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MONAのフォト・ギャラリー

写楽・・話楽・・・な日々

白い森のなかで

2018-12-16 23:56:04 | 小さなおはなし

冷え切った大気の底に 動きを止めて 沈んでいる私 


電話がかかってきました 

「 寒い日が続きますね お元気ですか? 」と 私

「 こちらも雪が降りました やっと平年の冬になりましたよ 」 

電話の向こうは 長野です 

さ  さ さ さむそ・・・ お ~ ~  


さて 絵本の紹介です 

「 白い森のなかで 」 

大人向きです 

20世紀に活躍した アメリカの詩人 ロバート・フロストの詩を  

スーザン・ジェファーズが繊細な鉛筆画で表現しました  

 


 この白い森はだれの森  

森のあるじは村にいて

・・・・ 

馬ぞりに乗った おじいさんが現れます 

そっと窺う 森の生きものたちに 食べ物を置いてやり   

おじいさんは ふかふかの雪の中に身を投げ出し 手足をパタパタさせます 

すると 雪に描かれたのは 天使の絵  

雪国の子どもたちは こんな遊びをするのですね   


ほかにはやさしい風の音 

吹きすぎる風の音ばかり 

雪の花びら ちるばかり 

森はしづかにくれてゆく 

くらく やさしく かげがふく

 



けれども わたしは 約束をまもらなければなりません

約束をまもるそのために もういかなければなりません

眠りにはいるそのまえに


もういかなければなりません

眠りにはいるそのまえに 


もっと 深い意味があるみたいですね!

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クリスマスの12日

2018-12-11 21:45:34 | 小さなおはなし


イギリスでは 12月26日から12日間クリスマスを祝う風習がありました 

そして「 クリスマスの12日(The Twelve Days of Christmas)」という 遊び歌があります 

子どもたちが輪になり 先ず1番を次々と歌い ぐるりと回ると 

1番の歌詞に付け加えられた2番を歌います 

こんな風に どんどん長くなる歌詞を覚え 間違わずに歌っていくという遊びです 


今日 紹介するのは その歌に基づいた 繊細で美しい紙細工の絵本です

クリスマスの12日  ロバート・サブダ 作  大日本絵画 

きっと 歌を聴けば 知っていると思います 

On the first day of Christmas クリスマスの最初の日 

My true love sent to me  愛する人が わたしに贈ってくれたのは

A partridge in a pear tree なしの木にとまった 一羽の山うずら 


そして 見開きを開くと・・・ 


On the second day of Christmas クリスマスの二日目 

My true love sent to me  愛する人が わたしに贈ってくれたのは 

Two turtle doves   二羽のキジバトと 

A partridge in a pear tree なしの木にとまった 一羽の山うずら  


この辺りで 子どもたちが「 わぁ~ 」と 絵本の周りに迫ってきます 


3日目 4日目 ・・・ と どんどんプレゼントは多くなり 歌詞は長くなります  

11日目になりました 


オルゴールを開けると 

鏡の前で踊る11人のバレリーナ  

女の子たちは うっとりです   

これまでと同じように 子どもたちに数を数えてもらいましょう 

1 2 3・・・ 10・・ あれっ?? 

11人目がいない! 

「 あった~

下のオレンジ色の部分に ハート型のキーホルダーに描かれた女の子を見つけました  


そして 12日目 



On the twelfth day of Christmas クリスマスの十二日目 

My true love gave to me  愛する人が わたしに贈ってくれたのは 

Twelve drummers drumming   とびはねている十二人の貴族と 

・・・・・( 中略 )

Two turtle doves   二羽のキジバトと 

A partridge in a pear tree なしの木にとまった 一羽の山うずら 


私が大事にしている絵本です 

マメ子(孫)も 大好き

「『 子どものおはなし会  』で みんなに見せてから 持って行くね 」 

と言ってあるので 楽しみに待っています

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「ブレーメンの音楽隊」は クリスマスのお話?

