ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

小集団活動の成功の条件.1

2006-01-31 | 高シナジー経営
満足の得られる仕事があってこそ、小集団活動は成功する。
小集団活動はQWLを目標にする。

以前は小集団活動をやっていたから、理解できているという話を聞く。
なぜそれが継続しなかったのかの解析が必要である。
そのときと比べて今の仕事の環境はよくなっていますか。
やる気、生きがいは改善されましたか。

まず、満足のいく仕事が与えられているか、仕事の内容や範囲、目的を考えた仕事の点検を小集団活動のスタートと同時に行うことが大切である。仕事に大きな問題があるうちは、それらの問題点の解決も管理者の役割として、理解をしてもらい、小集団活動をすべきである。

以前、構造不況という大きな問題を抱える会社でQCサークル活動をはじめた。
従業員は初めのうち、自分たちで解決できる問題より、将来の不安が多くQCサークルどころではなかった。会合で出るのは、不平不満ばかりだった。QCサークルの事務局のある総務にもQCサークルがあり、そのサークルでは、他のサークルの不満のうち総務で答えられることの改善を行った。しばらくして、総務のサークルの努力もあり不平不満は少なくなった。その後、その会社のQCサークルが活性化したのはいうまでもない。
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小集団活動の成功の条件

2006-01-30 | 高シナジー経営
今週は小集団活動の成功条件についてまとめたい。

小集団活動を始める前に、確認しておきたいことは、次の3点であろう。
小集団活動のビジョンを示すこと。活動を実施する人たちと上位者の小集団に期待することをそろえておくこと。
職場の生活の質の向上(QWL)を基本とすること。生きがい、人間としての成長が何より優先されなければならない。不良0を目指す条件である。
問題解決、改善の技術の習得。コミュニケーション、情報の伝達のツールともなる。

次に成功の条件を挙げると、
1.満足の得られる仕事の点検。現状に問題があるなら、まずその改善を活動の目的とすること。
2.小集団の計画は直接影響を受ける人びとの立場で考えること。初めは誰かが決めなければ進まないが、活動がある程度進んだ段階では、小集団のリーダが集まり計画を考えたい。
3.上位者が自分の仕事に満足してなければ、良い指導はできない。上位者の不満をなくすために小集団を使うのでなく、従業員の不満をなくすために上位者がいる。
4.上位者は小集団活動の障害を取り除く活動をすること。上位者の改善は望ましくない仕事を直すことに向けられること。
5.事務局は小集団活動と上位者の調整を行うこと。
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公表できない成果

2006-01-29 | コラム
成果を挙げたものの公表できないことは多い。
経営者の考える成果と従業員の成果とが食い違うことは、珍しいことではない。
価値観の相違がそうさせる。

例えば組織ぐるみの犯罪というが、実態は一部の経営者が知っていることで、組織全体に知らされることは少ないはずである。このようになると組織の価値観は二分される。

価値観や目標が二分割すると混乱が起こる。
従業員の上げる成果に経営者は関心を示さないので、志気がさがる。

文化人類学者の梅棹忠夫先生は、能率について鋭い分析をしていた。
能率や生産性というと、技術論では、すぐ数値化して分母と分子で考えるが、本当は仕事の受け渡しでの、トラブルやイライラがどれだけなくなったかという問題であるというのだ。実に的を得た分析である。

当事者にとっては、生産性がどれだけあがったということより、イライラが減り仕事が気持ちよく出来るようになったということが実感できる評価である。

さて、立場や価値観の違いにより、成果が成果でなくなることがある。
不良を隠している組織では、不良の低減は成果とみなされない。ためしに、不良低減の実績を報告してみるとよい。今までなぜ報告しなかったのか怒られるだろう。

良いことをしても評価されないのは、志気に影響する。
品質管理は経営者から従業員まで価値観を共有化することをいつも心がけなければならない。
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問題指向とホモ・ネガンス

2006-01-28 | コラム
ホモ・サピエンスは、考える人、頭を使う人という人間をあらわす言葉であるが、最近の科学で程度の差はあるものの考えることは、人間だけの特性でないのは解ってきた。

