ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

ミラクルトレーニング⑧

2007-07-21 | ISO外論
自分を向上させるPDCAを考える。
本稿⑥でチームのPDCAを考えた。今回は自分のPDCAを考える。
 まず、明確な目標を持つ。
 自分の目標に品質に対する目標をかならず加えること。
 品質に対する責任感を自覚し、「燃える情熱」で目標に向かう意志を確認する。
 目標は現状のギャップを解析して、活動計画に反映させること。
 目標を細分化して、月単位、週単位、日単位の目標を決める。
 目標達成のための基本動作を集中して行う習慣をつける。
  (仕事を始める前の始業点検、設備を動かした時の異音に集中するなど。)
 自分の標準的な仕事のやり方を意識して繰り返し身につける。
 余裕のあるときに限界を知る意味でオバーロードの仕事をしてみる。
 目標に対する達成度合いで仕事の結果をかならず記録する。
 目標と実績の差異から今後の目標達成のヒントを掴む。
 集中して反省する時間をもつ。
 反省の結果を目標および活動計画に反映させる。
 以上のPDCAを振り返り、PDCAの向上をめざす。
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ミラクルトレーニング⑦

2007-07-20 | ISO外論
ランスの本を読みながら気になっていることがある。
おそらくスポーツ選手やコーチには常識になっていて、それが理解されているため、あたり前になっていることと思うが、「学習カーブ」の応用である。
例えば、ランスのトレーニングでは、次のようなものである。
 ツール・ド・フランスに勝つという明確な目標
 いくつかの用意された基本練習の活用による練習
 レース3週間前には最大のパフォーマンスが発揮できるようにする
 レースの直前には、心身両面をピークに持っていくため練習量を減らす(テーパリング)

自分の仕事をミラクルトレーニングと比較して反省すると、あまりの生ぬるさに愕然とする。
これでは、プロのする仕事ではない。

品質管理の改善における、維持、改善の繰り返しは組織における「学習カーブ」の応用ではあるが、あまり理論的ではない。例えば、標準化は改善の最終段階から維持の段階に進むためのテーパリングとしてトレーニングすべきことである。手順書を書いてそれで終わりというのでは、あまりにも安直過ぎる。作業が科学されてない。人間性も無視されている。

テーラ-が科学的管理法をまとめてから100年近くなるが、まだ人間の研究に関しては未知の分野が多いように思う。
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ミラクルトレーニング⑦

2007-07-20 | ISO外論
ランスの本を読みながら気になっていることがある。
おそらくスポーツ選手やコーチには常識になっていて、それが理解されているため、あたり前になっていることと思うが、「学習カーブ」の応用である。
例えば、ランスのトレーニングでは、次のようなものである。
 ツール・ド・フランスに勝つという明確な目標
 いくつかの用意された基本練習の活用による練習
 レース3週間前には最大のパフォーマンスが発揮できるようにする
 レースの直前には、心身両面をピークに持っていくため練習量を減らす(テーパリング)

自分の仕事と比較してみると、あまりの生ぬるさに愕然とする。
これでは、プロのする仕事ではない。

品質管理の改善における、維持、改善の繰り返しは組織が「学習カーブ」の応用ではあるが、あまり理論的ではない。例えば、標準化は改善の最終段階から維持の段階に進むためのテーパリングとしてトレーニングすべきことである。手順書を書いてそれで終わりというのでは、あまりにも安直過ぎる。作業が科学されてない。人間性も無視されている。

テーラ-が科学的管理法をまとめてから100年近くなるが、まだ人間の研究に関しては未知の分野が多いように思う。
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出会い

2007-07-19 | ISO外論
最近知り合った新しい友人から、一緒に仕事がしたいといわれた。
「冥利に尽きる」とはこのようなことを言うのだろう。

自分で言っておきながら「冥利」という言葉が気になった。
仏教用語で「仏、菩薩によって知らず知らずのうちに与えられる利益」とある。
「冥」は暗いこと、よく見えないこと、因果関係がはっきりしてないこと、を言うらしい。
潜在的とでも表現したらいいのかもしれない。

品質管理のことである。
品質管理は品質を無心に追及し、お客様に喜んでもらえ「ものづくり冥利に尽きる」こと
と定義したらどうだろうか。
最近の企業、「冥利」でなく目先の利益にとらわれ過ぎる。平気で人をだます。自分までだましていることに気がつかない。そのまますむ筈はない。

出会いは、目先の利益を優先することでなく、「冥利」に身を任せることである。
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ミラクルトレーニング⑥

2007-07-18 | ISO外論
チームのPDCAを考える。
チームの目標が明確で個人の目標に展開されている。
個人の役割が明確でお互いに協力する体制がとれている。
目標達成のため集中して実行している。
実施のために必要なスキルの訓練が繰り返しおこなわれている。
目標と実績を対比して記録する習慣がある。
目標と実績の意味ある差異について反省しコーチングされる。
チームの強い点、弱点が把握され計画に反映される。
絶えず目標が前向きに修正されチームの自信につながっている。

