ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

まじめな思い違い

2005-10-30 | ISO外論
思い違いしていたために、事実が見えないことがある。
当人は、いたって真面目なことが多い。

この思い違いは、自分で気が付かないと治せないことが多い。
一人だけの思い違いは、回りに注意を向けることで直せることが多いが、
組織が思い違いしている場合は、やっかいである。
国家が思い違いして、戦争になることもある。
こうなると、何が、正しいのか、そのときは判断できないことすらある。

さて、いつも話が大きくなって困る。これも、思い違いの、なせる業か。

以前、検査のデータを使い、製造工程の管理状態を見たいと思った。
ベテラン検査員に検査結果を聞いた。
まったく問題ありませんという。
データを見せてもらって、言葉が詰まった。
検査結果の数値は、すべて同じ数値が並んでいた。
あとで、注意深くその検査員に聞いてみた。
彼は、自分の力量を信じていたし、このようなデータがばらつく筈がないという、おもいがあった。そこで、いくらかばらついているデータを記入時に修正していた。

こんな、まじめゆえの思い違いもある。
検査は正しい。データがばらつくはずはないと、思い違いしたのである。
このような思い違いを直すのは、基本から考え方を変えなければならないため時間がかかる事が多い。
その後、データの見方、とり方を基本から説明し解決したそうである。

このような、まじめな思い違いをなくすため、時には、常識を見直すことも必要である。

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「成果0」のQCサークル

2005-10-29 | ISO外論
恩師が話していた言葉である。
逆説的言葉なので誤解のないように説明したい。

QCサークルなどが効果をあげることはこのましいが、効果のみで改善活動を評価するのはおかしい。第一線の人たちが集まり検討したことで、大きな効果がすぐ出せるということは、現場にそれだけ大きな問題が転がっている証拠であり、それを管理者は、反省しなければならないということである。

本来、第一線の人たちの役割は、自分の仕事をいかに正確にこなすかにある。これが、「成果0」の考え方である。

また、チームやグループで問題解決する場合、解決すべき問題の大きさに相当する上位の管理者が参画すべきである。特に部門間の連携が必要な問題の解決にあたっては、改善すべき対策が明確になっても、部門間の調整が得られないと改善が維持できない。

多くのプロジェクトやISOの推進会議などに参加すると、メンバーにどの階層の管理者が参加しているかでその会社の取り組む意欲が理解できる。
その程度としか考えてないプロジェクトからは、その程度の成果しか得られない。
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工程改善のポイント(2)

2005-10-28 | ISO成功法
技術の水平展開を行う場合、例えば解析の結果、原料の処置の条件が適切でなかったというような場合、その原料を使用する製品については使えるが、他の原料を使用する他の製品にはそのままでは、使えないことがある。このような場合は。管理技術的要因を検討すべきである。

固有技術的要因を明確にした後、例えばどの段階で、どのような情報の活用が不足していたのか、どの項目のチェックが不足していたかなどの管理技術的要因を解析するとよい。このように管理技術的要因までさかのぼって解析することを、「2段階の解析」と呼んだらよいだろう。

このような解析をすれば、原料が違う他の製品にも役立つ。

解析は、固有技術的要因のみにとどまらず、管理技術的要因まで行うことで応用範囲が広がる。このような技術の水平展開のことを、技術の標準化と呼んでいる。
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工程改善のポイント

2005-10-27 | ISO外論
解析が終わればそれで、成功するとは限らない。改善案の作成、実施にも細心の注意が必要である。工程の改善をする場合の注意点をまとめたい。

(1)品質およびコストを考えた改善計画にすること
 改善は効果を期待するため、コストのみ注意して品質が検討されないため、不良が増えて結局はコストアップになったということを良く聞く。品質とコスト両方を考えた改善計画にしないからである。ある会社では、CR-QA票という改善計画を作り、確認の不備のないようにしている。
また、CR-QAを前向きに活用して、コストリダクション(原価低減)を目的にした場合の心配される品質確認をあげておき、品質問題の予防に役立てている。

(2)技術的検討に加え管理的検討をすること
 改善案をうのみにして、実行してあとで品質問題を起こすということは、技術的検討の不足である。これでは、改善を提案する側も、安心して提案できなくなりかねない。逆に予想以上の効果がでたばあいは、従来の技術的知見に誤りがないか検討する必要がある。

 また、改善の水平展開を行う場合、技術的検討だけでなく管理的検討をすることにより、改善を水平展開する範囲を広げることができる。

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ポイント.36-3

2005-10-26 | 継続的改善52
解析の方法

解析には、大きく3つの方法がある。

過去のデータによる解析
層別して取ったデータによる解析
実験計画などの実験による解析

最近思うことだが、過去(といっても最近のデータであるが)のデータを取って解析しよい結果だ得られないと、それを検討しないことだ。統計的訓練を受けてないこと、審査などに対応するための良い結果を要求すること。いわば、「付け刃」でかいせきするけいこうがあることである。

設計段階、生産準備段階に取るデータは今後の製造段階の品質を決めるために大切だが、解析することを考えておけば、原因と結果の対応のとれたデータが得られる。履歴や素性の明確なデータ、考えられる原因別に層別して取ったデータは解析に役立つ。

本格的生産の前に、実験をおこない安定した生産が出来るようにすべきで、実験計画法などが役立つ。量産段階に入ってからだと、不良を出すことを恐れる余り条件を余りいじることが出来ない。これでは、解析に役立たない。

このような解析についての基本を理解しておくと、無駄を未然に防ぐことが出来る。
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ポイント.36-2

