「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

「 誰も守ってくれない 」

2009-01-28 18:21:45 | 映画


           

    映画 「誰も守ってくれない 」を観てきた。

          誰も守ってくれない 公式HP

     この映画は、殺人犯の妹を守る刑事の話です。
       物語の中では、今現在、この社会が抱えている矛盾が
       描かれています。
       未成年が犯す犯罪、家族という絆の崩壊、個を切り捨てる組織
       誰彼なしに糾弾するマスコミ、暴走を始めたネット
       匿名性の恐ろしさ、社会にさらされる個人。
       それは、現代の悪意とも呼べるものです。

       この映画は、その現実をドキュメンタリータッチで
       リアルにありのままに描いていきます。
       しかし、誰が悪い、何がいけないとは決して主張しません。

      主人公は傷ついた少女を守ります。
      守るということは、その人の痛みを感じることです。
      彼の心の旅が、テーマといえるでしょう。
      この物語は、人が人を守る大切さを描きます。

                            ( 監督・君塚良一 / 文 )


   実はね。
      映画 「踊る大捜査戦」の監督の作品という事で ”う~ん 、どうかなあ~”
      あの映画表現は好みでなかったので、少し迷いながらも 映画館へ行く。
      「誰も守ってくれない」は 良かった。
      事件の背景は いろいろな角度からの みかたがあるのだと考えさせられた。

      ごく平凡な4人家族だった。
      だが、兄が人を殺してしまった。
      突然 「殺人犯の家族」になってしまった妹。
      前半はドキュメンタリータッチで警察の捜査とマスコミの取材合戦を追う。
      犯罪者家族への誹謗中傷
      そしてインターネットでの 悪意に満ちた情報の暴走
      痛い、観ているのが辛く 怖いと思った。
      そんな中で 犯罪被害者の家族 そして 犯罪加害者の家族の
      傷はとても重い。
      人がそこから再生していくには・・・。
    「人を守るということは 同じ心の痛みを感じること」 
       この言葉が 後半に 明日への希望を感じさせている。

      佐藤浩市さん、志田未来さん、松田龍平さんら出演者の
    演技も光っていた。