つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

悲しみの春・・・

2006-02-20 | Weblog
 今朝も一面銀世界で、灰色の空から舞い降りてくる春の雪は淡くやわらかに見えるが、春はまだ遠いのだろうか。

 昨夜、刺殺された園児2人の通夜が行われたが、愛らしい2人の遺影は参列者の悲しみを一層深めたことだろう。日ごとに事件の動機が少しずつ明らかになっているようであるが、それにしても2人の子どもにも、その親に対しても特別の遺恨はなかったという。だれでもよい短絡的な、それでいて、刃物を用意する計画的なところもあり、全く不可解な事件である。
 国籍の違いからくる言葉や風習の問題などで周囲になじめず、孤立していったということには同情しなくもない。しかし、そういう環境でも一生懸命に生きる努力をしている人はたくさんいるというに、ましてやこの容疑者は一人ではなく夫もいて、新しい自分の家もあり、人並みに暮らしていたのではないか。
 思い通りにならない苛立ちを、なぜ弱い子どもに向けなければならなかったのか。事件を起こした車中には自分の愛児がいたというが、5歳といえばおぼろげながらでも記憶に残る年齢である。これからこの子は一生、深い傷を背負って生きて行かねばならないことを思えば、これまた哀れなことである。

 7年前のあの「お受験殺人」かとも言われた春菜ちゃんの事件では、なぜか世間は加害者の母親には同情的であった。それは、被害者の母親の裕福な家庭環境からくる生活態度や、グループのリーダー的な存在でもあったことから、加害者の母親には葛藤や軋轢が生じていたともいわれ、弱い者びいきの日本人的な同情論から来るものであったが、今回の事件はそういう母親同士の軋轢もなく、納得のできない犯行である。
 何の咎もない、いたいけない可愛い盛りの子どもを失った遺族のことを思えば、決して心神耗弱とか、心神喪失などではすまされない事件である。

 もうすぐ春がやってくる。新入学の時期であるが、未来を閉ざされた、2人の子どものランドセル姿を見ることのできない親御さんの悲しみを思うとやるせない気持ちで一杯だ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 子ども達を守るには・・・ | トップ | 狐と狸の茶番劇・・・ »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事