組織のPDCAについて一般論があるわけでない。
このようなPDCAを自分の属するチームに当てはめて整理することで、チームの強い点、改善すべき点が見えてくる。そのようなことを繰り返すことにより全体のPDCAが実践されることになる。
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ミラクルトレーニング⑤

2007-07-17 | ISO外論
音楽でも、スポーツでも、仕事でも良いが、PDCAを実践してみると自分の欠点がよくわかる。
気が短くてPDCAを丁寧に実行できない人。
目標が高すぎて敗北感を感じながら、目標修正をするため、PDPDを繰り返す人。
マルサリスの言う基本練習の苦手な人。
集中できない人。
やはりデミング博士の言う「燃える情熱」がなくては、PDCAのように回りくどいことはできない。

情熱を感じるということについて補足しておきたい。
失敗しない確信があり、失敗しても誰かが責任をとってくれるようなことには、情熱を感じない。目標達成の不安があり、自分の進む道に反対者がいても、微かな光に向かって進む時、情熱に満たされることがある。
「子供は確信の得られないことはしないが、たとえ確信がなくとも情熱を感じられるのは大人の特質である」ということを聞いたことがある。

自主的に目標を設定し、それに向かって改善できるのは大人の特質である。
そのような大人が集まる組織の運営の基本にPDCAがあると組織はシナジー効果をあげることができる。
今日1日組織としてのPDCAを考えたい。
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ミラクルトレーニング④

2007-07-16 | ISO外論
練習のポイント
前に紹介した話ですが、構成上ここにのせます。
もうだいぶ前のことです。
小澤征爾の子供向け音楽番組で、ゲストのモダンジャズの巨匠ウイントン・マルサリスに質問がありました。
「どうすれば音楽がうまくなるの」
小さな女の子の質問にマルサリスは、「それには練習が大切だよ」と答えます。
「ただ、練習/PRACTICEはモンスターにチャレンジするようなもの。ただ、繰り返し練習すれば、楽しくなる。楽しくなれば人を感動させ、自分もやってみようという気になる。そのためには、プラクティスが大切だよ」
なんとも愛情のあるやり取りに、質問した少女の顔が明るくなったのをよく憶えています。
これに続いて、クラシックとモダンジャズのジョイントセッションがあり、その後、小澤征爾が子供に変わって質問を繰り返します。
マルサリスはプラクティスを12のポイントに分けて紹介します。

1.助言を求める人をさがす。
2.毎日実践する基本練習の予定表を作る。
3.いつどこまで進むかという進歩の目標を決める。
4.集中する計画をたてる。
5.じっくり練習する。リラックスしてあわてない。
6.苦手な部分は反復する。
7.全力をかたむけて全ての音を歌わせる。しらけた考えをしない。
8.失敗を気にやむな。失敗から学ぶ。
9.ひけらかさない。受けねらいは底が浅い。
10.自分で工夫する。もっといい方法がないか考える。
11.楽観的になる。明るく考えれば楽しい。
12.共通点に注意、皆の力が出る。

ここには、音楽だけでなく全てに共通する向上や進歩のための方法があります。
マルサリスがPDCAを知っているかどうか定かではありませんが、こんな見事なPDCAに始めてお目にかかったように思います。さて、多少、蛇足しておきます。PDCAという活動は他の人も巻き込んでいきます。「自分もやってみようという気になる」というわけです。これが組織全体に広がり波及効果を生むことになるのです。
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ミラクルトレーニング③

2007-07-15 | ISO外論
PDCAというミラクルトレーニング

友人の映画監督からシナリヲを書くコツは絶えず前に進むことと習った。
ある会社の役員から品質管理の良いところは「後戻りしないこと」と聞いたのを覚えている。PDCAというのは、改善の発想であるから、絶えず前に進むことである。

ISO9001の序文0.2にPDCAの説明がある。
PLAN:顧客要求、組織の目標、現状把握などから目標を設定し、実施計画を作成する。
DO:実施計画、実施プロセスにそって実施する。
CHECK:目標と実績を比較し反省と評価をする。
ACTION:反省や評価をもとに原因を解析し、処置をとると共に、計画に反映させる。

品質マネジメントISO9001だけでなく、環境マネジメントのISO14001もPDCAで構成されている。国際規格ISOはマネジメントの基本をPDCAにおいている。


PDCAの起源を紹介したい。

日本には古くからものを大切にする文化があり、ものづくりの名人、職人芸を尊敬する気風があった。その点、設計と製造にはっきり区別する欧米の文化とは対照的である。その日本が欧米と圧倒的な力の差を見せ付けられたのは、戦争であり戦後の輸出製品に対する返品の山であった。

