ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

ポイント.51-2

2005-11-30 | 継続的改善52
組織は意識の集合

人の意識で成り立つ組織が力を出すためには、一人一人の意識を高める必要がある。そのためには、よく言われるように、意識を深化することである。最近の人間に対する総合科学では、意識の深化がテーマになっている。

まず、自分を知ることが大切である。
しばらく前に、ばかのカベという本が評判になったが、壁、影、ミラーなど自分の潜在意識にどう気付くかについての研究が進んでいる。

潜在意識の気付きが組織の潜在問題の発見に役に立つが、今後、これらの研究が進むだろう。

あるマネジメントと意識のセミナーで、自分の潜在意識を知る興味ある話を聞いた。
自分の中の悪魔を知るというものだが、代表的な6人の悪魔がいるという。
それを紹介すると、
「私は正しい」
「あなたは間違っている」
「私は正義である」
「あなたは正義でない」
「私は支配したい」
「私は支配されたくない」
という、6人の悪魔であるという。

自分がどれに当てはまるか知るのは興味が尽きない。
私の経験からいえば、これらのことは、自分のことを深く考えるために用いるべきで、人のことを考えると本質を見失う恐れがある。また、自分の中には複数の悪魔がいて、そのときにより登場する悪魔が違うことがある。登場する前にわかれば、手の打ちようもあるが、失敗して後で気が付くからやっかいである。瞬間に気が付くようになるのが、今の目標ではあるが。

自分に気がつけば、余裕も出る。人付き合いもほどほどにできるようになる。
テーマがそれた。

組織も人の意識の集合である限り、同じような壁があり、悪魔が住んでいる。
それを知ルことが問題解決の糸口である。
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ポイント.51-1

2005-11-29 | 継続的改善52
組織は意識の集合体

目標をいつも達成するそしきもあれば、50%も達成しない組織がある。
優れた人や固有技術がありながら、それが生かす組織力がないのは、「宝の持ち腐れ」である。

優れた組織とは、ある研究によれば、次のようなものである。

1.トップの方針が確立され、末端まで展開、実施されていること
2.問題指向型、重点指向型であること
3.責任と権限が明確になっていること
4.上下、左右の部門間の壁がないこと
5.真の原因系に対する改善を着実に行っていること
6.PDCAの管理のサークルがよくまわっていること
7.データが解析され、それがアクションに活用されていること

このような組織が総合力のある組織であるが、これらは人の意識や意欲に関わることであることが理解できるだろう。

そのことから、組織は意識の集合体といえるだろう。
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USO800

2005-11-27 | ISO外論
新しい規格の話ではない。うそ八百である。

最近、うそをつくことの罪悪感が薄れているのだろうか。常識人と思える二人の若者から、別々の機会に「人間はうそをつくものです」という言葉を聞いた。「うそ」についての話しをしているときでないので、ショックをうけた。

どことなく醒めているようで、世の中を達観しているようで、恐ろしく思う。

この年になっても、と自分のことを言うのは、おかしくもあるが、まだ現役のガキのつもりだ。「おまえらは、若いんだから、もっと純粋に馬鹿をやれ」といいたい。

そのような若者が、組織の大義に流されるのを見るのはつらい。

ISOなどの認証取得中、USOは組織の大義になる。
そのためなら、多少の無理をするのはあたりまえだが、USO800は困る。それを黙認する組織は今後の重要なチャンスを失うことになるのだろう。

組織ぐるみでUSOをやるのは確信犯だから、ほっておくしかない。しかし、そこで働く人の意識にUSOが残るのは、問題である。USOが人の意識に住み込んだら、組織はまともでなくなる。

USOは水平展開が得意のようだ。以前、「悪貨は良貨を駆逐する」と書いたが、USO 荷はその力がある。「USOはISOを駆逐する」である。
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ポイント.50

2005-11-27 | 継続的改善52
総合的マネジメントシステム

製品品質がよくなっても原価が著しく高かったり、手に入るまでの時間が必要以上にかかるようなことがあってはならない。

質、量(納期)、コストの継続的改善活動がばらばらに行われるのでなく、総合的な活動になって、初めて企業の発展に寄与する。

ところがこれを別々に行うため多くの問題がでてくる。

組織においては、品質、原価、生産量などの機能別管理は便宜上、専門部署を作ることはあるが、製品開発においてはそれらを統合してバランスのよい製品を作る必要がある。
自動車会社などでは、車種別に担当マネジャーがいて、質、量、コストの総合管理を行っている。このため、機能別スタッフの協力を得るのは言うまでもない。

