昨夜のNHK「クローズアップ現代」で、『人に優しい企業の挑戦』としてある3社が紹介された。こうした企業の姿から「会社は誰のために何のためにあるのか」を改めて考えるという内容であったが、これらの企業に共通する理念は「会社は人なり」であろうと思うのである。そこでもう1社、8日のテレ朝で放送されたものだが、岐阜県輪之内町の『未来工業』について、ネットで知りえた詳細を紹介しよう。
『未来工業』は電気設備資材や給排水設備を製造するメーカーで、元々は、1965年、劇団「未来座」のメンバーたちによって起業された。今年で創業40年を迎えたそうだが、「会社がもうかるためには、社員のやる気を起こさせることが大切」だという考えから、従業員を優遇する様々な制度を導入している。
この会社は年間の休日が140日、正月休みは20日間、8月の盆休みは10日間、就業時間は朝8時30分~午後4時45分。休憩1時間を除くと実働7時間15分で、残業は一切禁止。そして、今年から定年を延長し、従業員は71歳の誕生日の前日まで働くことができ、その間、自由に定年時期を設定できる。60歳以降も給料は下がらず、長くいればいるほど退職金も上がる年功序列型である。
何か一つくらい不利な条件があっても不思議ではないと思うのだが、肝心の給与についても一般企業の平均年収を大きく超えているそうである。普通ならこんな会社はすぐに倒産しそうだが、創業から8年間は毎年、倍増で売り上げを伸ばし、以後、現在まで業績は右肩あがりだというから、なおのこと驚く。今どきこんな会社があるなんて信じられない話である。
今年2月には創業40周年を記念し、オーストラリアへ社員旅行。かかった費用1億5000万円は、すべて会社持ちだという。社員が旅行委員となり、「バンジージャンプ」・「ホームステイ」・「エステ」など、40周年にちなんだ40のネタを作成し、社員はクジをひいて様々な体験に挑戦したそうである。また、5年前には、当日にならないと行き先がわからない「ミステリー社員旅行」を開催し、あみだクジで、パリ、ハワイ、フロリダなど海外10か所へ飛び立つという、ユニークな社員旅行を試みたという。これでは社員がやる気を起こさぬわけがない。
「働くうえでいい条件を作れば、社員が頑張り、会社がもうかる。こうした様々な取り組みは、言ってみれば『アメ』作りで、『ムチ』は決して使ってはいけません」と社長。これまでの、「企業はひとえに利益のみを追求するところ」という概念を全く否定した、夢のような会社である。
会社の従業員800人のうち300人が女性だそうで、一昨年から、出産後最大3年間、2人目以降も同様の育児休暇が認められることとなった。ただ、3年取った社員はまだおらず、「育休を取っても1週間で戻ってきてしまう」のが現状だという。やはり社員もここまで優遇されれば、目いっぱい有給を使おうなんて姑息なことを考えるような者はいないのだろう。
そして、従業員は必ず正社員にし、特別な場合を除き、パート、アルバイトは認めていない。「会社は、コストを下げろと言われると真っ先に人件費から削るのが常。その結果、派遣社員やパートが生まれた。けれど、人材は会社の大切な財産。人件費の前にまだ下げるべきものはある」という。
それが、経営者の名前からくる山田流「ケチ道」で、例えばオフィスの蛍光灯には一つ一つ「引きひもスイッチ」がついていて、個別に操作できるようになっている。そして、引きひもの先端に社員の名前を書いたプラスチック製のプレートが結ばれていて、名前を書かれた者は、その蛍光灯の「管理責任者」として席を離れるたびに消さなければならない決まりになっているという。
また、「電話番シフト」という制度があって、一定の時間ごとに区切って電話番を部署のメンバーに回し、当番制にする。そうすれば電話番以外のメンバーは自分の仕事に集中できるため、能率が上がる。このシステムを考案したのは、内勤の女性営業スタッフだそうだが、この会社では、経営者だけでなく、社員全員がいかにムダを省くかに知恵を絞っている。これも経営者と社員の信頼関係があればこそできることであろう。
昨今では大企業が率先して人員整理をやっているが、今一度、「会社は誰のために何のためにあるのか」を改めて考えてみてもらいたい。
『未来工業』は電気設備資材や給排水設備を製造するメーカーで、元々は、1965年、劇団「未来座」のメンバーたちによって起業された。今年で創業40年を迎えたそうだが、「会社がもうかるためには、社員のやる気を起こさせることが大切」だという考えから、従業員を優遇する様々な制度を導入している。
この会社は年間の休日が140日、正月休みは20日間、8月の盆休みは10日間、就業時間は朝8時30分~午後4時45分。休憩1時間を除くと実働7時間15分で、残業は一切禁止。そして、今年から定年を延長し、従業員は71歳の誕生日の前日まで働くことができ、その間、自由に定年時期を設定できる。60歳以降も給料は下がらず、長くいればいるほど退職金も上がる年功序列型である。