2018-12-09 21:26:39 | 小さなおはなし

昨日の「 子どものおはなし会 」では 「 ブレーメンの音楽隊 」をお話ししました 

「 このお話 知っているひと~ 

「 ハ~イ! 」 手が挙がります 

「 動物がいっぱい出てくるんだったよね~  どんな動物だっけ・・・? 」 

・・・・・ 

じゃあ 少しずつお話してみましょうか 


昔 あるお百姓さんの家に 一匹のロバが飼われていました 

ロバは 毎日 粉ひき小屋へ粉を運ぶ仕事をしていました 

でも 年をとり 重い荷物を運べなくなりました 

すると お百姓さんは もう ロバに餌をやるのはよそうと思いました 

それを知ったロバは 家を出て ブレーメンの町へ行き 音楽隊に入れてもらう事にしました 


ブレーメンへ向かう道の途中で ロバは 同じような目に遭っている 犬 猫 おんどりと出会い 一緒に旅を続けます 

日が暮れて 森のなかで一夜を過ごすことになりました 

すると その時 木の天辺に登ったおんどりが 家の灯りを見つけます 

その家に行き 窓からそっと覗くと・・・ なんと泥棒達の家でした 

泥棒達は 飲んだり食べたり 手柄話をしたり 大騒ぎ ! 

動物たちは 頭を寄せて相談し いいことを思いつきました  

窓の前に ロバが立ちました 

その背に犬がのり 犬の上に猫が 猫の上におんどりが・・ 

 


そして 「 せーの!!」で 一斉に 思いっきりの声で鳴きたて 

窓を突き破り 家の中になだれ込みました 




泥棒達の驚いたことといったら  

「 ばけもんだぁ~ 」と 後も見ずに逃げ去りました 

ロバと 犬と 猫と おんどりは 泥棒達のご馳走をたらふく食べ お腹いっぱいになりました 

お腹いっぱいになると 眠くなります 

それぞれ 好きな場所で寝ることにしました 

猫は暖炉の傍で 犬は裏口の戸の脇で ロバは裏庭のこやしの上で おんどりは屋根の天辺で ぐっすり眠りました 


さて 逃げて行った泥棒達は 遠くから家の様子をうかがっていました 

窓の灯も消え 静まり返っている家に お頭は「 家を調べてこい!」と 手下に命じます 


手下が そっと家に入ると 中は真っ暗 

暖炉の灯をおこそうと 火かき棒を残り火に近づけると それは 猫の光る眼でした 

怒った猫は手下の顔を 思いっきり爪で引っ掻きました 

「 ギャ~ 手下は 慌てて裏口から飛び出そうとして 犬を踏みつけました 

犬は「 ガブリ 手下の脚に噛みつきました 

「 グワァ 手下が裏庭に飛び出すと ロバが思いっきり後足で蹴飛ばしました 

ヒューン    

屋根の上のおんどりが「 コケコッコ~と 鳴きたてました 


手下は お頭の元によろよろと帰り こう言いました 

「 お頭 あっしが家の中に入ると 魔女が長い爪で あっしの顔を引っ掻きました 

戸の陰には 悪魔がいて あっしの脚にぐさりとクサビを打ち込みました 

裏庭にいた大男は こん棒で あっしをぶっ飛ばしました 

天から 裁判官が『その男を ここに連れてこい』と 恐ろしい声で命じました 

もう二度と あの家に行くのはごめんです 」 

この話を聞いた泥棒達は 家に近づこうとはしませんでした 

 

ロバと 犬と 猫と おんどりは ブレーメンに行くことはやめて 

この家で 仲良く 幸せに暮らしたという事です 


あらら ぜんぶ 話しちゃった・・  

グリムのお話ですが ストーリー性のある 少し長いお話は 4歳からですね 

でも 2歳くらいの妹や弟も来ています 

みんなを お話に惹きつけるには 話し手だけでなく 子どもたちにも参加させることです 

例えば 

ロバが歩いていくと (犬の指人形がピョンと出て) 

「 誰がいた?」 

「 犬!」

「 そうね 犬が ハアハア息を切らしていました 」 

みたいにしています 

動物の鳴き声も 子どもたちに参加してもらいましょう  

 

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山の音楽家

2018-11-10 22:08:00 | 小さなおはなし


今日は 「 こどものおはなし会 」 

その中のひとつ「 山の音楽家 」の歌とパネル・シアターです 

歌は きっと みなさんも知っていらっしゃいますよね!? 

わたしゃ音楽家 山の小りす
じょうずに バイオリン ひいてみましょう
キュキュ キュッキュッキュ ・・・・・ 
いかがです 

 さあ 小りすのバイオリンに 誰かが加わりますよ~  

誰かな?

