ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

外論の外:顧客のわがままから身を守るISO活用法

2008-11-30 | ISO外論
TSOは本来、売り手と買い手の公平な取引のために作られたはずである。
品質保証契約のテンプレート(ひな形、下敷き)であるが、注意しないと顧客を甘やかす材料になりかねない。
顧客の要求にこたえる努力をすべきだが、できないことまでは約束すべきではない。
できることを確認して約束すること、確約が大切である。

追加要求や変更については、製造実現性(フィージビリティ)の検討が必要であり、追加や変更の決定の前に顧客と打ち合わせるべきである。
要求にこたえるためにコストアップになるなら、価格の変更の打ち合わせをすべきである。

さて、このBLOGのテーマであるISOについて、どのような観点から、まとめようか考えている。 最近の品質管理は顧客重視で、メーガーの役に立つ品質管理になってない。
ISOを早く卒業して、継続的改善で成果を上げることが大切だが、ISOが邪魔をして品質管理本来の良さが出せないでいる。これをなんとかしたい。

顧客側から見たISOとメーカー側から見た品質管理についてまとめてみたいと思っている。
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外論の外:論理性と人間性

2008-11-29 | ISO外論
ある本の解説に「日本的経営は人間力を要求しすぎる。まず必要なことは論理性だ」と書いてあった。人付き合いのうまい人間は出世するが、人の上にたって仕事できるとは限らない、というようなことがかいてあった。

50代までは、自分はましな人間と思っていたが、最近は未完成な人間だと思っている。
意識的に、人からよく思われたいという気持ちよりも、人を良く思いたいという気持ちを先行したいと考えている。人を育てることによって自分も育ちたいと思う。

人を育てるためには自分の行動が正しくなければならないが、お互いに共通の目標、基礎的約束事があると便利である。
共通の目標は方針である。
共通する約束事は、一般的には教養とか知性とか言われるものだろうが、それでは掴まえどころがないので、QC的考え方とでもいっておく。

それではISOはなにか、
ひとつの基準であり、ルールではあるが、規格要求事項はうるさすぎる。
確かにISO体制の構築プロセスは論理的であり、苦労して作成した人にはいい勉強になっただろうが、作りすぎた標準の山にはうんざりする。
もっと行動しながら体で覚えるもののほうが、自分には向いている。

よい目標とPDCAという行動、時々自分を客観的に振り返る「事実、データによる管理」この3点で自分には十分と思う。
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外論の外:座右の1冊「即戦力の人心術」③

2008-11-28 | ISO外論
エゴを傷つけられるとき、理不尽に感じ人は猛然と反論する。
なぜそうなのか、それを回避する方法はないのか、などと考えていた時、人が向きになって口論する姿を目の当たりに見た。
「痛いところを突かれた」と素直な時は反省もすれば成長するだろうが、「お前からはそれを言われたくない」という相手に言われるとだれもが腹を立てるらしい。

言うほうも言うほうだが、腹を立てるほうにもそれなりの理由があるようだ。
少し考えていえば聞いてもらえることも、ストレートすぎると聞いてもらえないことがある。エゴやプライドが邪魔をするということはよくある。
問題点の原因を明確にしようというとき、その領域をうまくやり過ごすことをしないと、こちらの考えを受け取ってもらえない。

おびえている小犬に近ずくとき、同じ目の高さから近づいていかないと警戒されるが、是正処置をするとき、誰かを傷つける誤解を与えるとうまく事が運ばない。

人に協力を頼む時、作戦を立ててはいけない。
自分が本当に協力してほしいと思はない段階では協力をたのまないほうがいい。
相手の気持ちを考えるのは当然のことだが、その前に本当に頼みたいのかという自分の気持ちに問いかけることが大切である。

中途半端だと相手を動かすことはできない。
「へつらうな!うそをつくな!もう一度自分に深く問いかけてみろ!」
人の心に伝えるのは難しい。
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外論の外:座右の1冊「即戦力の人心術」②

2008-11-27 | ISO外論
「すぐれたリーダシップを発揮するには、自分のプライドよりもチームの実績を優先させなければならない。」
著者の心がけたリーダシップ論である。
プライドは大切だが、時にそれより優先させるべきことがある。
他のプライドであり、組織のプライドである。