このようなプロジェクトマネジメントの体制をどう作るかが、総合的マネジメントシステムの構築で大切なことである。このための第一歩がISOの9000や14000のシステムである。

総合的マネジメントシステムの構築で一番大切なことは、プロジェクトマネジメントをする人の育成である。質、量、コストの総合的責任を持つため、経営者と同等の権限を持つ必要がある。

人材育成は長期的方針の下に行う活動である。今のような人の使い捨ての時代に総合力を持った人材をどのように育てるか、考えなければならない。

人を育てる100年の計が必要である。
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ポイント.49

2005-11-26 | 継続的改善52
攻めの品質保証

「品質とコストのトレードオフ」という言葉を良く聞く。
確かに、コストを下げるために品質や安全性を犠牲にした、という話は多い。

始めに、はっきりさせておきたい。いま、起きている多くの問題は、品質を無視していると同時に、品質管理に対して無知なため起きている問題である。

以前、日本製品は、「安かろう悪かろう」といわれていた。高度成長期には、「安かろう良かろう」でダンピングと海外から恨まれた。円のレートもあるが、品質管理の効果も無視できない。それが、また「安かろう悪かろう」の時代に戻った。

平均的な頭の持ち主なら(だまされた顧客は別にしての話だが)、コストを下げることによる品質のリスクを考える。品質管理を理解していれば、リスクを回避する方法を検討して、品質問題の起きない範囲でのコストダウンを実施するだろう。

知識としての品質管理は知っていても、実践しないのは、知らないに等しい。むしろ、知らないより始末が悪い。

さて、攻めの品質保証である。

コストダウンすることで発生する品質問題を予測する。この品質問題の評価の方法を事前にあげておく。この評価する方法が品質保証である。もし評価して問題がなければ、そのコストダウンの方法を採用できる。

このような方法を、コストリダクション(CR)を目的として、事前に品質保証の準備を始めることから、CR-QAとよんで、効果をあげている会社がある。

当然、組織全体の総合力を上げて取り組まないと成功しない。全体で取り組むためには目標も大きく持って、必死に取り組むことにより、成功するそうである。

仕事に疲れるのは、高い目標に向けチャレンジしてる時でなく、目標を見失った時である。
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ポイント.48-2

2005-11-25 | 継続的改善52
作業者不良と管理者不良

一時期こんな言葉がはやった。散発的不良は現場第一線で見つけ、解決することから、作業者が解決することが多い。それに対して、慢性的問題は管理上の原因で起きるため管理者が解決する問題である。このため管理者不良とよんだ。

ある会社では、責任の所在をもっとはっきりさせたうえで、管理者の管理能力がないための不良として、管理者不良と名付けた。
必ずしも、責任の所在を明確にすれば問題が解決されるわけではないので、この呼び方は問題解決にふさわしくないかもしれない。

その分類を使うなら、最近は経営者不良が多い。
体質改善が進まず、成果が出ないのは、経営者の責任によるところが多い。

経営革新や経営体質の改善という重要問題を解決する力になるのは、トップのリーダシップである。それが進まない最大に理由は、経営者が「裸の王様」になっていて、正しい現状把握ができず、現状が不十分であるのに、よく出来ていると勘違いしていることである。

勘違い、勘の狂いが組織を壊す。
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ポイント.48-1

2005-11-24 | 継続的改善52
重要品質問題の解析・診断

重要品質問題はそれを解決することにより大きな成果が期待できる問題である。
これらの問題は、部門間、階層間、新製品開発のプロセス間など、仕事の責任権限の届きにくいところに、潜んでいる。多くが潜在的であり、現象は慢性的であるため、見過ごされたりあきらめられたりすることが多い。

日本に品質管理を指導されたジュラン博士は、散発的問題と慢性的問題を区別して、管理上の問題として慢性的問題の解決が必要であることを説いたが、品質管理の発展は必ずしもこの方向に進まなかった。