2005-10-24 | 継続的改善52
工程解析の方法

品質解析と工程解析の違いは前に書いた。
品質解析は、品質特性を選定して計量化することである。
工程解析は、品質特性と要因の関係を調べ計量化することである。

品質解析は、品質機能展開などで進んだが、その反面、工程解析を忘れてしまったようだ。

量産されるまでに、多くの問題が解決され、製造段階では決められた標準に従い作業してそれを維持管理すればよい状況になっているのが理想である。特に最近のように製造の作業者が派遣や海外の作業者に頼っている状況では、なおさら、これは重要である。

残念ながら、現状は理想と程遠い。
工程解析を行い工程の安定に努める必要がある。

製造工程というのは、製造の目的である品質特性に影響する原因の集合である。
まず、品質特性の現状を把握しながら、品質特性に影響を及ぼすと考えられる原因を挙げてみる。
次に統計的ツールを活用した解析により、この原因の中から品質特性に大きな影響を及ぼす重要な原因(要因)を選定する。(これを診断という)
さらにそれぞれの要因の品質特性に影響する程度(寄与率)を明らかにする。
その後、要因の影響を排除する方法を考え対策を実行する。

このための解析の方法については次にまとめる。

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悪貨は良貨を駆逐する

2005-10-23 | ISO外論
これも監査での話、認証取得前の監査では、認証のためのハウツーが頭にあり監査が進められることがある。監査する方も受けるほうも、やるからには受かりたいのは当然のことである。

ただし、ISOという手段が企業の方針という目的を離れて一人歩きするととんでもないことになる。

内部監査という、受かるコツの伝授の場になる。
そこで、この記録はこれではまずい、とか、手順の作成の日付をどうするという話になる。熱心のあまりのことで、悪気は全くないのだが、これが危ない。
監査で問題になったことを直す指示をするとき、指示を受ける人に十分説明しておかないと,単なる手直しのつもりが、ごまかしになる。非常時のことが、平常時の標準になりかねない。

このように手段が一人歩きをはじめると、ISOとはそんなものか、という考えがうまれる。審査前にごまかす方法を身につけると、それが日常化するようになる。

このようなマイナス面の処置は何か失敗したとき使えるので、便利である。
良いことを定着させるのは難しいが、悪いことは早く広がる。
負のシナジー、負のスパイラルが体質化したら戻すのに時間がかかる。
価値のある貨幣と価値のない貨幣が同時に使われると、価値のある通貨は貯蔵され、価値のない「悪貨」が市場に流通する傾向を発見した、グレシャムの言葉は真理のようである。

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這えば立て、立てば歩めの・・・

2005-10-22 | ISO外論
審査員は何かとおせっかいやきが多い。
これは決して悪口でなく、前向きにアドバイスするという意味である。
努力して工夫したことを誉められるのは誰でもうれしいはずだ。

親が子供を見て、這えば、次は立ってほしいと願う。
立てば歩めの親心である。

内部監査などで、いい話が出てくると、とたんにいい顔になる人がいる。
そして、その人は、何かアドバイスしたくて、じーっと考える。
そんな姿を端から見るのは楽しい。
なんと出てくるか、気になる。

そこで建前が出て、教育的指導になるか、
本音でよくこんなことに気が付いたね、というかいろいろだが、
ほっとする瞬間だ。

その人を知りたければ、誉めるところを見ればよいということに気が付いた。
そして、自分に振り返り反省した。
人のよいところに気が付いて、誉める心の広さがあるだろうか。

問題点なら誰でも気づくが、良い点を見つけるのは難しい。
誉められれば、元気になるように、自分で自分を誉める技術も身に付けたいと思う。
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ポイント.36-1

2005-10-21 | 継続的改善52
解析が技術をつくる

最近、統計的品質管理の必要性を実感ずることが多い。
特に、製品開発段階の品質管理は品質機能展開が定着したこと、設計審査(DR)などの会議が増えたことなどの書類作成の時間が増え、ゆっくり考える時間がなくなった。

そのため、技術の改善に時間が取れないことが多い。
設計が本来、知ってなければならない後工程の製造の工程能力情報なども検討する暇が取れない。

一方、製造でも、設計段階に十分に参画して図面検討をする時間が取れないまま、生産移管される。
その結果、生産方法を検討する暇がなく、トラブルシューティング゛に追われることになる。

問題の話ばかりで恐縮だが、これが実態のようだ。

品質機能展開はもともと開発の意図が、図面のみでは伝達されないので、設計の考えを後工程に伝達するツールとして作られた。技術が確立されたところは、図面に反映できる。疑問点や注意点を品質展開で流すことになる。
これを受ける側で、検討を加え技術として確立させることが必要である。
この使い方は、解析をする前の定性分析である特性要因図と同じようにとらえられる。

品質展開を解析に役立てないと技術が進歩しない。
解析は技術改善のひとつの方法である。
それを有効な方法にするよう検討したい。

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品質管理は足でかせげ

2005-10-20 | ISO外論
三現主義じゃないけれど、現場で教わることは多い。

最近、ある人から、聞いた話。

不良が多くて困っていたところ、考えがまとまらないので現場にいって考えることにしたそうである。何回か通ううち、現場の作業者とも仲良くなり、作業の苦労話を聞く関係になった。

しばらくして、データをとってみると、以前の工程と違って、最近は安定しだした。
「原因はわからないが」といって、彼は話してくれた。

その話を聞いて、忘れていたことを思い出した。このような話は、以前はよく聞いたし、自分でも何回も経験している。「不良を減らしたければ、会議室でなく現場で考えろ」昔、先輩に聞いたことを思い出した。次に、データに聞けという。

こんな大切なことを最近は忘れている。
大いに反省した。
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