ここ何年か、自分のノートに名前をつけている。
多少、少女趣味とも思えるが、習慣になっている。
「エゴを自覚し、エコに徹する」がその言葉だが、自分の戒めの言葉である。
いくら年をとっても、エゴをなくすことはできない。人生の目的が悟りをひらくこと、といえる人ならいざ知らず、自分は一生未完成の人間だから、エゴを捨て去ることはできそうにない。だから、エゴを自覚することが大切と思う。
その自覚を大切にしながら、まわりをトータルに見て行動する。
エコを実行するということはそんなことだと思っている。

自分のプライドというのはなかなか厄介である。
プライドを傷つけられると猛然と戦いを挑みたくなる。
誰でも理にかなわないこと、つまり理不尽を押し付けられると、腹が立つ。
プライドは自分が何を正しいと思っているかという範囲だから、どこまで許せるかの許容範囲でもある。この許容範囲の大きい人は人間ができている人である。
何も人間ができていると思われなくてもこれは許せないという限界がエゴでありプライドである。
こんな自分と一生付き合うのだから、厄介なものである。

さて、この本の著者に限らず、アメリカ人はとてつもなく明るく苗向きに見える。
自分のエゴやプライドとそれほど戦わずとも生きていける、そんな単純さがある。
その単純さ素直さで本を書くと経営書になる。
自分との葛藤を書くと哲学書になるのだろうか。
あまり解説しすぎると何が書いてあるか解らないので、本にならない。
このぎりぎりのところを文章にするのが、BLOGのような日記であろう。

本の紹介から、横道にそれすぎた。
今日はこれまで。頭が整理できるまで時間がかかりそうです。
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外論の外:座右の1冊

2008-11-26 | ISO外論
座右の銘という言葉がある。
人生の目標にする言葉である。
多くの本の中からいつのそばに置いておきたい本を紹介したい。
感激する本は「わが意を得たり」というか、自分が潜在的に思っていることを、いとも簡単にわかりやすく語りかけてくる。
「俺が考えている程度のことだからたいしたことはない」と思うのだが、よく読むと自分の考えをまとめさせ先に発展させる力が本にあるのだからすごい。

自分の読み方を披露すると、著者には失礼と思うが、マーカで線を引き、ヒントになりそうなことは。目次にメモしておく。
だから、目次がわかりやすい本が良い。
それが必ずしも、良い本の条件ではないが、目次に余裕があるとありがたい。

さて、今回紹介したい本は
  マイケル・アブラショフ著
  吉越浩一郎訳
  即戦力の人心術
  三笠書房  1500円

著者は米海軍大佐、艦長となったベンフォルドを海軍NO1にした。
そのはなしをまとめている。
目次の一部を紹介する。

「知っているはず」これほど恐ろしい思い込みはない
“悪い知らせ”ほどすぐ伝わるシステム
ルールは“守りながら同時に破る”
マニュアルはすぐ腐る
がんじがらめの規則の逆活用法

と、こんな調子である。
とにかく読んで損はない。それ以上得られるものは大きい。
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外論の外:負のシナジー効果(3)

2008-11-25 | ISO外論
このブログで時々、逆をすればうまくいく。という提案をしている。
例えば、報連相、報告連絡相談であるが、これを兵庫のように印刷して、・・・協会とやらで企業に売っているから、あちこちで見かける。上の人は寂しいのか、部下に報連相を強要する。部下はどうせ相談しても何もしてくれないことがわかっているから、相談もしない。
相談を受けたければ、せめて部下の悩みぐらいは感じて、何か困っていることは無いか聞いてみたらいい。
自分の考えを述べその必要性を説けばいい。説明責任というのは上から下へ協力を要請するために必要最低限のことである。このような逆報連相がなくては、部下からの報連相などあるはずはない。

部下の手柄を自分のものにするような了見では部下はついてこない。
部下をどこまで鍛えたか。部門間の調整をどこまでしたかで評価すれば良いのに、組織運営より個人の業績を評価するからおかしくなる。誤った能力評価は組織をだめにする。

品質問題は氷山の一角である。見える部分はわずかで、海面下に多くの潜在的問題を抱えている。現場第1線で手が打てるのは、顕在問題である。潜在問題は管理者が解決すべき問題である。いくらISOをしても体系的に問題を整理していないと、部分的な改善しか進まない。いつまでたってもQCサークルに頼っているだけでは、現場第1線は気が抜けない。現場はなぜ問題が解決できないか知っているが、管理者は全て現場の責任と誤解している。

