守るのか、みんなの海を金で売り渡すのか~
7月15日午前、長崎県の新松浦漁協のみなさんは、漁船など66隻に220人が乗って、玄海原発前で抗議の海上デモを行い、陸でも抗議の申し入れを行いました。以下報道記事です。
鷹島地区活性化協議会代表の渡辺勝美さん(62)はテーブルを囲む若手漁師約15人を見やり「島の子供たちのためにやること。じっと眺めて再稼働させるのではなく、生活がかかっていることを伝えなければ」と決意を語りました。 (毎日新聞7月13日)
志水正司組合長は海上デモに合わせて陸路で玄海原発に向かい、九電に抗議文を提出。隣接する展示施設「玄海エネルギーパーク」で「玄海原発に万が一、事故が起き、高濃度の放射性物質の飛散、高濃度の放射能汚染水の流出があれば、風評被害を受けての不買等で新松浦漁協は壊滅的な被害を受けることは必定」と抗議文を読み上げ、九電の担当者に手渡した。(朝日新聞7月15日)
いのち・未来うべの会員の岡本正彰さんと私は、4月13日佐賀県議会へ玄海原発の再稼働反対を訴えに行ったときに、足を延ばして長崎県鷹島にある新松浦漁協を訪ねました。鷹島は、玄海町側から橋一本でつながっているだけで避難計画は立てようもないところでした。
また漁協の本店は、鷹島の漁場の現場に近い加工場と一緒にありました。
本店の壁には、「再稼働絶対反対」と書いてありました。(写真参照)
私たちは、漁協が海と漁民のみなさんの生活に密着していること、だからこそ生活の海を守ることに真剣であることを深く感じました。
ひるがえって、山口県ではどうでしょうか。
山口県漁協の本店は、下関市にあり、大きなビルを構えています。
本店のホームページには、上関原発についての見解も、福島の原発事故でどれほど海が汚染されたのかについての情報もありません。
何も書いていないことは、原発に中立的な立場ということなのでしょうか?
とんでもありません。
上関原発推進のために県下の漁協に原発受入を指導し、瀬戸内海を金で売り渡す漁業補償金を受取り、あまつさえ、目の前3・8キロが計画地で35年に渡って原発反対を貫いている祝島漁協(現、祝島支店)に対してさまざまな分断策を弄して無理やり補償金を受け取らせようとしています。
本店役員は、まるで中国電力の代理人、原発推進の旗振り役です。
日本海側で田万川町(現、萩市)萩市三見、豊北町(現、下関市)の計画を中止させた漁民の声、漁協の心はどこへ消えたのでしょうか。
福島の原発事故の収束はいまだ何も進んでいません。
新しく就任した川村隆・東電会長が「トリチュームを福島沖に放流する」と言って、福島県漁協、原子力規制委員会からさえ、強い抗議を受けているのが現状です。一度、事故を起こせば解決策はなく海は放射能で殺されてしまうのです。
海は、みんなのものです。長崎県の新松浦漁協のみなさんに続きましょう。
瀬戸内海を死の海にする上関原発計画を止めましょう。
(2017/07/20 安藤 公門)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます