ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

ポイント.3

2005-07-31 | 継続的改善52
部門より部門間の問題に注意しよう。

組織は基本的には縦割りでできている。また最近のように能力主義が行き渡ると自分の守備範囲のみに関心を持つようになる。

ISOでは責任権限の明確化が要求されるが、業務を細分化しすぎて、部門内の業務のみこだわると、部門間の連携が悪くなる。慢性的人材不足を抱える中小企業などでは、致命傷になりかねない。

管理者は部門間調整の役割をもつことは前にふれたが、方針管理でそれが明確になっているか、チェックが必要だろう。そのためには、品質保証や原価管理などの機能別に方針が展開・管理されなければならない。

いずれにせよ部門間の問題の発見は、上位管理者や経営者の役割である。
ここに宝の山があることに、関心を持つべきである。
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ポイント.2

2005-07-30 | 継続的改善52
組織の品質と顧客の要求を整理する。

製品の品質をつくるのは技術であり、組織の品質であり、人の品質である。
日本の品質管理はそのように考え世界一になった。

基準や規格を決めてそれを満足すれば、それで完成する品質管理と違って、改善という飽くなき品質の追求をおこなった。過剰品質という批判に耳をかさず品質を改善したため、副次効果としてコストダウンができる。よくQCDというが、これをばらばらに手をつけているだけでは、成果は半減する。

さて、製品の品質はどうか、技術や組織の誇るべき点はどのようなことか。今何をめざした品質改善を実践しているか。これが明確になっているか。組織のベクトルがあっていることが大切である。

また、社内の評価と顧客の評価に差はないか。その差は改善すべきものか、などの全体をまとめ、方針と改善計画を作成する。これがスタートである。
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ポイント.1

2005-07-29 | ISO成功法
現状の経営の基盤点検から始めよう。

事業の目的は何か。
目的達成のため、どのように経営するか。
成功するための事業運営のプロセスは明確か。
など、あたりまえのことが理解できてないことが多い。

儲けるために考えることが多く、経営の基盤のような具体的でないことを考える余裕がないというのが本音だろう。

暇になったらやるとか、もう少し整理したらやるというのは、現在、取組みたくないことに対する言い訳に過ぎない。

ISO規格を学生のように、ただ勉強するために読むのでなく、何か改善のヒントを得たいとおもって読むなら、得られることは多いはずだ。

ISO9001は経営の基本を理解し易く書かれた規格である。
経営とは何をどうすることか、
現状で不足していることは何か
を考えながら、規格をよんでみよう。
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継続的改善52のポイント

2005-07-28 | 継続的改善52
今回からISOと継続的改善について52のポイントをまとめたい。

毎週1項目まとめると1年で完成する。週に1項目完成させるのは、気分屋としては難しいので、できるだけ毎日1項目整理したい。

自分でまとめながら修正したり、意見を参考に変更したりして進めたい。
要は日本が元気になる道を探りながら、有志が集まり、日本発デファクトスタンダードに発展すると面白いとおもっている。

まず始めに、継続的改善の基本をまとめたい。
これは、今までまとめた、成功法から以下の7項目としたい。

1.現状の経営の基盤点検から始めよう。
2.組織の品質と顧客の要求を整理する。
3.部門より部門間の問題に注意しよう。
4.仕事の流れのステップに注意しよう。
5.階層間の問題解決で連携を強めよう。
6.ハイリスク・ハイリターンを実践しよう。
7.成功のプロセスをまとめて展開しよう。

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継続的改善

2005-07-27 | ISO成功法
 今回から継続的改善についてまとめることにする。
単なる改善とどこが違うのか、そんなことから考えてみたい。

改善はimprovementでなく、日本語のKAIZENが国際的に通用するので、そのまま使って欲しかったが、無理だろう。

継続的の解釈はISOの委員会でも迷ったようだ。
英語の微妙なニュアンスはわからないが、はじめcontinuous:連続的な、切れ目のないが使われた。2000年の改訂の時には、continual:段階的に、間隔をおいて繰り返していく、に変わった。

大切なことは、言葉の解釈でなく、実践である。
計画的、段階的にメリハリをつけてPDCAをまわすこと。と解釈している。

意識しないとPDCAにならない。人に押し付けたり、一部の人がする改善はPDCAになってないことが多い。
PDCAは難しい。
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目から鱗.4

2005-07-22 | ISO外論
2003年に開催された世界経営者会議の講演でトヨタ自動車の張富士夫社長は次のように述べている。「技術革新は日々の改善が原動力だ。絶え間ない改善を支えるのは人つくりであり、人を大切にする経営姿勢が新たな革新を可能にしている」

人づくり、改善、技術、落語の3題噺のようだが、最近この関係があいまいなための事故が多い。
メディアも「単なるミスでは処理できない問題」と報じるが、技術的難易度と重要性は別の次元の評価である。

ついで補足しておきたい。日本の製品の品質が世界一になったのは、多方面の産業人、研究者、技術者、学者などが協力して技術の改善に取り組んだからである。

品質向上のための専門家がいたわけではない。専門家がいなかったからこそ品質が良くなったといえる。

次の言葉は、技術について大原則と思う。
「従来の工業教育において「科学」は教えられたかも知れないが、「技術」は教えられてない。科学については理想化されたモデルの追求を行うに過ぎないが、技術については理想化されてない現実の姿が対象である。科学の目的は真であるが、技術の目標はプロセスであり、品質であり、経済性である。」
(品質管理誌 1954・10 水野滋)
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目から鱗.3

2005-07-21 | ISO外論
先輩から学んだこと
世界観、人生観を変えたこと
つまり、パラダイムシフトのきっかけになったことをかいている。

このような一言は長年、頭の片隅にありながら、ある偶然によって、鮮明によみがえってくるものだ。

例えば、きのうのプロジェクトXというテレビ、
長年気になっていた人が出ていた。

もう30年も前のこと、ある会合で「零戦」の設計者の話を聞き感銘を受けた。
「飛行機というものは、理論があって作られるものではない。人間が空を飛びたい欲求で作られ、後で理論が生まれる。そのようなことから「経験工学」といえる。」
この「経験工学」という言葉が残った。

プロジェクトXでは戦後初の国産航空機YS-11の誕生秘話を紹介したもので、日本の5人の飛行機設計者が若い技術者に設計の基本を伝承して、完成させる。その中の一人が、堀起二郎という零戦設計者である。

気になっていたことが30年たって解明できた。
しかも、このblogで「経験工学」を書こうと思っていた矢先のことである。
(このような意味ある偶然の一致をシンクロニシティーというそうだが、このことは、いずれまとめたい。)

われわれは、理論を追及して、それが実現しないと諦めてしまったり、理論と現実に差が出ると、その解釈が出来ず、単なる誤差として処理してしまう。

「経験工学」という工学から考えるなら、実現できない理由、理論と現実の差にこそ、大きな技術進歩の種があるということである。

技術者の大切にすべきこれらのことに気がつかないため、私自身多くの回り道をしてきた。

これを知らない技術者は技術の習得が遅い。
最近の多くのミスは、「経験工学」に無知な技術者によるものである。
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目から鱗.2

2005-07-20 | ISO外論
資源の少ない日本にとって人という資源が重要であることに異論はないであろう。人材育成というと教育という言葉がすぐ出てくるように、日本では100年も前から初等教育に力をいれ識字能力も高かった。

発展途上の1910年ごろ、書籍出版の統計によると、出版点数は英国を抜きアメリカの2倍以上であったという。

ノーベル経済学賞のアマルティア・セン博士は、「発展のために何よりも最初になされるべきは、金持ちや地位の高い人のためにでなく、むしろ貧しい人々のためになるような、人間的発展と学校教育の普及の実現です」と、教育と人の能力開発が基盤となり、発展がなされることを強調している。

過去における日本の驚異的経済発展はもとより、中国が世界の工場といわれるのも、労働人口の教育レベルの高さである。
ついで、インドのIT技術が世界を凌駕しているのも、大学での高度な工学的教育に加えて、シリコンバレーですぐ使える言葉の能力であろう。

不景気になるとまず教育予算の削減に手をつけるのも分かるが、このつけは、将来まわってくる。少し洞察力のある人なら、現在の危機的状況から、将来を学べるはずである。

継続的改善のためには、継続的教育が必要である。
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目から鱗.1

2005-07-19 | ISO外論
西堀榮三郎という人を知っていますか。日本の南極の第一次越冬隊長で冒険家、日本の品質管理の大先輩でもあります。

僕が小学生のとき信州の赤倉の隣に関山というスキー場がオープンして、そこのホテルの宿泊券とスキー道具一式をいただき、スキーを始めたきっかけが西堀さんです。僕にとっては、憧れの人であり、先生と呼ぶ人の一人です。

その西堀先生は冒険家としての実体験から、多くの魅力的名言を残されましたが、その中に
「人間の能力は面積であらわすな」
という言葉があります。

あの人は、幅は広いが奥行きは浅い、またその逆で、幅は狭いが奥行きがある、これは、人間の能力を面積一定として考えているというわけです。

さて最近能力主義という言葉が気になっています。人の能力を生かすも殺すも組織の総合力にかかっています。あえて能力というなら、マネジメントの能力が大切です。

日本の現場の管理者は、「監督者でなく教育者である」という言葉を聞いたこともあります。
能力主義も運用の仕方でいろいろでしょうが、全ての能力を個人の努力において、個人を評価するように思えてなりません。

誤解でしょうか、

西堀先生はおそらく、人間の能力は面積で現せるようなものではない、信頼し能力を伸ばそうと教育すれば、どこまでも向上するということを信じておられたように思います。

「信じ続ける力が能力である」といったら、言いすぎでしょうか。
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外論 ISO/TS16949

2005-07-18 | ISO成功法
最近、TS16949を読み直す必要があって、1日かけて真面目に読んだ。
世界の自動車業界がQS9000やドイツ、フランスなどの規格を集大成して一本化した規格である。

この規格作成にも日本は立ち遅れた。
日本の自動車メーカが努力した内容を規格にしたと思うのは、僻みだろうか。

規格戦略というかデファクトスタンダードの考えが日本には少ない。最近でこそ、有言実行なんて言葉があるが、僕みたいなふるい人間は、三船敏郎が「男はだまって、・・・ビール」なんてコマーシャルが懐かしく思う。
だからいつも、規格競争では、遅れるのだが。

標準化の考えが日本と欧米(あえて、ひっくるめて言うのだが)ではちがう。
日本は、実行したことを標準化する。歯止め、標準化という順序である。
もう少し格好をつけるなら「口で言うより手のほうが早い」という活動中心である。
それに対し、欧米のそれは頭で考えまず標準を作るという考えのように思う。

これからは、日本も少し大人になって使い分けたほうがいいとも思う。
しかし、活動しながら考える文化も捨てがたい。

皆さん、どう思われますか?
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