わたしゃ音楽家 山のうさぎ
じょうずに ピアノを ひいてみましょう
ポポ ポロンポロンポロン ・・・・・ 
いかがです 


次に加わるのは・・ 誰かな? 

わたしゃ音楽家 山の小鳥
じょうずに フルート ふいてみましょう
ピピ ピッピッピ ・・・・・ 
いかがです 


小りすのバイオリン うさぎのピアノ 小鳥のフルート 

さあて 次は??? 

わたしゃ音楽家 山のたぬき
じょうずに たいこを たたいてみましょう
ポコ ポンポンポン ・・・・・ 
いかがです 

山の仲間が揃ったね 

じゃあ~ 

じょうずに そろえて ひいてみましょう
タタ タンタンタン ・・・・・ 
いかがです 

 
前の晩遅くに まだ絵を描いている状況 

良かった! 間に合って・・・

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落ち葉の ゆめ

2018-10-14 22:07:12 | 小さなおはなし

オリジナルのパネルシアターを作りました 

題名は「 落葉の ゆめ 」

こんなお話です 

***** 

春 木の枝に 「葉っぱの赤ちゃん」が生まれました(1枚目の絵)

冬の間 厚いコートに包まれていた「葉っぱの赤ちゃん」は 初めてみる外の世界にびっくり 

なんて明るいのでしょう! なんて広いのでしょう! 

青い空を見上げて 思いました 

お日さまの光を浴びて「葉っぱの赤ちゃん」は すくすく育ちました 

生まれたばかりの時は 薄緑色だった体も 濃い緑色になり 

大きくなった葉っぱは 木を覆い 涼しい風の吹く木陰をつくりました 



葉っぱたちは おしゃべりします 

耳を澄ませて! 

サヤ サヤ サヤ って・・ 聴こえるでしょう? 

春が過ぎて 夏になりました 

セミが木にとまり 鳴き始めました 

ミ~ン ミ~ン ミ~ン   ジャー  ジャー ジャー 

トンボが スーイと飛んできて 葉っぱにとまり また スーイと 飛んでいきました 

カブトムシクワガタが 樹液を吸いに集ってきました 

風が吹くと 枝が揺れて 葉っぱたちはサーフィンをして遊びます  

こんな風に賑やかだった夏が過ぎ 秋になりました 

葉っぱたちの緑の服が いつの間にか 色とりどりになりました 


 

「 わたしの服 真っ赤になっちゃった!」 

「 ぼくは 黄色だよ! 」 

木の下を通りかかる人たちが見上げて 口々に「きれいね~!」と言います 

葉っぱたちは ちょっぴり嬉しくなりました 

秋から冬へ移る頃 北風がピューと吹いて 葉っぱたちは 木から飛ばされていきました  
 


「 さようなら~!」 「 さよなら みんな~!」 

空を舞いながら 葉っぱたちは叫びました 

そして 静かに 地面に降り積もりました 

「 ああ 眠い・・ 」 落ち葉たちは 眠る前におしゃべりをしています 

どんなこと 話しているのかな? 聴いてみましょう! 

「 わたし 一度だけでいいから 魚になって水の中を泳いでみたかったの 」 

「 なんだ そんなこと!? すぐにできるさ! ほら・・ 」 


 


こんな風に 次々に落ち葉たちがなりたかったものを話す 

すると 落ち葉たちみんなが集まって 形にしていく  

( この場面は 子どもたちに手伝ってもらう) 

「うさぎ」でしょ 「ちょうちょ」でしょ 

( 会話は省略します ) 


 「りす」に 「きつね」に 「ふくろう」 


「 ふわぁ~ 本当に眠くなってきた・・ 」 

「 じゃあ 最後にみんなの力を合わせてつくろう 」 

「なにを???」 

「これさ・・ ティラノサウルス」 

 ここにあるのは 小さいけれど 

落ち葉たちみんなでつくったティラノサウルスは そりゃあ 本物くらい大きかったんだって! 

それから 落ち葉たちは 眠りました 

「おやすみなさい」 「おやすみ~」 

ぐっすりお休み 落ち葉たち  

冬の間に 落ち葉たちは ふっかふかの土に変わり  

お母さんの木の根っこから吸収されて 

春になった ある日・・  



木の枝の先から「 葉っぱの赤ちゃん 」が顔をのぞかせました 

おしまい 

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マメずきん と オオカミばーば

2018-09-02 21:42:40 | 小さなおはなし


「 ばーば ばーば 来てぇ~! 」

マメ子の声! 私を探し回る足音! 

