つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

新米ガイド・・・

2006-02-18 | Weblog
 昨日は、兵庫県の浜坂漁港でのカニ会席と、「夢千代日記」で有名な湯村温泉を散策する日帰りバスツアーに、友人3人と参加した。
 岡山市に本社を置くバス会社企画のツアーで、朝8時頃直近のバス停付近で拾ってもらったが、総勢26人という少人数にも関わらず大型バスにガイド付きである。出発して間もなくガイドの挨拶があり、その話し方がちょっと気になった。どこか舌足らずで語尾もはっきりしないし、頼りなげに見えた。「新米だろうね」と笑い合って、あとは私語の会話をしていたので別に気にもならず、バスは進行した。

 昨夜の天気予報に反して晴天の暖かい朝で、山陰地方も同じかとおもいきや、鳥取県境の黒尾峠手前のトンネルと抜けると、まさに、川端康成の名作「雪国」のとおりであった。 しかし、最近は日本中どこへ行っても道路管理が行き届いていて、国道はほとんど雪もなく冬の旅は快適になっている。

 さて、ガイドのお嬢さんはと注目してみると、20歳過ぎくらいか、色白の健康美人である。バスの進行に合わせてあたりの名所旧跡の由来や故事を話してくれるのであるが、妙にぎこちなく、バスの進行速度と説明が合わず、通り過ぎてしまった後だったりする。
 よく見ると、ガイドの目線が我々の方でなく、横の下の方を見ている。どうやら虎の巻を広げ、それを一生懸命目で追いながらしゃべっているらしい。時折話しながらこちらを見ているが、そうすると次がどこか分からなくなるらしく、指でなぞりながらページを繰っている。
 その様子が、真剣であるだけにおかしくて、彼女には気の毒だがガイド説明より、彼女の一挙一動を眺めるほうがおもしろかった。バスを降りるとき見ると、正規のマニュアルでなく、小さなノートに自筆でこまごまと書き入れてあり、努力のあとがみえた。聞くとようやく1年になるそうだが、悪いが、まだ入社して2、3ヶ月かと思うくらいのお粗末さであった。
 一生懸命ガイドしてくれるのであるが、途切れ途切れになり、語尾が消えて聞こえなかったりで、もう聞いているこちらがひやひやしてくる。それでも帰りの車中では、大分雰囲気に慣れたのか、「ビデオを見られますか、それとも私の歌がいいですか」と冗談が出て、みんなで大笑い。友人が「あの位なら私でも歌えるよね」と言う位だから想像もつくというものだろう。だが、行きはカチカチだったのに帰りには冗談の一つも出るくらいにリラックスしたということは、我々乗客の大きな包容力のおかげ?で、無事一日の業務を終えられたということだ。
 だが、1年もこれで続けて来られたのは余程ガイド不足なのか、会社の温情か、乗客の大きな愛のおかげか分からないが、とにかくこれに甘えず努力精進して、早く一人前になってほしいと思うような、可愛い面白いガイドであった。
 度々旅はするが、こんなガイドは本当に初めてである。おかげで退屈することもなく、カニ料理も満足だったし、8800円にしてはお得な日帰りバスツアーだった。
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