この現状を打破すべく産学協同で品質管理の研究に取組んだグループがあった。
戦後、壊滅的打撃をうけた日本が立ち直るためには「ものづくり」しかない。
もともと資源の少ない日本が戦争で資源を使い果たしたので、海外から原材料を輸入して製品に仕上げ海外に輸出する。クレームによる返品は最大のむだである。品質を良くしないと日本は生き残れないと考えた。その試みは、成功への確信より危機感のほうが強かった。品質管理を勉強するうちに危機感は希望に変化した。希望は情熱になり品質管理という活動となった。

当時JHQのスタッフとして来日していた統計学者のデミング博士に日参し品質管理の講義を依頼した。日本人の情熱に動かされデミング博士の講義がはじめられた。講義には当時の多くの企業の技術者や経営者、学者などが参加した。用意された講義料をデミング博士は受け取ろうとしなかった。
後に「日本の産業の発展に役立てて欲しい」という博士の講義料を基金として、博士の友情を記念するデミング賞がつくられた。

品質管理は、「品質を重視する観念」と「品質に対する責任感」という基盤の上に設計、製造、販売、調査・サービスの各部門が協力して行う活動である。品質に対する責任感とは「自分がつくった製品の裏書をすること、品質を保証することである。」とデミング博士は説明した。そしてこの根底に、良好なかつ均質な製品をつくろうという「燃える情熱(a burning desire)」が必要であることを繰返し強調した。このデミング博士の情熱が当時,セミナーに参加した経営者、技術者、学者の心を動かし、「燃える情熱」になり、日本の品質管理の基礎を作ったことを忘れてはならない。1950年7月のことである。

このPDCAに関係した不思議がある。
全社で協力して品質を作り上げる概念をデミング博士は恩師シューハート博士の考えをもとにデミング博士の哲学を加えてシューハートサイクルと名付けた。
その講義から多くの示唆を受けたある日本の学者が講義から5年後、PDCAというサイクルとして、デミング博士の経営哲学を紹介した。いまいわれるPDCAである。当然のことデミングサイクルと名付けられた。これらの根底には国を超えた三人の学者の信頼と友情がある。

デミング博士の日本製品を育てようとする献身的な講義に感激して、全社的な品質管理への取り組みを始めた企業は少なくない。
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ミラクルトレーニング②

2007-07-14 | ISO外論
ツール・ド・フランスを見るとチームスポーツとしての一糸乱れぬ美しさを感じることがある。チームのエースに無駄な空気抵抗を与えないようにサポート役が前を走りチームがそれを守る。サポート役は前で空気をブロックするため体力を消耗する。頃を見計らって次のサポート役が前に出てエースを引っ張る。フランスアルプスの美しい風景の中で繰り広げられるこのスポーツイベントは見るものにとっては限りなく美しい。

渡り鳥の飛行も群れの空気抵抗が少ないようにV字になっていると読んだことがある。空気抵抗の大きい先頭はときどき交替しながら飛ぶらしい。
犬ゾリは喧嘩の強いリーダが先頭で群れを引くと西堀先生から聞いたことがある。犬には習性があり真っ直ぐ走れる犬は少ない。南極のブリザードの中で方向を見失わないように、真っ直ぐ走れる犬を見つけリーダ犬にするため人間が訓練する。それもどう猛な連中のこと、喧嘩の加勢をして自信を持たせリーダに仕上げるそうである。

人間は渡り鳥型か犬ゾリ型か考えた。
上位者が部下を任命する時は犬ゾリ型でチームの効率をあげるためには、渡り鳥型がよい、という曖昧な考えしか現在のところ思い浮かばない。人間のどう猛なことを考えると、初めは犬ゾリ型がよいが、群れのひとり一人に知恵があるなら、全員がリーダシップを学べるはずである。
リーダシップ論はリーダが学ぶということではなく、メンバー全員で学ぶことである
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ミラクルトレーニング

2007-07-13 | ISO外論
昨日に続きランスとクリスの本につき、まとめます。
この本の副題は「7週間完璧プログラム」ですが、スポーツとしての自転車の乗り方を覚えるための具体的プログラムが書かれています。
出来れば、自転車に乗りながら読みたいので、この本を自分なりのワンポイントのシートにしたいと思っています。今日から7週間かけて作るつもりです。

自分なりのワンポイントをまとめ上げればわかることでしょうが、作業標準や品質マニュアルのまとめ方の非常に良い参考になるとおもえます。
いま、既に始めていることですが、統計的ツールのテキストを作るのにも参考になるでしょう。

まず感じることは、初心者が読むことを想定して書かれた本でありながら、初心者を決して見下してないということです。
同じ目線でものを見ると言葉でいいますが、始めての人の目線で見るためには、余程研ぎ澄まされた感性が必要になります。基本を丁寧に、解説的にでなく説明するのは難しいことです。また、ツール・ド・フランスのような団体競技で役立つ技能をどう教えるかということも、組織における標準やマニュアルに要求されることです。

これらを考えながら、「ミラクルトレーニング」を紹介したいと思います。
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