ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

革新のリーダーシップ

2006-05-31 | 高シナジー経営
革新を進める3つのこと
Think BIG start SMALL.という言葉がある。
計測器とコンピュ-タのメーカであるHPの考え方、HP WAYである。
全体を大きくとらえ、現実的にできることから実行しよう、と考えたらよいだろう。
大胆細心という言葉もある。特にシステムを考える場合、全体を考えないで、できるとこから詳細に取組むと、アンバランスなシステムになる恐れがある。
革新に取組む時も、リーダーは全体像を頭に描いておきたい。

リーダシップはリーダーだけが持っている特性でなく、メンバーもリーダーの気持ちを理解しておくと、遠回りをしないですむ。
メンバーに心掛けて欲しいことをまとめると、次のようになる。

1. 半歩でも前に進む発想を身につける。
後戻りしないこと。
PDCAをくりかえすこと。
2. できない理由を言わず、できる工夫をすること。
古い殻から抜け出すこと。
リスク、制約条件から現状打破すること。
3. 小さな確信でも大きな情熱で取組む
子供は確信の持てないことには取組まない。
大人は確信のもてないことにも、情熱を持って行動する。そして成功に導く。
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リーダーシップ(2)

2006-05-30 | 高シナジー経営
このリーダーシップの原則をより具体化したのが、ISO/TS16949の6.2.2.4の「従業員の動機付け及びエンパワーメント」である。そこで述べられていることは、リーダーの具体的活動としてのリーダーシップのあり方を示唆している。ISOの規格の中では、珍しく革新的な項目である。

「品質目標を達成し、継続的改善を行い、革新を推し進める環境を創造すること」

品質目標の達成
 組織の目標と個人の目標の差を生めながら、結果として、相乗効果をあげること。
組織の目標は、利益中心の量的目標であることが多い。
個人の目標は、仕事を通じた生きがい(職業生活の質:QWL)であることが多い。
これをどう結びつけるか、組織と人の動機付けに関わる課題である。

継続的改善活動
 顕在化する問題の解決のために、改善活動を繰り返すこと。
飽くなき品質の追求のためには、現場、現実、現状を基本に運営される小集団の活動がのぞましい。その活動が文化になるまで繰り返すことが継続的改善である。個々の問題解決の成果は小さくても、それを水平展開することにより成果を大きくすること。これが管理者(リーダー)の役割である。

革新を推し進める環境を創造すること
 トップダウンとボトムアップの融合を図ること。
重要問題、慢性問題の解析を行い部門間連携を強めること。
強い文化を創ること。
新しい価値観、世界観を手に入れて、大人の組織になること。
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リーダシップ

2006-05-29 | 高シナジー経営
経営書の中でリーダシップほど多くの解説書があるテーマはない。
セミナーの種類も多い。
実際企業の数だけリーダシップ論があるのだから、どれが正しいというのもない。
これに歴史上の人物やスポーツの監督まで含めると、星の数ほどあるといえるだろう。

勉強熱心な人が自分にあった本に巡りあうまで、本を読み続けても、それが見つかる保証はない。
結局、定説はないので、自分が気に入るかだけのことである。

ここ10年以上、P.F.ドラッカーの定義があらゆるリーダーにあうたびに引用したくなるし、参考にしてもらいたいとも思う。

「リーダーシップとは、強い点をさらに強くして、弱い点を無意味にすることである。」

経営学者のドラッカーは世界から皮肉を言われたたかれた、日本の改善(継続的改善)を高く評価して、「改善とは強い点をより強くすることである。」と解説してくれた。そればかりか、ドラッカーの提唱する革新(イノベーション)も強いところからはじめるべきであると説明している。

日本の改善は、始めは弱点の是正であっても、「飽くなき改善」を繰り返すことにより強い点にしてしまうのが特色である。一度きりの是正でごまかすのは改善ではない。

ISOでは(品質)マネジメントの8つの原則にリーダシップがある。
「リーダーは、組織の目的及び方向を一致させる。リーダーは、人々が組織の目標を達成することに十分に参画できる内部環境を創りだし維持すべきである。」

このリーダーシップの原則をよりぐたいかしたのが、ISO/TS16949の6.2.2.4の「従業員の動機付け及びエンパワーメント」である。そこで述べられていることは、リーダの具体的活動としてのリーダシップのあり方を示唆している。ISOの規格の中では、珍しく革新的な項目である。
この続きは明日にしたい。
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責任と愛

