麻生さん、地方遊説したいでしょうネ・・・

　衆院解散で事実上選挙戦が始まった。民主党代表の鳩山さんはあっちこっち地方遊説でお忙しそうである。だが、麻生さんには地方からお呼びが掛からず、このところ、業界団体ばかりを回っているそうだ。が、今まで一度も来たこともない総理が急に来てペコペコ頭を下げても、喜ぶよりビックリしたという人の方が多いようである。　　
　地方遊説の日程ができていない首相というのも珍しいが、またまた高齢者を侮辱したかのような発言に、麻生さんに来てもらっても何を言われるかわからない。ならばおとなしく公邸に引きこもっていただく方が無難だと、誰もが思っているだろうネ。　　
　最近は地方の医師会の中でもはっきり民主党支持を表明したところも少なくない。経済界においても民主党に期待する言葉を口にする経営者もいるようだ。霞ヶ関でも政権交代に向けて「民主党シフト」の人選を始めたとか。いよいよ自民党崩壊の始まりか？

　先日、小泉元総理の秘書官だった飯島氏が民放のテレビ番組に出演し、麻生さんについて語った。麻生さん不人気の原因は、優秀なブレーンがいなかったこと、周囲のサポートが不十分だったこと。ただ、経済対策はよくやったと飯島氏という。だが、徐々にではあるが大手企業に景気回復の兆しが見られるとはいうものの、まだまだ雇用状況は厳しい。
　今のところ、「麻生人気」のきっかけとなった東京・秋葉原での街頭演説はないようだが、飯島氏はネット上の人気は書き込みによるもの、裏づけのない人気を過信してはいけないという。そして、麻生さんが、山口県防府市の土石流による大きな被害を出した被災地へ、事故発生と同時にジャンパー姿に長靴で駆けつけていたら、それは「秋葉原」効果どころではなかったろうに、それに気づかないのも精神的余裕のなさかと…。
　誰かあの番組を見たのか、麻生さんは２６日に急遽山口入りし、自治体の長から状況を聞く予定だったとか。が、雨が激しく二次災害の恐れもあり、混乱した現場へ行っても邪魔になるだけと言われたわけではなかろうが、直前で中止した。ただ、国道２６２号が寸断されているため、迂回路として近くの高速道路の無料化を西日本高速道路に要請すると述べたが、その対応は意外と早く、即日、一定区間のみ無料化が実施された。事故発生からはや１週間、もっと迅速に行動を開始すればよかったのに、あのテレビ放送のあとでは有難さも半減、何事もタイミングが肝心なんだよ、麻生さん。　　

　話は変わるが、民主党は衆院選に向けてまとめた政策集に、インド洋での海上自衛隊の給油活動中止を盛り込まないことに決めたという。小沢代表時代は、強硬に給油活動中止を叫んでいたのに、あの騒ぎは何だったのかと、与党の閣僚から批判が相次いだという。また、米軍普天間飛行場の移設問題でも「普天間県外移設」の文言はなく、さらに、「国家公務員総人件費の２割以上削減」についても、「３年以内」の年限が削除されているという。
　自民党閣僚たちの“民主党はぶれ始めている”との発言に、２４日、岡田幹事長は記者会見で“ぶれてはいない”と言っていたが、何だかいつもの歯切れよさがなかったように思う。与党の政策に反対し、独断専行を阻止するのが野党の立場であるが、政権交代で与党の立場になれば、特に外交・安保問題では持論を曲げねばならぬことがまだまだありそうだ。
　
　昨日、鳩山さんが言った、元総理の影響力が政治を混乱させるとして、「総理大臣を辞めたら議員を引退」というのは大賛成である。また、国民が期待している「官僚政治」からの脱却はぜひとも成し遂げてもらわねばならぬが、明治維新から連綿と続く官僚政治に終止符を打つことができるのか？
　民主党のマニフェストは、無駄遣い根絶をベースした予算編成になっているそうだが、「高速道路無料化」で、莫大な建設費の償還財源は？　「子ども手当て」、「ガソリン税暫定税率廃止」は、子どものいない人や車に乗らない人にとっては有難くも何ともない。だが、子どもは将来を担う大事な宝、子育て支援に反対はしない。さらに、１３年度までに月７万円の最低年金保障などなど、自民党が作った借金を引き継ぎ、なお４年間増税なしで、果たして財源の確保は大丈夫だろうか？　
　すべてが新たな挑戦で、やってみなければ分からないというところに不安感がある。だが、国民の期待感はそれを大きく上回っており、ここまでくればもう迷ってはいられないだろう。