写真も思い出もセピア色・・・

　先日、パソコンの写真フォルダを開いたら、ＨＰやブログに載せていない写真がたくさんあって、見ていると、あんなことがった、こんなことがあったと、その時々の旅の思い出にしばし時を忘れた。デジカメで撮った写真はこうしてパソコンに保存しておけばいつでも眺められるからいい。
　元々、実物も悪いが写真写りがなお悪い私は、写真を撮られるのが大嫌い。若かりし頃はまだしも、今ではまるで前科何犯の手配写真みたい。それを見ると、己の醜い姿を見て脂汗を流すガマの心境がよく分かる。　　　　　　
　古い写真は、昨年の「終活」の折にすべて処分した。これでもう私の写っている写真は、パソコンの中にも１枚もない。昨今はどこへ行っても、もっぱら友人のお抱えカメラマンの役に徹しているが、それもまた楽しである。 

　デジカメのない昔にもたくさん旅をした。それらの写真はもう処分してしまったが、セピア色の思い出は消えない。初めて旅らしい旅をしたのは、今から３０年ほど前のことで、２泊３日で能登へ。車で地図と格闘しながらの旅で、あちこち迷いながらも楽しかった。当時、温泉といえば男性客が喜ぶ歓楽街というイメージが強く、当然のごとく、露天風呂も大浴場も男性用がはるかに立派だった。その後、女性客が増えてくると、どこのホテルも一番に改装したのがお風呂で、昨今は特に、女性客優遇の傾向が強い。昔のように男性が幅をきかした時代はどこへやら、今や、どこに行っても女性には勝てないようである。

　その後は「おばんこ３人クラブ」で、毎月１万円ずつ積み立てをして、年に１回旅をすることになった。初の海外旅行は５泊７日でハワイへ。オバサンでもおもしろくて楽しくて、毎晩ホテルに帰るのはシンデレラ時間だった。次の年は４泊５日の北海道。そして２度目の海外旅行はマレーシアのリゾート地ペナン島。ここでは同じホテルで４連泊。トローリングや海へ潜ったり、観光したり、物価が安くてすごく得した気分だった。　　　　
　その次は４泊５日で沖縄へ。それも“かりゆしビーチ”のリゾートホテルに４連泊して勝手気ままに過ごすというのんびり旅だった。そして３度目の海外旅行はグァム島で４連泊。だが、私はぜん息を起こしてほとんどお留守番、最悪の旅だったが、さらに帰国後まもなく入院する始末。この旅の後、友人の主人が亡くなり、私のぜん息も悪化したので、「おばんこ３人クラブ」の旅はしばしお休みとなった。
　
　あの頃の旅は２名からの催行で、３人でも現地ガイドが付いた。添乗員の旗の下にゾロゾロついてゆくというツアーとは違って、思うがまま自由に行動できるのがいい。これらの旅の写真は、友人のカメラか、その頃「バカチョン」と言われた１０００円ほどの使い捨てカメラだったが、あの頃にデジカメがあったら、美しい景色がたくさん撮れたのにと残念である。
　初めてデジカメを買ったのは平成１６年の夏、花火を撮りたくて買ったのだが、そのころのデジカメは、せいぜい、人物や景色、植物を撮るのには困らない程度で、遠い空の花火が撮れるほどの機能は持っていなかった。
　デジカメで撮った写真は、平成１７月７月に開いたＨＰ『老いの一日』に「花の写真」「旅の写真」「絵の写真」に分けて載せた。が、平成２２年にパソコンを買い換えたとき、ＯＳが６４bitでＨＰ作成ソフトが使えなくなったのと、そのころにはブログを開いていたので、ＨＰの更新は止めることにした。以後は旅の写真と紀行文を、ブログのカテゴリー「旅」に載せている。

　この年になるとツアーで行くのは体力的にしんどい。ＨＰやブログを見ると、よくあれだけ旅ができたものだと我ながら感心する。だが、若い時と今では物を見る目も違えば、興味の対象も違う。好奇心や感動する気持ちも少なくなってくる。やはり旅は無理してでも若いときに行くに限る。私はそう思っているが、まあ人それぞれか？