多くの問題は部門間にまたがる問題か組織の階層間の問題である。
日本の部課長を指導したジュラン博士もQCサークルは大切な活動であるが、組織全体の問題の10%程度の問題を解決しているにすぎないことを示唆している。
重要な問題を解析するには統計的な手法が役に立つが、最後の決め手は問題の原因を明らかにして対策を考えようとする前向きな人の執念や情熱である。

このような気持ちが組織を強くする。
部門間も階層間も連携が取れてない組織は府のシナジーが蔓延している。

外部から見ればすぐわかるこれらのことも内部にいると気がつかなくなり、慢性化、潜在化する。これが負のシナジーの元凶である。




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外論の外:負のシナジー効果(2)

2008-11-24 | ISO外論
システムが陳腐化、形骸化、または官僚化しないためにどのように運用したらよいだろうか。
正しく現状把握することは、すでに書いた。
正しくの意味を補足すると、現状の問題点は勿論のこと、優れた点、今後伸ばしたい点も発掘することである。問題点には気がついても良い点を見つけることは難しい。
ためしに、内部監査を思い浮かべてみるといい。できてない点を指摘することは誰にでもできるが、今後直せば格段に良くなるポイントを指摘するのは難しい。

ゴルフをした事のある人は教えたがりが多いことに気がついたはずだ。
中でもできてないことをやたらにあげられるのは困る。そんなことを急に言われてもすぐ直るはずはないし、それを気にしだしたら楽しいはずのラウンドがつまらなくなる。
本当に良く見てくれる人はできることしかアドバイスしない。

情報システム屋は自分の導入したいシステムを正当化するためやたらにできてないことを指摘する。これから自分の開発するシステムを導入する組織に対して、ひとかけらも愛情の無いシステム屋は、役に立たないばかりか弊害になる。
ISOも同じである。

愛情があれば正しく現状把握でき、良い点、問題点の原因も忍耐強く探してくれる。

さて次は、良くするための方針、目標を決めること。
次に、実行のための予算、支援をすること。
実行のためのトレーニングをすること。
などである。

このプロセスを振り返ってほしい。
CAPDである。これがマネジメントの原理原則である。

近く紹介するが最近夢中になって読んだある本に、リーダーが絶えず繰り返すべき3つの自問自答として、
① 目標を明確に示したか
② その任務を達成するために、十分な資金や材料を部下に与えたか
③ 部下に十分な訓練をさせたか
とある。
これはISOにも書いてあることである。
経営者の責任として方針、目標を明示すること
経営資源の配分をすること
必要な力量を決め教育訓練すること

マネジメントとはそのようなことである。その目的は、負のシナジー効果を出さず、正のシナジー効果を出すことである。
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外論の外:負のシナジー効果(1)

2008-11-23 | ISO外論
厄介なもので組織は放置しておくと、シナジー効果がマイナスに働くことが多い。
良いことは身につけるのに時間がかかるが、悪いことはすぐまねるのは、子供に限ったことではない。

システムも作っただけで運用を人任せに放置しておくと、誰もが全体を考える前に自分に都合のよいように作り直してしまう。中でも自分に責任がないようにする努力は惜しまないという癖があるから、システムは複雑になってくる。責任者に行くまで「たらいまわし」される官僚的システムはすぐにできあがる。
このようなシステムの官僚化、陳腐化を予防するためにISOでは定期的に内部監査してシステムの継続的改善をすることになっている。
これが理解できてない。
内部監査員も自分の責任を回避する。
監査後に経営者にレビューすることになっているが都合の悪いことは報告されない。
これではシステムが良くなるはずはない。

「仏作って魂入れず」という言葉があるが、魂のない人が仏を作るので、うまくいくはずはない。
性善説、性悪説という区別があるが(個人的にはこの二元論はきらいである)最近の日本を見ていると、人間の本質は悪であるような気もする。

どのようにして負のシナジー効果を防いだらよいだろうか。
システム作成の前に正しい現状把握をすることが肝心である。
正しいという意味は結論も目的も持たずまず現状をよく見ることである。
虚心坦懐に、すなおな子供のような目でというのが現状把握の態度である。
大人になると目が曇る、だからチェックリストを作り現状把握しようとする。
それもいいが、曇った眼でチェックリストを作ってはならない。

次に現状のシステム、それには習慣、組織の文化、文書になってないが暗黙の了解の類のものまで含めて全体を見ること。
そのうえでシステムに問題があるのか運用に問題があるのかを整理する。
特に運用の問題はシステム作成後も対策をとる必要があるため見落としてはならない。

この段階でシステムを変えなくても運用を変えればよくなることのほうが多い。
ISO推進者はあえて文書を作らないほうがいいことが多い。

さて何をどう運用するかは、明日にまわしたい。
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外論61、高シナジー経営

2008-11-22 | ISO外論
良い部品を集めて組み立ててもよい製品ができるとは限らない。
これと同様に、優れた人がいるだけでは、よい会社になるとはいえない。
悪い部品より良い部品がいいに決まっている。
組織には優れた人がいるにこしたことはない。

このような常識の範囲内で、製造工程の管理や経営をするからうまくいかない。
普通、良い悪い、優れているか否かを考えるとき、グレードで考えている。
部品を購入するときの方針、人に関しては採用方針や人材育成方針で大まかなグレードを決める。

当然、方針は予算を伴うが、予算をどう設定するか、予算内でどう努力するかなどが、品質に関係する。
多くの経営は大まかなグレードが検討されるだけで、その中身の品質までとわれることはない。運が良ければほめられ、運が悪ければ怒られる。
子供の成績と同じである。
グレードから一歩前に進んで品質について、きめ細かに考えることが品質管理である。

もう1つ、別の視点から考えたい。
自動車会社のような組立て会社はなぜ利益をあげているのか。
組織やシステムを作成する目的は何か。

組立て生産の付加価値を考えると同じように、人や技術、情報を組織化して付加価値をあげるため、システムはどのように計画され管理されなければならないか、考えたことはあるだろうか。

1+1を2にするためには、システムはいらない。
個々の能力以上の成果を上げることがシステムの必要性である。
システムの目的は相乗効果(シナジー効果)を高めることにある。
当然のこと、システムを運用するのは人間であるから、組織がシナジー効果を上げることを考える必要がある。
そのために何をして、何をしないか。
ISOとの関係で考えたい。

PDCAは循環して新たなステップに高まる。
明日から、また、初めから検討したい。
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外論60. ボトムアップマネジメント

2008-11-21 | ISO外論
トップダウン、ボトムアップという二元論はにがてである。
欧米の組織はトップダウンであるのに対し、日本の組織はボトムアップであるという見方があるが誤りである。
ましてISOはトップダウンで日本流品質管理はボトムアップなどというのは、無茶なこじつけである。

経営は目標を追求する活動だから基本的にトップダウンといえる。
ところが目標と現状のギャップがありすぎて、それを埋めるための経営資源が投入されない限り目標は達成できない。そのために現状把握が必要だが、ボトムアップが機能しないとトップに正しく現状が伝わらない。

イエスマンの取り巻きや、チャレンジ精神のない中間管理者の多い組織では、トップダウンもボトムアップも不十分になる。

双方向ができている組織は問題ない。ボトムアップのみでも組織は長続きしない。
多くの組織はどちらかが不足している組織である。

不足を補う方法に方針管理やQCサークル活動がある。
この活動も双方向が機能しないと長続きしない。
方針の双方向を実践するために、「方針のキャッチボール」を徹底した会社があった。
QCサークル活動も上位者がいつも関心を示し具体的な支援をしないと長続きしない。
上位者がQCサークルの成果の水平展開を行い、成果を拡大することを、QCサークルに対する「お礼」とよんでいた会社があったが、このような会社はボトムアップを実践している会社といえる。

継続的改善は双方向でないと長続きしない。
そのためにはボトムアップを意識して実践する必要があろう。
経営者は現場を歩いて、作業者から現状を良く聞く。ただひたすら聞くこと。おしゃべりが好きな経営者にはつらいかもしれないが、黙々と働く作業者から本音を聞きだすためには聞く態度を崩してはいけない。

現場の改善から経営者は多くを学べるはずである。
「なぜこんなことが、いままでできていなかったのか」と疑問に思うことが多いと思う。
その疑問を現場にはぶつけるな。現場を指導してなかった自分の反省材料とすべきである。

「経営は人なり」と思っている経営者は多いが、自分の人格を磨こうとしている経営者は少ない。
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