ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

方針管理

2006-02-28 | 高シナジー経営
ISO9001:5.3 5.4:経営者は品質方針、品質目標を設定し、各部門、階層に展開すること。
また、方針、目標が実施され、成果をあげるプロセス全体を管理すること。

 方針は組織の方向を示すものであり、経営者の力の入れ方を示すものである。
また、人を動機付け、発奮させ、経営に参画する意識を植え付けることによって総合力を引き出す力になる。

方針が当り前のスローガンであり、目標がいつも未達成なのになにも手が打たれてないようなら、方針や目標をすぐに撤去すべきである。
方針や目標は、ないよりある方がいいというものではない。
ある方が悪い場合が多い。
組織を混乱させる負の効果になる。このことに気付くことは大切である。

逆にわずかな希望であっても、前に進んでいることが実感できる場合は、人はその方向を目指そうとする。
人は正しい道が示され、動機付けられると「実現に程遠く、困難な、はるか離れた微かな光を、情熱の炎に燃え上がらせることができる」のである。

このためには、方針、目標の設定のため現状を良く見極め(現状把握)、強い点を引き出す実行計画に展開されなければならない。このような全体のPDCAのプロセスが方針管理や目標管理といわれるものである。
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顧客重視

2006-02-27 | 高シナジー経営
ISO9001:5.2 顧客重視とは顧客要求事項が満たされ、顧客満足が向上していることを経営者が確認している状態をいう。

顧客重視は大切だが、顧客の言いなりになることではない。
買い手と売り手は契約により同等の関係が守られている。顧客の要求に対して約束できる範囲を決めること、確約することが契約の第一歩である。

注文が決まってから納入するまでの短期間では、技術開発する時間は十分ではない。
短期間にできることは、精々保有する技術を組み合わせること、品質確認・品質保証に十分な時間をとること、等である。
当然こちらの都合だけ主張していて注文は取れない。
最近無理して注文をとるための不良やクレーム、リコールが多い。
短期的な利益優先の弊害であろうか。

そのような品質問題を防ぐため、顧客や市場の変化を予測して、要求に答えられるように技術開発の時間を十分とって検討すべきである。

個別受注生産のM造船では、受注から引渡しまでの管理を番船管理とよび、それを支援する技術の開発や改善を部門別管理とよび、両管理を区別して運用していた。
番線管理の課題はいかに短期間に品質問題の無い船を作れるかという品質保証を中心とする体制である。
なお、品質問題の多くは、品質情報の伝達に問題があることをつきとめ、品質機能展開を開発した。
また、部門別管理は方針管理を活用して、従来発生した品質問題の解析により、品質改善や生産技術の改善などに取組んだ。

 さてISOは顧客側から企業に要求できる範囲に限定しているため、内部の体制まで踏み込んでないことが多い。
ISOを基盤に事業の重点や特色を考えた管理技術とシステムを開発すべきである。
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事業を品質で見直す

2006-02-26 | 高シナジー経営
事業を品質で見直す意義を考えてみよう。

事業で利益を追求するのは当然のことであるが、なぜ利益が必要かを考えてみる必要がある。利益は手段であり、配分されて目的と結びつく。
最近の事件を考えてみよう。
本来手段であるべき利益が目的となり、得られた利益は事業の推進に結びついてない。

ISOでは資源の運用管理という項目がある。
人的資源と作業環境・インフラが運用管理の対象であるが、品質方針の達成のため、質の高い運用管理をめざすべきである。

ものづくりの事業活動の最終的結果として利益が得られるが、この利益を生むプロセスの管理を品質で行うのが品質管理である。
ついでISOでは、顧客の利益としての顧客要求を重視したシステムである。

品質で事業を見直すことにより、今まで見えてなかった「宝の山」が見えてくる。
利益は定量的に処理できる便利な指標だが、結果の指標である。
品質は事業や製品の原因に近い指標で代用特性または利益の先行指標として優れている。
これらが品質で事業を見直すのに便利な点である。
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友から学ぶ

2006-02-25 | 高シナジー経営
「その人のことを知りたければ友達をみよ」と言う。
協力会社は友達、あるいは、子供かもしれない。
「親の顔が見てみたい」と思われるくらい、自分の良い点、悪い点を引き継ぐ。

製造での問題の80%は、設計段階の問題といわれるのと同じく、協力会社や関連会社の問題の80%は親会社の問題である。

親が自分の良い点、悪い点を理解するのに、これくらい良い教材はない。
また、どこまで愛情を持って育てられたか、子供を見ればすぐ分かる。

会社を訪問する。応接に通され壁には、感謝状がはられている。
現場には親会社から指導され成果をあげた跡が見える。
作業している人も外来者に対する対応が良い。
こんな風景、いまはなくなっている。

時代が変わったのであろうか、人に余裕がなくなったのだろうか。
まことに殺伐としている。現場に活気が無い。
作られる製品の質がどうなのか、聞くまでも無く想像できる。

親が子供に対しての責任を回避する時代である。生んでおいて世話ができない親が多い。
ものづくり日本の復活のために、人間性の見直しが大切である。
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5Sの次のS

2006-02-24 | 高シナジー経営
整理、整頓、清潔、清掃、躾、が5Sだが、その次があるらしい。

最近 面白い会社にいった。
アイディアマンの工場長は次々に工程に手を加えるため現場が雑然としていた。
1年前から始めたISOも凝り過ぎたシステムで文書の構成が煩雑で理解しにくいものであった。

工場長が自信満々で受けた審査で、現場の整理整頓のことを厳しく指摘された。
工場長は腹が立ったが、しばらくして審査員を見返してやれと思い、5Sを徹底することにした。

何事にも真剣に取組むと先が見えてくる。
現場の5Sに取組んだついでに、多少審査員をいじめてやれと思い、ISOの5Sということを考えついた。

ISOの整理整頓をするため、まず文書の体系を検討することにした。その結果、いまの実力からは不要な文書が多いのが、見えてきた。

現場もきれいになると通路も広く取れるようになった。
始めは工程の中にあった不良品置き場も、無くし、不良品はあえて広くなった通路の真ん中に置くようにした。
広い通路に邪魔な不良があると誰の目にも無駄に見える。
これを無くすことが、清潔、清掃である。
この意識を現場の皆で共有することが、躾である。
審査員に対する工場長の5Sの回答である。

しばらくたってこの工場長に電話してみた。
今新しいSに取組んでいるとの事。
潜在的問題という見えないSだそうである。
会う約束もさせられたので、近く、工場長の自慢話を紹介できると思う。
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責任権限の裏側

2006-02-23 | 高シナジー経営
責任とは達成すべき目標であり、権限は目標達成のための条件である。
この定義は非常に明快である。

責任の重要性を知るには、責任権限の委譲について考えればよい。
たとえば「誰も手が空かないので穴埋めに頼む」という仕事と「君の能力を見込んでこれを頼みたい」というのでは、責任の重さが違う。責任の受け取り方が違うのである。

誰でも普段見せないが、大きな可能性、潜在的な力を持っている。
俗に言うところの「火事場の馬鹿力」である。

火で思い出したことがある。
人間には、「現実には程遠く、困難な、はるか離れた微かな光を、情熱の炎に燃え上がらせることができる」という能力がある。

ほんの少しの思いやりと動機付けで、人の能力を引き出すことができる。
このためには、人の気持ちを感じそれに答える能力が要求される。
応答(Response)できる能力(Ability)、RESPONSIBILITY(責任)である。

部下に責任を持つということ。
上位者に責任をはたすこと。
自分自身に責任を持つことを考えたい。
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継続的教育

2006-02-22 | 高シナジー経営
組織は信頼と安心でできている

ISOは経営の基盤整備が目的である。
何のための基盤かは、品質方針で経営者から示され組織に展開される。
組織にどのように展開され実践的活動となるかは、常日頃の教育訓練と信頼感や安心という、双方向で決まる。

この双方向は効果が出るまでに時間がかかる。
ただし、一度成果が出てそれが維持されると、組織の文化、伝統となり継続され、引き継がれていく。ただしそのためには、継続的教育と継続的改善が必要となる。