何か一つくらい不利な条件があっても不思議ではないと思うのだが、肝心の給与についても一般企業の平均年収を大きく超えているそうである。普通ならこんな会社はすぐに倒産しそうだが、創業から8年間は毎年、倍増で売り上げを伸ばし、以後、現在まで業績は右肩あがりだというから、なおのこと驚く。今どきこんな会社があるなんて信じられない話である。
今年2月には創業40周年を記念し、オーストラリアへ社員旅行。かかった費用1億5000万円は、すべて会社持ちだという。社員が旅行委員となり、「バンジージャンプ」・「ホームステイ」・「エステ」など、40周年にちなんだ40のネタを作成し、社員はクジをひいて様々な体験に挑戦したそうである。また、5年前には、当日にならないと行き先がわからない「ミステリー社員旅行」を開催し、あみだクジで、パリ、ハワイ、フロリダなど海外10か所へ飛び立つという、ユニークな社員旅行を試みたという。これでは社員がやる気を起こさぬわけがない。
「働くうえでいい条件を作れば、社員が頑張り、会社がもうかる。こうした様々な取り組みは、言ってみれば『アメ』作りで、『ムチ』は決して使ってはいけません」と社長。これまでの、「企業はひとえに利益のみを追求するところ」という概念を全く否定した、夢のような会社である。
会社の従業員800人のうち300人が女性だそうで、一昨年から、出産後最大3年間、2人目以降も同様の育児休暇が認められることとなった。ただ、3年取った社員はまだおらず、「育休を取っても1週間で戻ってきてしまう」のが現状だという。やはり社員もここまで優遇されれば、目いっぱい有給を使おうなんて姑息なことを考えるような者はいないのだろう。
そして、従業員は必ず正社員にし、特別な場合を除き、パート、アルバイトは認めていない。「会社は、コストを下げろと言われると真っ先に人件費から削るのが常。その結果、派遣社員やパートが生まれた。けれど、人材は会社の大切な財産。人件費の前にまだ下げるべきものはある」という。
それが、経営者の名前からくる山田流「ケチ道」で、例えばオフィスの蛍光灯には一つ一つ「引きひもスイッチ」がついていて、個別に操作できるようになっている。そして、引きひもの先端に社員の名前を書いたプラスチック製のプレートが結ばれていて、名前を書かれた者は、その蛍光灯の「管理責任者」として席を離れるたびに消さなければならない決まりになっているという。
また、「電話番シフト」という制度があって、一定の時間ごとに区切って電話番を部署のメンバーに回し、当番制にする。そうすれば電話番以外のメンバーは自分の仕事に集中できるため、能率が上がる。このシステムを考案したのは、内勤の女性営業スタッフだそうだが、この会社では、経営者だけでなく、社員全員がいかにムダを省くかに知恵を絞っている。これも経営者と社員の信頼関係があればこそできることであろう。
昨今では大企業が率先して人員整理をやっているが、今一度、「会社は誰のために何のためにあるのか」を改めて考えてみてもらいたい。
私も拝見しましたが、こういった経営方針の会社を、特異に思ってしまうこと自体が、まさに本来おかしいのだと思いますよね。
企業は、人の幸せ向上のために在るのだと思いますし、現代は、何かと改善しなければならないことが多過ぎると思います。
過去の某企業勤務時には、よく松下幸之助氏の著書を読んでいましたが、あの方の理念も素晴らしかったです。
>企業は、人の幸せ向上のために在るのだと思いますし、
・・・そのためにはまず、社員を大切にするという発想は素晴らしいと思います。しかも、無駄は省きつつ。
・・・でした。
「経営の神様」といわれた松下幸之助さんは、どんなに会社が苦しかろうと、決して人員削減で急場をしのごうなんてしなかったといいます。
昨晩、NHKで紹介された健康食品会社は、景気がいいからと言って、設備を拡大したり急成長に乗って業務を拡大するなど絶対にしない主義だといいます。そして、年々生じる利益はプールしておいて、いざという時に使うそうです。だからこの不景気下でも定期昇給、賞与を実施するとか。立派ですね。この社長も松下幸之助さんの経営理念に傾倒しているそうです。
昨今の大手企業は昨年までは大幅な利益を上げていながら、景気が悪くなったらすぐに人員削減をします。経営者の能力の問題でしょうね。
わが社は、コンプライアンスに力を入れるのはいいのですが、仕組みが複雑怪奇になってしまって・・
先人が築き上げたノウハウまで全てリセットして、この先どんな会社になるのやら ちょっと恐い気がします。
大企業に限って情実に欠けるいうか、非情だという印象を受けます。
かつて経営の神様といわれた松下幸之助氏の経営理念を踏襲しているのは中小企業に多いようです。今の時代でも利益を維持しているのは中小企業がほとんどで、やはり経営者が雲の上の人というのは信頼関係愛社精神を生まれません。
また、こういう中小企業が不景気の下支えをしているのかもしれません。だとしたら、大手企業ばかりに就職先を求めるのも考えものですね。