世界企業になった「ユニクロ」・・・

　昨今、テニスの錦織圭選手の活躍で、衣料品メーカー「ユニクロ」の知名度は大幅にアップした。いまやスポーツウェアーの胸元や袖の赤いロゴ・マークは世界のブランドになりつつある。ユニクロはこれまでもオリンピックの日本代表公式ユニフォームの提供、サッカーやマラソンなど多くの分野へのスポーツ支援を行っている。錦織選手とは２０１１年１月、５年間のスポンサー契約を締結。また、２０１３年にはプロゴルファーのアダム・スコットもユニフォームの提供などを行っているという。
　ユニクロの歴史を探ってみた。現在の日本を代表するアパレルメーカー、世界に広く知られている「ユニクロ」の出発点は日本の本州の端に位置する小さな都市、山口県宇部市である。かつてここに、ユニクロ創始者である柳井正の父親が起こした「小郡商事」という名の男性向け衣料品メーカーがあった。この衣料品メーカーが、代替わりをきっかけに、世界に名を知られるアパレルメーカーへと成長していくのである。
　１９８４年に父親から小郡商事を継いだ柳井正は、同店の名称を「ユニクロ」へと変更し、店舗で取り扱う商品ラインを、紳士服などの男性向け衣料品から、老若男女を対象とした日常的なカジュアル衣料へと大きく転換させる。広島県に第１号店を開店以降、ユニクロは、「本当に良い服を世界中の人々に来てもらう」理念の元、国内外へ急速に市場を広げていく。２０１１年９月現在、同社の海外店舗数は１８６店舗に達した。現在も年間２００から３００店舗の出店ペース実現、海外市場での売上高が日本国内の規模を越える事を目指し、同社は今後もさらなる世界ブランド化を狙っていく。
　しかし、昨今、海外の下請け工場の過酷な労働環境が判明、ブラック企業呼ばわりもされた。また最近は、ネットに品質低下を指摘する書き込みが目に付くようになった。私も値段が高くなったのに品質は以前より悪くなったように思う。また今日のニュースでは、今年７～９月に順次発売する秋、冬物の一部で、平均５％程度値上げするという。値上げの対象は、繊維が長くて細い上質なコットンを使ったＴシャツなど主力商品が中心となるそうだが、値上げは２０１４年に続き２年連続となる。どこの企業でもそうだが、規模が大きくなると設立当時の経営理念を忘れ利益最優先となってしまう傾向にあるが、ユニクロも例外ではなさそうだ。

　昔といっても１０年くらい前のユニクロ製品は品質がよく、安価なので気に入ってよく買っていた。２００７年にイタリア旅行のためユニクロでＴシャツを３枚買った。そのうち１枚は４年ほど、あとの２枚は、驚くなかれ７年経った今でも着ている。４年ほど着たのは綿とポリエステル混紡だったと思うが、今もある２枚のタグを見ると、ポリエステル８８％、ポリウレタン１２％で、中国製とある。光沢のあるサラッとした素材で洗ってもシワがよらず、とても着心地がいい。色は黒とベージュだが、洗濯しても色が出ないから他の洗濯物と一緒に洗える。今ではこういう良質のＴシャツはどこを探してもない。
　私がユニクロで買うのはＴシャツかセーターがほとんどで、胸が大きいのでこれまではＸＬサイズを買っていた。Ｔシャツやセーターなどは鏡の前で体に合わせてみるだけで試着はしない。昨夏買ったＴシャツは、ＸＬだと大きそうに思えたのでＬを買ったが、それでもぶかぶか。また首周りの空きが広すぎてブラジャーの肩ひもが見えてしまい、とても着られるものではない。家の中だけで着ようかなと思ったがどう見てもかっこ悪い。結局、一度も着ないまま捨ててしまった。
　高品質、低価格がモットーのユニクロだと思っていたが、これだけ規模が大きくなれば尊大にもなり驕りが見えてくるのも仕方ないのか。まあ、気に入らなければ買わなきゃいいんだよネ。