ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

ポイント.30-3

2005-09-30 | 継続的改善52
工程能力と維持、改善

規格の上限,下限に工程で得られたデータを打点(プロット)した図を工程能力図という。

また、規格線の変わりに処置限界線をいれて,この限界から点が超えたとき,あらかじめ決められた処置をとる図を調節図という。
この処置限界は正しく決めてこそ,正しい処置がとれる。
このためには、調節が効果的に行えるように、調節を行うべき原因以外はできるだけ少なく抑えておく必要がある.
このようなことに管理図が役に立つ。

また,工程の変動の状況を図で表すには,度数分布(ヒストグラム)が使われる。これは特性値をある区間に分けて,この区間にあるデータの数(度数)を縦軸に表したものである。このヒストグラムと規格値の関係を図示しただけでも,工程の改善の為にどのような対策をとったらよいかがわかる。

なお、ヒストグラムと規格の幅との比を、工程能力指数といい、Cpであらわす。

指数にすると計算も簡単にできて、多くの工程の比較をするのに便利だが、ひとつの工程の検討には情報量が少ない。目的に応じて,使い分けすべきである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.30-2

2005-09-29 | 継続的改善52
工程能力と維持、改善

工程能力は通常のときの値を調べておいて,作業の変化時と比較してみる事が必要である.
健康管理の場合,平熱を測定しておけば、病気になったことが早くわかるのと同様である。当然,平熱も一日中一定でないので、健康のときの一日についての熱の状況を調べておくことが必要である。

工程能力は時間的に変化するばかりでなく、いわゆる4M(人,機械,材料,方法)によっても変化する。

複数の組み合わせがある工程では、単一の組み合わせで作業した場合の変化(工程能力要素)を把握しておく必要がある。

このような準備ができていると,工程に変化があった時、早く原因が判明して,早く処置の手を打つことができる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.30-1

2005-09-28 | 継続的改善52
工程能力と維持・改善

工程能力は製造工程における品質を作る実力を示すものである。実力を知らないで改善活動に取り組むことは無謀な企てといってよい。製造工程は多くの原因の集まりであるから、望ましい実力にするために、原因を調べることが大切であり、それを工程能力調査という。

本来、工程能力は、工程に特別な異常原因による変動がなく、工程が管理状態のときの品質レベルをいう。これを純正工程能力という。また、管理状態にないときの工程能力の調査により、工程の改善と管理のレベルの向上に役立てることができる。

工程能力を示す品質レベルは、工程を管理するための品質特性(管理特性)のある期間の平均値とバラツキであらわす。平均値は機械などの設定値を調節することにより、比較的容易に動かすことが出来る場合が多いので、工程のバラツキの検討が必要である。言い方をかえると、このバラツキの検討をおこない、バラツキをおさえておかないと、調節しても効果が出ないことがある。

機械の専門家は、機械の調節のことは、解っているが、工程のバラツキのことは、調査しないとわからないことが多い。工程能力調査の必要性はここにある。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.29

2005-09-27 | 継続的改善52
作業の改善と現場教育

設計および生産準備が万全であれば、製造できめ細かな管理が可能である。反面、前工程の不具合がそのまま製造に流れ込んできては、製造での仕事は、トラブルシューティングになる。

最近の作業者は、パートや海外からの労働者が多いから、なおさら、生産に移行する前の段階で不具合をなくしておかなければならない。

不具合の多い現場で作業するのと、管理図が統計的管理状態といわれるような現場で作業するのでは、作業の効率に影響するのは当然として、はたらく意欲に違いがでるものである。現場にいる人は感覚的にこれを知っている。

このためには、生産段階での工程能力情報が設計に反映されなければならない。生産技術が弱体化した現状では生産の現状把握が不十分になる。

改善の必要な現場ほど改善が行われてない。

改善をするためには、教育が必要である。教育のできてない現場は不具合が多い。
3現主義というが、現場を見ると自分の仕事の確認ができるから、優れた管理者は現場を良く歩いて、自分のすることを見つけてくる。

よく見える現場にするためには教育が大切である。
何からするか、どうするかは、現場が教えてくれるものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.28

2005-09-26 | 継続的改善52
協力会社との共存共栄は、第2者監査と品質保証契約

ISOが成果をあげるという意味で、役に立つためには、監査が正しく行われなければならない。「買い手と売り手」という力関係でなく、本当に公平な立場での取引ができて共存共栄が実感できる。もっともこれも理想であろうが。

取引に基本契約が必要だが、いつもトラブルのもとになる品質についての契約も必要である。このような契約を品質保証契約とよんだが、ISO9000はこの契約のための基本文書をまとめた文例集である。ともいえる。言葉は難しいもので、このように言い切ると必ずISOファンからクレームがつく、ISOこそはもっと高尚なものだといわないと許してもらえそうにない。

たとえそれを良しとしても、普及を目的とした普遍的文書はあまり高尚では困る。
ISOの審査も内部監査ももっとやさしさがあるといいと思う。とくに、第2者監査のように、親が子を監査するようなときは、愛情を持って育てる気持ちがあっても良い。その気持ちさえあって、信頼関係があれば、多少の厳しさにも愛情を読み取ることができるはずである。

買い手は売り手に対して、要求をだすべきである。なぜ要求を出すのか、どうなってほしいのか、これを理解しあうのが、はじまりである。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

