北からの風が 霧を追い払った
さっきまで降っていた雨が みるみる上がっていく
彼の予想通りに・・・
朝5時半 私たちは車に乗り込み 約束の観察ポイントに向かった
泊まっている宿のオーナーである彼は もうスコープを覗いている
エトピリカという 日本では珍しい海鳥の観察と保護を続けている人だ
日本で唯一 エトピリカが生息する霧多布(きりたっぷ)
霧の漂う海に 入り組んだ海岸線が墨絵のように重なり
息をのむような 幽玄の世界
しかし 目の前の島は すっかり霧が晴れ
海鵜やカモメなどの海鳥の一日が もう始まっている
「今年は7月に入ってから 霧の日ばかりで・・・ 難しいかな~?」
島からは 魚を獲るため 次々と鳥が海へと飛び立ってゆく
慣れない私たちには スコープで見ても 鳥の種類の判別は難しい
「いましたよ」
つがいのメスが 巣穴から水浴びをしに 海に出てきたらしい
500m程の距離・・・ 写真は無理・・・ でも何とか見ることができた
それから ケイマフリも
世界的に見れば ケイマフリの方が珍しい鳥なのだそうだ