2006-05-28 | コラム
責任とは達成すべき目標であり、権限は目標達成のために与えられた条件である。
責任を自覚して目標の遂行のため能力を引き出すのは、リーダーの責任である。
誰でも、大きな可能性、潜在的な力を持っている。

ほんの少しの思いやりと動機付けで、人の能力を引き出すことができる。
このためには、人の気持ちを感じそれに答える能力が必要である。
応答(Response)できる能力(Ability)が責任:RESPONSIBILITYである。

言葉は使い方によっては大きな間違いを冒す。たとえば「自己責任」という言葉、海外で自分の信念と愛のため生命を落としたジャーナリストにむけて「自己責任」という言葉が使われた。投げ捨てるように使われたその言葉に本来の自己責任も愛も感じられない。

もうひとつの責任の誤解は「義務」と同義語として使われることである。
義務は不自由の領域の概念だが、責任は自由の領域の概念である。

さて、責任を考える主体は、「わたくし」にある。責任は自分自身に問いかける言葉である。
自分の権利として自由に目標を設定できるから、自分の責任として自覚できる。
与えられた目標をこなすのは義務であって責任ではない。

ISOを導入しても成果が出ないのは、義務感で運用しているからである。
責任感で運用しているのではない。
このボタンのはめ違いが、多くの問題の元凶である。
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「情けは人のためならず」

2006-05-27 | コラム
ひとに情けをかけると、その結果は自分に戻ってくる、だから、情けはかけるべきだ。
情けをかけると、その人を甘やかすことになる、だから情けをかけるべきでない。
同じ言葉に全く逆の解釈が成り立つように、受け取り方により役に立つ場合と逆の場合がありうる。

先日、協力会社管理を推進するため、2社と打ち合わせが行われた。
ISOの認証取得を検討してほしいという内容である。
必要なことはしなければならないだろうという結論のあとで、このための費用をどう負担するかの話になったとき、2社の反応はまったく逆のものであった。
A社は自社の役に立つことに費用を負担してもらえることはありがたいという考えのようである。B社はそちらの要求ですることだから、費用負担は当然という考えである。

この2社のISOを予測してみる。
A社は自社の役に立つISOになるだろう。
B社は受身でお付き合いのISOになるだろう。

「情けはひとのためならず」である。
お金をどぶに捨てるような無駄はしたくない。
情けをどうかけるかは、むずかしい。
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開発と解析(4)

2006-05-26 | ISO外論
設計開発の品質管理のシステムとして品質機能展開が作られるまでには多くの試行錯誤があった。造船業M社における品質機能展開の誕生までを振り返ってみたい。
品質管理の導入をして5年経って、ある程度のよさを理解してから、造船所の全ての製品部門、生産部門だけでなく設計部門への導入を検討した。全員を参加させるためには、具体的目標と旗が必要であるとの意見が出た。このため、デミング賞にチャレンジしようということになった。

実はデミング賞にも、会社全体を診断するルールはあるが、造船所のような事業所単位の審査のルールはなかった。このためデミング賞委員会に働きかけて、M社の事業所のために新たな制度を作った。この話は、いずれまとめたい。

このように、内側と外部の両面での環境を整備してから、デミング賞授賞のための3年計画を作成した。
はじめの1年は、方針管理を徹底すること。方針管理によって各部門の役割を総点検しようというのが、目的である。
2年目は、各部門及び部門間の連携を強め「総力結集」の成果をあげるため、品質保証を中心とする機能別管理のシステムを導入すること。
そして、3年目にデミング賞に向けた準備をしようという計画を作成した。

方針管理の目的は、造船所の所長の方針を現場の作業長クラスまで展開して、全ての階層の管理者が自分の仕事の目的を理解して、PDCAの管理が出来るような管理の計画(管理項目)を作成し、管理できるようになること、とした。

その基礎を1年間徹底してから、2年目に品質保証システムの構築に着手した。
その段階で生まれたのが、要求品質表やQA表である。
これらは、努力の結晶である。

工夫して開発した会社は意味が理解できているが、形のみ真似しても、似て非なるものになりかねない。形を学ぶときは、心も学んでほしい。
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開発と解析(3)

2006-05-25 | ISO外論
良いシステムは自ら成長する。
システムは機能、インプット、アウトプットで成り立つ。インプット、アウトプットは情報であるが要求品質表やQA表のように目に見える帳票であることが望ましい。

システムをフローチャートで表すことが多い。
自動車産業などでは品質保証体系図や、運用のため、機能(品質保証項目)、インプット、アウトプットを整理した品質保証活動一覧表がつくられている。