解析について

2005-09-25 | ISO成功法
品質管理において解析の必要性は、いまさら言うまでもないことであるが、少し整理しておこう。

解析には、大別して品質解析と工程解析がある。概略をまとめると

品質解析とは、部品の品質特性と完成品の品質特性の関係のような、品質そのものの解析をすることである。品質規格の設定、使用部品・材料の選定などは、品質解析を十分に行って決める必要がある。

次に工程解析であるが、工程(仕事のプロセスと考えればよい)とは、色々な原因の集合であるといえる。この工程における結果と原因の関係を明確にして、適切な対策を見出すことを工程解析という。

品質解析 ① 品質特性の選定
     ② 品質特性の計量化
工程解析 ① 品質特性とその工程における要因との関係の検討
     ② 品質特性に大きな影響を及ぼす要因のの選定
     ③ 要因の品質特性に対する影響の程度(寄与)の検討

このような解析をしてないと、無駄が多くなる。
詳しくは、次回へ


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エンパワーメント

2005-09-24 | ISO外論
ISOでは、品質に関係する仕事に就く人には、力量を持つことが要求されている。

ISO/TSでは、より能力を向上させ、学習する組織の実現のための動機づけとして、エンパワーメントが要求事項にあげられている。この要求事項は、まともに考えるときわめて難しい。

従来から、人間は自己実現を目指すものという考えがあった。心理学者のマズローの人間の欲求の研究から生まれた言葉であるが、マズローは、「悟りの境地」ぐらいの重みある言葉として、自己実現を使ったようである。それが、生産ラインで疎外された人間を救う言葉として、当時のマネジメントと結びついた。

言葉は、ひとり歩きするものである。

エンパワーメントも今後どう使われるか、楽しみでもあり、こわくもある。

いずれにせよ今の組織には、活力を生み出す何かが必要である。それくらい人が組織を信用してないし、期待もしてないように思える。何か、しらけている気さえする。

「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら、踊らにゃ、そんそん」
同じ阿呆なら、見てなきゃ、そんそん、の時代なのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.27

2005-09-22 | 継続的改善52
設計審査は次工程への出荷検査、次工程からみた受入検査

基本設計が完了したかどうかは、次工程の詳細設計がはじめられるかどうかで判断できる。つまり、詳細設計の受入検査に合格して、受け取ってもらえるかどうかで、仕事の出来栄えは決まることになる。

同様に詳細設計の出来栄えという品質は、生産可能な設計になったことで評価できる。当然、前段階から引き継いだ顧客の要求に応えてなければならない。

このようなことをシステム的に行うのが、設計審査・デザインレビューである。
 
設計の工程に他部門が入り込んで審査するのは革新的なことである。特に品質問題の80%は設計に起因していると云われるから、うまく。

自動車業界では、各部門が集まり設計に協力する体制をとっている。設計審査は部門間連携の具体的なシステムであるが、多くの会議がそうであるように、ただ集まり情報を伝達する場にするのでなく、検査と同じ機能があることを確認する必要があろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.26

2005-09-21 | 継続的改善52
検査で品質を作るのでない。工程で品質を作りこむ。

だいぶ前に言われた言葉である。誤解のないように、検査無用論でないこと補足しておきたい。時代が変わるごとに検査の機能について、検討が繰り返されてきた。

合否の判定をしてその先に問題を流さないことが、検査の機能である。ppmといわれるような不良の少ないところから、不良を見つけることは難しい。コストの安い自動選別システムを開発するか、工程を管理して不良が出ないようにするか考えなければならない。

工程にある程度の不良の混在が許された時代には、抜取検査の方法が多数開発されたが、いまでは、全数検査か無検査かの選択が必要になる。

以前、シリコンバレーでNASAに収める電子部品の検査会社を訪問した。[公的機関に納入する製品を私企業でもNASAは承認してくれるのか]と質問した。はじめ質問の意味がわからなかったようである。後で案内してくれた日本の技術者に聞いたら、「私企業でいいかげんなことをしたら、会社がすぐ潰れてしまう、だから、アメリカでは私企業のほうが信用ある」ということであった。

今、民営化について話すつもりはない。

最近、自動車関連の会社では、検査という部門が、内部試験所という看板をあげている。三権分立ではないが、客観的に正しいデータを提供してほしいという社内からの要望が増えたからであろうか。

検査では、合否の判定が役目だが、工程管理に使うデータは現状の工程の管理状態に合わせた精度が要求される。

社内の顧客の要望にこたえるため、たえず測定技術の改善が必要になる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポイント.25

2005-09-20 | 継続的改善52
品質管理の原点:管理図による工程管理

生産準備で品質の作りこみができていること、作業標準が良くできたこと、などをどのように判断すればよいだろうか。コントロールプランも作り、しっかりやったから間違いないと思いたいが、客観的にも証明できるものがほしい。

そのような時に、管理図を使おう。

完璧な生産準備ができていれば、その工程でとられるデータは、管理状態を示すはずである。

本来、生産準備段階にすることは、
*現在の最高技術を駆使して、設備、材料、人、方法の最適な組み合わせを決めること、
*その組み合わせ(4M)以外の原因による変動を極力おさえること、
*もう一つ、忘れがちなことではあるが、工程管理のためのデータを取る、サンプリンと測定の誤差が少ないことである。

これだけの事をするのだから、大変なことであるが、はじめにしっかりした準備(いわば段取りだが)をしておかないと後で直すのに手間がかかる。

品質管理は予防管理である。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする