ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

外論40、作業標準書

2008-10-23 | ISO外論
ISOの日本語を読んでいると時々理解できないことが書いてある。
ISOと日本規格協会の間に結ばれた翻訳協定の制約により日本語にうまく訳せないのかとも思うが、どうも欧米と日本の品質文化の違いと考えられる。
もっとも最近は日本にも欧米流の品質管理が入ってきたため、品質二流国に成り下がっているのだが。

ISO/TS 7.5.1.2 品質に影響する作業に従事する従業員の作業指示書を作成すること。
職場で利用できること。

「職場で利用できること」はあたりまえのことである。また従来の日本流品質管理では、作業者の改善が作業標準書の作成に役立っている。少し極端な表現をすれば、作業者が参画して自分の作業標準を作っているから、標準を遵守できるのである。

最近は全てが分化、枝別れしていて、コントロールプランも作業標準書も製造現場で作らず、専門スタッフが作る。力のない人は必要なこと以外も書いておく。何が本当に必要か理解してないで書く。何回も強調しているように、目的指向、問題指向、重点指向である。
これができていないで、作業標準を書く。
だから、製造現場では積極的にそれらを遵守しようとは思ってない。
これが不良の増えた原因でなければよいのだが。

さて、欧米流の品質管理の優れたところは、作業指示や作業標準を作るスタッフの能力の優れていることである。
能力のある連中が作り、それを徹底的に教育する。
日本向けのISOに追加することは、作業指示書をつくるスタッフを徹底的に教育すること、及び作業指示書の現場への教育訓練を徹底することである。
作業標準は文章でなくても良い。写真や漫画、イラストのほうが直感に訴えやすい。

最近の製造現場は国際的になり、製造部門に海外労働者や派遣社員が増えた。
これらのメンバーにいかに早く仕事を覚えてもらうか教育訓練する必要があるが、その方法のひとつとして、管理技術である改善を教えることが大切である。
これは、現場第一線から現状の問題点をボトムアップするためにも重要である。

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1 コメント

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Unknown (デキナイ監査員)
2008-10-23 11:24:39
先日、棚卸資産管理(実地棚卸)を監査してきました。その中で、経理規定から始まり要領、作業標準にんたる一連の文書で、文書どおりに作業がおこなわれてない点が多々あった。指摘をすると、課長補さんいわく「棚卸要領に書かれていることはお勧め事項であり必須事項ではない」と…

さらに監査室に持ち帰って、今回の件や、その他発見された不適合を言うと、当社はそこまで至っていない、文書に書かれていることは理想であり、理想論ばかり言うなと…監査室長に指摘されました。

不適合の表面的なところ(文書の間違いを訂正するような指摘)を直しても問題解決にならないから、もっと大局的にプロセス全般を見ないといけない(なぜ文書に漏れたのか?文書はどういう視点で記載するのか?誰のために書くのか?下位工程の有益な情報になっているのか?QMSに問題がある)のではないでしょうかというと、君は飛躍しすぎると…細かい文書さえできていないんだから、そんな大きな指摘をしたってだめだと…

文書作成とはなんなのか?そういった啓蒙活動もしていこうと思っております。当社の監査室は閑職的でありますが、地道な啓蒙活動をあきらめないでいこうと燃えております。

ISOの内部監査と監査室の内部監査は、よく違うものだと言われています。自分でもまったく同じではないですが違うものっぽい考えは持っていました。でも、ISOについて勉強すると、同じ違うを比較するレベルではないのではと思い始めています。

ISOというQMSを使って監査室の監査もマネジメントすれば、ISOの内部監査になるし、"ISO業務"のようにISOを扱えば、ISO内部監査なる業務が一人歩きし、違うもののように見えます。

ISOのQMSを使って監査を実施するかしないか?それだけの違いのような気がしています。間違っているのでしょうか?

この前、環境ISO維持審査員に監査室の監査とISO内部監査は違うんですか?と質問されました。室長は視点が違うと言っており、審査員も納得していた様子です…
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