つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

45年前のスキー事故・・・

2011-01-18 | 私事ですが
 先日、テレ朝だったか、スキー場のパトロール隊員の活躍を紹介した番組があった。その中で、外国人スキー客が怪我をして応急手当を受けている様子やスノーボートで下山していく場面を見て、45年前の冬のことを思い出してゾッとした。
 私が誘われてスキーを始めたのは25歳の冬。全くの初心者で、事故が起きたのは少し慣れた2年目のことである。足場が不安定なリフトは怖くて乗れないので、スキー板を担いで緩やかな勾配まで上ってそこから滑る。だから、スピードはたかがしれているが、直滑降しか滑れないし転ばなくては止まれないというのは危ういものである。
 2月も中旬になると雪はいわゆる「べた雪」で、おまけに、当時のスキー板はちょっとやそっとで板が外れないようにできていたので初心者には適さない。その日も緩やかなカーブをへっぴり腰で滑っていたら転倒、「ボギッ」という音が自分の耳にも聞こえた。「折れたッ!」そう思ったことは覚えているが、そこからは激痛のあまりよく覚えていない。
 あとで聞いたのだが、運のいいことに、助けてくれた2人の男性は倉敷在住の外科医で、すぐに添え木を当てて応急処置をしてくれたそうだ。そこからはお決まりの、スノーボートで下山、救急車で市内の病院へ直行である。もちろん、母に目の玉が飛び出るほどこっぴどく叱られたことは言うまでもない。
 レントゲンで見ると骨は完全に青竹をねじったような状態で、手術をしなければ回復に日にちが掛かるといわれたが、浅はかにも傷跡が残るからいやだと手術を拒否。画像を見ながらねじれを修復、ギブスをはめられて、もう「まな板の上の鯉」である。
 他に何の治療も必要としない骨折は食っちゃ寝、食っちゃ寝の毎日で、すっかりトドに…。2ヶ月が過ぎ、業を煮やした母の指示で退院。その足で兵庫県佐用町にある評判の整形外科に行くと、こんなことをしていたら足がダメになると叱られ、すぐにギプスが外された。
 通院でリハビリ開始、だがすでに時遅しで、足の筋肉はやせ衰え、足首の関節は固まってしまっていた。週3回のリハビリはあまりの痛さに悲鳴をあげ、涙ポロポロ。自宅でも風呂の中でマッサージをせよと言われるが、自分では手加減をするので効果はない。母が車を持っている知人に送り迎えを頼み、1ヶ月以上は通院しただろうか、どうにか歩けるようになったので勝手にリハビリを止めてしまい、あとで後悔することになった。

 写真は私の美脚だが、向かって左側のカッコ悪いのが生まれ持った足。それに比べると右側の足はギプスのおかげで、すらっと真っ直ぐでカッコいい。

 見た目のカッコ悪さだけならまだいいが、足首から20センチほど上の骨折した所は、撫でると5ミリ以上の骨のずれができている。おまけに、悪いほうの足首はもうこれ以上横には広げられないし、腰を下して座りこむというのもままならない。それに、足首が曲がらないので走るとビッコになるし、きちんとした正座もできない。もうこの年になるとどうでもいいが、今でも雪道を歩くのは怖くてたまらないというトラウマと、リハビリを怠ったツケはキッチリ支払わされた。

 今年は、「日本スキー伝承100年」という記念すべき年だそうである。日本のスキーの歴史は、1911年(明治44年)1月12日、レルヒ少佐の「メテレスキー(スキーを履きなさい)」の掛け声とともに始まったとある。
 そもそもオーストリア=ハンガリー帝国参謀本部の将校であるレルヒ少佐が来日したのはスキー指導のためではなく、1904年(明治37年)から始まった日露戦争で「アジアの小国であった日本が、なぜ強国ロシアに勝つことができたのか」を検証するための軍事視察であったという。
 一方、赴任地の新潟県高田では、第十三師団の師団長の長岡外史はレルヒ少佐が来るということで、それまでにスキー技術を研究するよう部下に命令していたという。その背景には、1902年(明治35年)に起こった199名もの死者を出した八甲田山における陸軍の遭難事件があり、「もしスキーがあれば悲惨な事故は防げた」と考えていた長岡外史はレルヒ少佐にスキー伝授を要請したそうである。
 レルヒ少佐のスキーは1本杖で、現在のように杖を2本使うスキー術は、1930年、ハンネス.シュナイダーが来日し、スキーを指導したのが始まりだという。写真は奥志賀高原スキー場の記念写真展会場に展示されたレルヒ少佐のスキー板だそうだが、よくこんな板で滑れたものだと感心する。

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2 コメント

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おはようございます (おくだっち)
2011-01-20 09:03:43
私も若い頃、先輩に誘われて1度だけスキーに行きましたが、それっきりです。

レディーさんと同じく、直滑降のみで 止まれないので新雪に突っ込んでそりが行方不明になったりドラム缶に体当たりしたり、崖から墜落しそうになったり・・・
何度も命に関わる危険を味わったので、それっきりで止めましたが、お陰で大怪我はしていません。

でも最初は、ふわっとした雪の原に厚手の防寒着で 怪我などしそうに無い錯覚に陥りますね。
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Unknown (オールドレディー)
2011-01-20 09:40:28
♠おくだっちさま
最近のスキー板はすぐに外れるようになっているそうで、転んでもそれほど危険ではないようですね。
真っ白な雪の原に魅せられて始めたスキーでしたが、とんだ有様でした。
積もった雪と戯れるだけにしておけばよかったと後悔しています。でも、見るだけなら雪景色は大好きです。
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