これらの体制整備の段階で、QC工程表 作業標準書も加えられ、設計から製造現場まで品質を中心とした帳票でシステムがつながる。このことは大きな進歩である。これらのシステムを始めて完成させた技術者たちは、トンネルの出口まで掘り進み、光を見たように感激したものである。先駆者の苦労の末に得られる感激に比べれば、今のISOでのシステム整備はまことに無味乾燥である。

さて、個別受注生産の造船業は、一船ごとに、建造大方針という方針を作成し、進水式を向かえ、工事反省会で終了する番船管理というサイクルがある。このサイクルが品質方針の伝達でより的確に運用されるため効果が出るのは、当然のことである。
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開発と解析(2)

2006-05-24 | ISO外論
悩みや原因は元にさかのぼる。
製造に対する伝達手段として、図面と同時にQA表を作成した設計者は、自部門の問題点として、顧客要求の変化とその予測を考えた。個別受注生産とはいえ、顧客の要求を何でも聞くだけでなく、自社の得意な技術も売り込んでほしい。そこで、標準仕様を作成して、営業に売り込んでもらうことにした。

標準仕様とオプション仕様に分類して、顧客の要求がどの項目に集中しているか、オプション仕様としているものも、多くの顧客から要求のあるものは、標準仕様に加えた方が良いなど多くの問題が顕在化した。

顧客要求の解析のため、要求品質を明確にして、なぜそれが要求されるのか、目的や顧客にとってのメリットは何かをまとめることで、要求品質表が誕生した。同時に何が顧客が強く要求する項目なのか、顧客は具体的に要求しないが、製品としてなくてはならない特性は何かなども明確になった。後にISOで、明示の要求、黙示の要求(暗黙の要求)といわれるものは、このときすでに体系化されていた。

また、最近顧客の要求が増えてきたものや他者に会って自社に不足しているものは、要求品質表を重み付けし、他社の製品の比較をすることにより明確になってくる。
このような現在不足している技術は、個別受注のプロセスで対応するのでなく、常日頃から研究開発すべき項目である。このような技術マップも要求品質表を基に作られたものである。

品質表は簡単な道具であるが、使い込んでいくと、いつも手元に置いておく道具に成長する。品質機能展開はこのようにして、開発され個別受注産業のみでなく、多くの産業で使われるようになった。
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開発と解析(1)

2006-05-23 | ISO外論
開発に解析の考えが必要なことは言うまでもない。
1970年のはじめ、個別受注生産の代表である造船業に品質管理が導入された。
当然のように設計開発の技術者は品質管理というと標準化して自分達を枠に閉じ込めるようなマネジメントというイメージがあり、反対する者が多かった。

そこで、品質管理の必要性を理解している製造担当者に設計段階の問題点を指摘してもらった。個人の指摘はしないという約束であったが、製造としては、設計者による品質のバラツキが多いのに苦労していた。ある製造の管理者に至っては、設計者の従来の問題点を記録してあり、誰が設計した時はどのような問題があるか予測できるようになっていた。
このような、ブラックリストがあるから、問題は最小限に押えることができるというわけである。

それでは、いっそのこと、図面と同時にブラックリストもアウトプットしてもらったらどうだろうか、という多少皮肉を込めたアドバイスに、それは面白いと若い技術者が飛びついた。設計の技術者と打ち合わせを繰り返し、図面の見方を理解してない製造担当者に自分の図面の注意点をリストアップすることにした。

図面の重要なところはどこか、製造の時注意することはどのようなことか、などを書いたこの注意書きに、多くの設計者が協力し工夫がされた。
さすがは、設計者である。実にスマートな帳票ができあがった。
後にQA表といわれた帳票はこのようにしてできた。
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ボトムアップで必要なこと

2006-05-22 | 高シナジー経営
報連相というが、上司は一人、部下は多数のためタイミングをはずすことが多い。
報告と連絡は最近では社内メールで済むが、相談はそのような訳にはいかない。
相談したいとき、タイミングの合わないことが多い。
このような時、上司が何を考えているか理解できていると対処できることがおおい。

信頼関係があるのと、ないのでは緊急時に差がでてくる。
組織は安心と信頼でできているのである。

報連相は信頼関係のできてない段階で必要なことかもしれない。
それまでは、上司の方から積極的対応が必要である。
報連相だからといって、部下からのアクションを待つ必要はない。

以前、ある会社で管理者の最優先事項として、部下のOJTをあげていた。OJTのスケジュールが作成され、それが変更されず守られていた。
管理者の姿勢を示すものとして大切なことである。
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