ホモ・ネガンスという表現があるのだそうだ。
「NOといえる人」と理解したらよいだろう。
自分の存在や利益に必要なときは、YESというが、ときに、NOと言える存在が、ホモ・ネガンスである。合理的判断を超えて、自分の生命を犠牲にしてまで、真実、愛、誠実を貫くことである。

少し前に、最近の人は「やせ我慢」しなくなったと書いた。学生時代は暴れん坊で正義感の塊のような学生が、就職したとたんに、物分りのよいイエスマンに変身する。見事というか驚いてしまう。

会社ぐるみの不正や内部告発という現象は、ホモ・サピエンスとホモ・ネガンスの葛藤というところか。

品質管理をする人は、合理的な組織の中でホモ・ネガンスに徹するのが役割である。本質的問題を発見してそれを堂々と提起するのが仕事である。
「問題指向」の基本はそんなとこにあるような気がする。

品質管理の教育はホモ・ネガンスの技術を教えることであろう。
「長いものに巻かれろ」という組織の中で、「やせ我慢」できる人がいないと、組織は道を誤る。最近の多くの事件は品質管理の不在が原因という気がしてならない。
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QWL

2006-01-27 | 高シナジー経営
自主的に改善活動に取り組むためには、QWL(Quality of Work Life:職業生活の質)が確保されてなければならない。

ISO9001の要求事項を含み自動車業界の要求事項を追加したISO/TS16949では、「動機付け」のための具体的施策が要求されている。

最近、電機業界では中国に対抗するためにも「不良0」を目指す動きが出てきた。これら目的を達成するためには、組織の全ての人の質がよくなければならない。とりわけ、第一線で従事する人の質がよくなければならない。

心理学者のE.フロムは「人間というシステムは物質的な欲求だけが満たされて、生理的な生存が保証されても、人間独特の欲求や能力-愛、思いやり、理性、喜びなど-が満足させられなければ、本来の機能を発揮しない。」ことを強調する。著書「希望の革命」では小集団活動の必要性を示唆している。

これからは、仕事と自分の生活を割り切る考えでなく、多くの時間を占める仕事の中で自分の質を高める活動に着手することが、大切である。
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小集団活動

2006-01-26 | 高シナジー経営
小集団活動やQCサークル活動について考える。

以前、成果0のサークル活動を提案した人がいた。
サークル活動で過大な成果をあげるのは、日常の仕事に不具合が多いからであり、スタッフや管理者が的確な仕事をしてないからである、という考え方である。

この考えは多くのサークル活動に当たっている。
サークル活動に成果を期待過ぎて、負担がかかりすぎると、長続きしない。
成果は管理者がサークル活動の結果をまとめ、水平展開することにより得られるものである。このような成果を挙げる活動は、管理者のサークル活動に対する「お礼」と名づけていた会社があったが、的を得た理解である。

小集団活動やサークル活動の目的を整理したい。
まず、テーマを共有化することで、共通の関心と体験をすることにより、チームワークを強めることに役立つ。
次に普段の仕事でわからなかった新しい個性を発見する機会になることである。相手を理解することで、思いやる気持ち、ともに仕事をする喜びがえられれば、それ自体が大きな成果である。

このように、問題解決や改善を通して得られる成果は、明日の仕事に対するエネルギーである。
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組織的改善活動

2006-01-25 | 高シナジー経営
部分的の問題解決をしても成果は限定される。

顕在的問題は誰でも気付くから解決することが出来る。
ところが、部分的活動のみでは、部門間、階層間などの「間」の問題が残り慢性化する。潜在的問題は部門間、階層間に壁を作り連携の悪い組織になる。

さて、究極的な「間」の問題は、組織と顧客との関係である。
組織がある程度大きくなると、組織内部の「家庭に事情」がででくる。それが優先すると顧客無視、顧客不在の経営になる。内部の調整のための会議が増えるのは、部門間の連携が悪いからである。内部指向が強くなるのは、組織の危険信号である。