私は 気配を消す! が・・・ 

ドアの前で 足音がとまり ドンドンドン 

仕方なく 私はトイレから出る 


マメ 「 どうして ばーばの耳は そんなに遠いの? 」 

ばば 「 マメずきんの声が 聴こえないようにサ! 」  


マメ子に日焼け止めを塗る 

顔を近づけると マジマジと私を見つめるマメ子 

マメ 「 ばーば 目ヤニがついてる! 」 

ばば 「 マメずきんをよく見ようとして 目が疲れたのサ! 」 


マメ子の支度が最優先で まだ顔 洗ってません  


私が歯を磨くのを 傍で ジッと観察しているマメ子 

ブクブク パーと 口をゆすぐと・・ 

マメ 「 あっ! いろんなモノが出てきた! 」 

ばば 「 そうよ  だから歯磨きしないと 歯を虫バイキンに食べられちゃうのサ! 」 


まったく 目の良さと 観察力にはタジタジです  


マメ 「 ばーーば~~ 」 

ばば 「 ・・・・・・・ 」

ばば 「 ガァーオ~~ マメずきん お前を食べちゃうぞ~! 」

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あなたも変だが 私も変だ

2018-08-29 23:00:37 | 小さなおはなし

朝のラッシュ・アワーが過ぎても 電車はそうすぐに空くわけではない 

でも 何故か 今日 私の乗った車内は空いていた 

珍しいことに 座れる席が幾つかあって その中から私はドア横の2人席を選んだ 

既に座っている大柄な中年の男性は 2人分の席の2/3を占めていた  

私は残りのスペースでも十分と 体を滑り込ませた   

けれど 座った途端 少し後悔した 

というのは 隣の男性が なにやらブツブツ呟いていたからだ 

精神の不調和? 

前の座席の人が 不審の目を向ける 

しかし 気にしている訳にもいかない 私はすることがいっぱいある! 

歌の本を取り出し 譜読みを始める 

もちろん声を出すわけではないのだが 口は発音の形に動くし 足先や手はリズムをとっている 

よく見たら 私も変な人だ! 

けれど 今は 他人に関心を持つ人などほとんどいない 

だから 私は安心してそれに没頭し 頭の中は音楽でいっぱいになる 

気がつくと 東京のターミナル駅に近づいていた 

あれから30分もの間 集中して譜読みをしたのだった  

私の降りる駅はまだ先だが 本をバッグに仕舞い ペットボトルの水を一口飲んだ 

私の視界に 開こうとするドアの前に立つ大柄の男の人の姿が入る 

ぼんやりと「ああ 隣の席の人が降りるんだ」と思う 

男の顔が90度 横を向く 

目の端に 私が入る位置だ 

彼は「さようなら」というように ゆっくりと左手を挙げ 降りて行った 


狐につままれたような一瞬! 

言葉ではない高度なコミュニケーションがあるんだ~  

思わず私はニヤリとした 


彼とすれ違うようにして サラリーマン風の男性が車内に飛び込んできた 

空いている隣の席に真っすぐ向かって来たが 私のニヤリ顔を見て カクッと向きを変えた 

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湿度94%!?

2018-08-27 23:21:54 | 小さなおはなし

 


天気予報をみていたら  今夜の日づけが変わるころから湿度92%とか94%とか・・ 

それが 朝までずっと続くことになっている! 