いい、悪いの問題でなく、時代の流れであるが、一つは、QCサークルの普及に伴い、現場第一線の散発的不良に目が向けられたこと。
それと反対に、ISOのようなシステムそのものを対象とするマネジメントの手法が生まれ、解析の考えが不足し、慢性的問題の問題解決にめがむけられなくなったことである。

人間、自ら自覚して問題解決したことには、責任を持つ。人から押し付けられるような他動的なことでは、やる気がおきずすぐ忘れてしまう。

このため、健全な組織では、需要品質問題を明確にして、自ら取り組む動機付けが必要である。
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予防と水平展開

2005-11-23 | ISO外論
ISOの審査員に予防のことを聞いた。
彼に言わせると、予防には3ッの方法がある。
FMEA(故障予測と解析の手法)
水平展開
統計的方法
という。

審査の場での発言なので、審査機関の公式見解であろう。

さて、この中の水平展開である。水平展開が予防に役立つには、工夫がいる。

成果を水平展開すること。
成果をあげているものには、それなりの理由がある。なぜ成功したかと言う原因がわかれば、真似がしやすい。

水平展開の押さえどころを明確にすること。
成功したことの解析こそ大切と言うことを強調したい。失敗の解析は当然大切だが、成功の解析も大切である。失敗に追われると、成功の解析まで手が回らなくなる。トラブルシューティング゛は熱心だが、前向きの解析を忘れている会社はおおい。

固有技術の対策に管理技術の対策を加える。
固有技術はしっかりしているが、その活用が不足していることも多い。管理技術の発想がないから、対策の水平展開ができない。
管理技術は特殊性の追求が得意だが、管理技術による標準化を進める必要もある。
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品質をあきらめるな

2005-11-22 | コラム
製品の品質について、「またか!」という事件が続いている。

建物の構造設計では、地震国日本の誇るべき技術のはずである。
今日現在のところでは、設計事務所のみの問題が取り上げられているが、それだけで終わるはずはない。もうしばらくして、グループとしての犯罪の全貌が見えてくるだろう。

仕事に対する誇りや倫理観をなくし、いつもながらの「みんなで、渡れば怖くない」という、なれ合いのネットワークが見えてくるだろう。それに、いつも不愉快な思いをするのは、民間に任せていては危ないという論調である。

今我々が考えるべきことは、日本が決して、成長した大人の国ではないという危機感である。このような問題がいつおきてもおかしくない体質を抱えたままの成長である。

こんなことを考えている段階で、新たなニュースが飛び込んできた。

構造設計の偽造建造物が日本住宅建設産業協会の優秀事業賞を受賞していた。
その賞は、関係法令に適合していること、施工と品質管理の体制、維持管理、保証体制の適切さ、が表彰の用件である。
どれひとつとっても、今回の事件のようなことが起きない為の制度である。

「ISOも同じだ」と思った。
審査を見ていて、これでは、現状が深掘りされてない、とおもう。

業界全体の発展のための表彰制度も悪意で利用されることがある。

品質に対する誇りを捨ててはいけない。
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ポイント.47

2005-11-21 | 継続的改善52
レビューという活動

ISOでは目標達成の手段が適切か、妥当か、有効か判定する事をレビューとよんでいる。
特に、品質マネジメントシステムについて、経営者のレビューを定期的に行うことを定めている。レビューを正しく運営するためにはインプット、アウトプットを予め決めておく必要がある。レビューという活動は重要なプロセスであるが、経営者のレビューのような長期的に問題を捉えて意思決定するには、継続的改善の成果が見えるものでなければならない。

このように、ISOでは、特に重要な活動(プロセス)について、インプット、アウトプットを明確にしてPDCAを確実にまわす工夫がされている。

また、レビューのためのインプットのデータの質がよくないと、アウトプットの質もよくならないが、これは、レビューする人の力量にかかっている。データを取りまとめる責任者とレビューする人の協力が大切である。

ISO/TS規格では、品質目標と製品に関する顧客満足のパフォーマンスを継続的改善することがも要求されるが、このためには、組織の品質マネジメントが効率的に運用管理されていることが大切である。



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