このようなことを十分できる組織かどうかを判断するには、時間が要らないが、そのような組織になるには時間がかかる。
そのため教育訓練は継続しにくい。

教育訓練に対する投資は当然のことながら将来に対する投資である。
短期的な業績のみ気にしていては、投資のタイミングを逃すことになる。
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メールによる情報伝達

2006-02-21 | コラム
「メールの意図が正しく伝わる確率は5割」
最近国会で台風の目になりかけているメールの文章は、なぜか非常に的確で要を得ている。

そんなことを考えているとき、アメリカでの研究結果を聞いた。

メールという情報伝達は女子高生のみのツールではない。
少し前までは、3現主義といって、一日どのくらい現場を歩くかができる管理者の条件であった。いまは、それに変わり、一日どのくらい社内メールを見ているかである。

最近の犯罪捜査ではまず社内メールを押える。ダンボールを持って建物おなかに入っていく操作はものものしいが、箱の中身はPC、捜査員もそのPCに釘付けになる姿を想像すると、ここでも3現主義は昔の話か、と思う。

内部告発でさえ情報化が進んだことで、増えているだろう。
犯罪も内部告発も後ろめたさはあまりない。変な時代になったものである。
これで拘置所のなかでもPCが自由に使えたらどうなるか、そんなことを想像したら怒られるだろうか。

さて、メールで「意図が伝わらない」のは、今に始まった話ではない。
情報伝達の手段としての言葉のもつ危うさである。

自分の思いを何割伝えられるか。
相手が何割正確に受け止めてくれたか。
恋をした人なら誰でもわかることである。

俳句という最高の芸術を生んだ国の人間として、ことばの持つ「はがゆさ」や余韻を考え直したい。
あえて、ISOの文書化のはなしをするつもりはない。
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経営革新マニフェスト

2006-02-20 | 高シナジー経営
ISO規格は経営革新のマニフェスト(宣言)である。
マネジメントシステムをISO規格にしようという発想は品質管理で高度成長を実現した日本にもない発想である。
ないというよりも及びがつかないことであった。

品質管理の普及を目的とする組織では、それぞれ自分の組織の目的にあわせた事業を推進している。
日本規格協会のJISの普及、日本科学技術連盟のデミング賞、日本生産性本部の品質経営賞などである。
ところが日本では普及を目的とした賞が企業の差別化の看板になってしまう。

ISO規格のすごいところは、企業の目的を問い直したところである。
ISO9001では、利益中心の企業の目的を品質にしたこと、14001では環境重視の経営を奨励したこと。

これらは経営者が社会に対してコミットメントを行うことを要求している。
心ある経営者にとっては、「経営革新のマニフェスト」のお手本がISO規格であることが、理解できるだろう。

さて、現実的に考えた場合、利益が経営者にとって最優先の目的になることが多い。
ただし、何のための利益かを問い直す必要がある。利益を得て何をするのか、どう金を使うのか、この先に目的がある。

ISOマニフェストでは、品質を目的とした経営を宣言し具体的活動として実施することを要求している。このことの重要性をもう一度問い直したい。
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ボトムアップ

2006-02-19 | 高シナジー経営
「ボトムアップ」ということを誰が言い出したんだろう。
トップなのか、ボトムなのか.

もし、トップだとしたら、自分で現場を歩き回って自分の思いが現場に行き渡ってないのを知り、本当の気持ちを知りたいと思った、心あるトップに違いない。
もし、ボトムだったら、上意下達の一方交通にいらいらした誰かが、上位者に気がついてもらいたくて、発見した言葉に違いない。

上が求めるのは、生産性や効率など数字で表せるものであることが多い。
それに対して現場が求めるものは、働きやすい職場、生きがいを感じる仕事である。
そのようなものを、トップは客観的に把握しているのだろうか。

以前、利益はお客様の満足料という言葉を聞いたことがある。
それを言ったトップは恐らく哲学的な意味をこめて言ったと思われる。
しかし、組織の階層の中でそれが伝達されるうちに、だから、ともかく、利益をあげることだと理解された。

言葉により真実の意味を伝達するのは本当に難しい。
一方交通だけでは、言葉が暴走する。
両方向のコニュニケーションを大切にしたい。
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