本当に ウンザリ~ 

でも もっと厳しい暑さに耐えている処もあるのですもの 

文句を言っては いけませんよね 


ところで 今朝のテレ朝の「モーニングショー」で 

東京で起きている「困ったお隣さん」のその後をやっていました 

道路に伸び放題の樹木の枝を切ろうとせず そこを通ろうとする人を常に監視して文句をつける 

もちろん 車は通れない 

所有者は70歳台の一人暮らしの男性 

お役所の勧告にも まったく耳を貸さずにいたが とうとうガスの検針員?に暴行して逮捕されてしまいました 

その後 今はどうしているのだろうと リポーターが訪ねるのですが・・・ 

なんと 道路に伸びた一番太い木の枝は切られていました 

そして 当の本人は あまり変わってないようにみえましたが・・・ 

マイクを向けると リポーターに一通の手紙をみせました 

それは 拘置所にいた彼に送られてきた 地元に住む80歳台の男性からのものでした 

丁寧な言葉で綴られた文の内容は このようなものでした 

  
あなたが自分の想いを周囲に理解されず苦しんでいることは よく分かる 

だが そこに住む人 通る人たちの側に立って 考えてみたらどうだろう 

きっと 物事がうまくいかない理由がわかるのではないかと思う 

私が長年生きてきて 今一番大事なのは 人との関りです 


その後 コメンテーターが 年をとって孤独になることが一番問題だと話しました  

多分 この方はかなり知性もある人だが 人との関りがなくなり こんな問題を起こしてしまった 

そこへ 年上の近隣の方が 優しい声をかけた事で 理性を取り戻したと 


私は「北風と太陽」の昔話を思い出しました 

北風と太陽が どちらが力が強いかを比べ合うことになりました 

旅人の外套を脱がせた方が勝ちです 

北風は ビュービューと 力の限り風を吹きつけ 外套を飛ばそうとしました 

旅人は 外套をしっかり体に巻きつけました 

次は 太陽の番です 

太陽は 暖かい光で 旅人を包みました 

旅人は 縮こまっていた体を伸ばしました 

体がポカポカしてきました 

「なんだか 暑くなってきたなぁ~」 

とうとう 旅人は 外套を脱ぎました 


こんなお話でしたね 

近隣トラブルが良い方向にいくことを 心から祈ります 

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トッケビの話 

2018-07-09 21:57:21 | 小さなおはなし


日曜日に「おはなし会」がありました 

図書館や幼稚園や小学校 地域センターなどで活動している「語り手」達 

20人近くが集まり 「妖怪」をテーマに其々がお話しました 

とても 聴き応えがありました 

私は「だまされたトッケビ」という韓国の昔話を語りました 

韓国の妖怪「トッケビ」って どんな姿をしているのでしょう? 

それは見た人によって様々です 

真っ黒な姿だという人 角が生えているという人 一本足だという人・・・ 

でも 共通しているのは 

ちょっと間抜けで人が良い 悪戯好き 魔法の力を持っている 

それに どうやら 人間が好きみたいです  


「だまされたトッケビ」は こんなお話 

ある晩 トッケビ達が集まって ワイワイガヤガヤ遊んでいた 

酒を飲みたくなったが金がない 

近くのキムさんというおやじに「必ず 明日返す」と約束して借りた 

翌日 約束通りトッケビはキムさんに金を返しに行った 

ところが その次の日も 次の次の日も トッケビはキムさんの家に金を持って行った 

キムさんは黙って金を受け取り ちゃんちゃんと貯めておいた 

長い間に キムさんは大金持ちになっていた 

月日が過ぎ キムさんも60歳になり 還暦の祝いを盛大に開いた 

宴が終わると 子どもや孫たちがキムさんを取り囲み 口々に訊いた 

「 どうして こんな金持ちになったの?」 

「 わしは何もしておらんのじゃよ 実はトッケビがな・・・ 」 

ちょうど その時 いつものトッケビがやって来て この話を立ち聞きしていた  

トッケビは 初めて 自分の間違いに気づき 地団太踏んで口惜しがった 


さて トッケビは・・・ ??? 

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昔 あったづもな

2018-06-17 23:27:12 | 小さなおはなし


戦争や 災害の経験を 語り継がねばならぬ人たちがいる 

遠野のように 故郷に伝わる昔話を 次の世代に伝える人たちもいる 

ならば 私は何を語るのだろう? 

その時 思い出すのは Kさんの事だ 

Kさんは 子どもの頃から本が大好き おはなしをするのも大好きで 

私が初めて出会った頃 Kさんは80歳位だったと思うが イギリスの児童文学者ファージョンの作品を30分以上も語っていた 

もちろん 本なしである 

Kさんのご自宅で 初対面の私に 自分の半生を滔々と語るKさんに度肝を抜かれた記憶がある 

私が話す昔話や 自分で書いたエッセイ 短い創作を いつもにこにこと聴いて下さった 

暖かく包容力のあるKさんとは 亡くなるまでの2年半のお付き合いだった 

私が今でも「おはなし」を続けているのは Kさんという存在を見ているからだ 

私も 子どもの頃 本の中の世界に浸っているのが大好きだった 

それを人に語ることになるとは考えもしなかったけれど 今では 聴いてくれる人がいる限り 続けていきたいと思っている 

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