外部の目で組織を光と問題点がよく見えてくる。顧客指向を取り入れて、内部の体制強化を図ることも必要である。このように「顧客の力を借りて強くなる」ことも大切である。

本来このような組織の問題を解決するためにシステムの見直しが必要であるが、ISOをそのような組織の整備の手段として利用することはまれである。

そのためには、現状把握を組織的に行う必要があるが、一番重要なことは、経営者が慢性問題、潜在問題に対する自覚症状があるかどうかである。

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双方向のマネジメント

2006-01-24 | 高シナジー経営
方針管理はトップダウン、QCサークルはボトムアップ、という解釈があるが、これでは成果が半減される。

方針が実力を無視したものでは、目標は達成できない。そのため、現状把握を行い問題点や課題を明確にして、目標達成のための経営資源の要求を行う。このような双方向の活動をキャッチボールという。

QCサークルは自主的活動であるが、管理者の理解と支援があれば、方針と関連するテーマの選定をするようになる。

このように成果をあげる活動は基本的に双方向である。
双方向活動になるように工夫が必要である。

責任を明確にすることは、役割分担を決めることであるが、責任を果たすために、インプットは何か、また、何をアウトプットするかを考えることにより、連携を強めることができる。責任を押し付けるだけでは、連携を強めることは出来ない。

このように、双方向のマネジメントが相乗効果をあげることが出来る。
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トップダウン

2006-01-23 | 高シナジー経営
経営は基本的にトップダウンである。
経営者が方針や目標を示さなければ、経営は成り立たない。

なかには、ひらめきがあって会社を起こす人もいるが、顧客からの要望が始めの方針になる。経営者の役割は営業を兼ねることもあるから、顧客の要望の伝達がその役割りになる。しかしそれだけでは、会社としての自主性が育たない。親会社にぶら下がり自主性のない会社はそのようにしてできる。

経営者が方針をだすためには、会社の現状を理解することが大切である。
いまどのような問題を抱えているかをつかむためには、第一線の人の意見に耳を傾ける必要がある。

ある社長は「何か手伝うことはないか」「何か困っていることはないか」を聞きながら頻繁に現場を歩くという。

企業が小さい間は経営者が何もかにもするから、トップダウンもボトムアップもないが、大きくなると人の意見を介して現状把握することが多くなる。その人が優れていればよいが、自分の権限を守るため事実を加工したり、人の悪口だけ報告したりすると正しい情報が、経営者まで届かなくなる。イエスマンも困るし秘密警察も困る。このようにして経営者は裸の王様になっていく。

効率的な経営をするためには、トップダウンとボトムアップの両方が機能しなければならない。
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持つことの意味

2006-01-22 | コラム
最近起きたライブドアショックは経済活動に多くの教訓を残しそうだ。
報道関係者は単純に事件として処理するのでなく、考える材料を与えてほしいと思う。

昨日から、政府高官の発言に「額に汗して稼ぐのがまっとうな方法」という意見を聞いたが、ものづくりの現場もすでに「額に汗をかかない」時代になっている。大手製造業の現場には外国人労働者が多く、その上は派遣、正社員は社内メールをよりどころに仕事している。

額に汗とITとどちらが正しいあり方かという議論はむしろ時代遅れである。
目に見える形あるものと形ないものの価値を比較することは遊びに過ぎない。

今考えるべきは、自分の幸せの目標をどこに置くかを考えることと思う。
現在の産業社会は、人が要求するものは何でも作る。利潤を生みさえしたら、どんな使用、投資も許されるという、大前提で成り立っている。いくらかの規制や企業倫理があるものの自由度が高い社会で暴走を起こさないようどうするかが、一人一人に問われている気がする。

自分が幸福になるため持つことの意味を問い直したい。

トルストイの民話に、人はどれだけの土地がいるか、というのがある。
昔貧しかった小作人が自分の努力で多くの土地を所有するようになる。
ある日、大地主から、太陽の沈むまでに歩いて囲んだだけの土地をあげようと提案がある。
小作人は夢中になって歩き出す、元気のある時間はどんどん進み、最後の一辺を囲む頃、日が沈みかける。囲めなければ何ももらえない。小作人は最後の力を振り絞って、スタートした大地主の待つ丘の上に向かう。後一歩というところで、日が沈み、小作人も息絶えてしまう。気の毒に思った大地主は、小作人の墓を作ってやる。
その小作人に本当に必要だった土地は、自分を埋める大きさの土地であった。
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