ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

品質文化をつくる

2009-04-30 | ISO外論

昨日で52のポイントが終わった。
1週間に1項目を実践していけば、1年、52週で終わる。そんな単純な考えから、52のポイントを整理した。
この連休で検討し新たな52項をスタートさせたい。
それまで、その時々に感じたことをまとめる。

異文化交流は難しい。
「始めに言葉ありき」で始まる聖書を生活の基本におく文化と、話さないでも心は通じると思っている文化では、多くの違いがある。
ISO以前から品質管理にかかわっている人とISOで品質管理を知った人では、品質管理に対するとらえ方が違う。

クレームや不良をなくす活動から品質管理を文化のレベルまで高めた日本と標準や文書を重視する欧米とでは、考え方が異なる。
ISOに改善の考えを入れるように主張した日本の提案を理解してもらうまでに時間がかかったようである。
いまでも、継続的改善という言葉は入っているものの、内容はあいまいである。

ISOにどう取り上げられるかは別にして、いまの日本の安全や品質の問題を解決して、日本が品質管理で再び国際貢献できるようになるには、継続的改善という活動を産業全体で実施することであろう。
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52.ビジョン

2009-04-29 | 継続的改善52
ビジョンをトンネルの出口の光と説明した人がいた。
いま足元が混沌として危険でも、光に向かって進む勇気をあたえてくれる。
たとえ今は、かすかな光りだろうと、近づけば体をつつむような暖かい光りがあるのは、大いなる希望である。
誰もがその光りを経験していて、それを覚えている筈である。
感動したり、恋をしたり、人生を熱く語り合ったりという経験は、人を豊かにする。

ところが仕事に関してはビジョンを見出せない。仕事ばかりか生活についてもビジョンを見出せない。仕事と生活を簡単に割り切っているのは、仕事のなかでの熱い経験がないからだろうか。ストレスが熱い気持ちを無くすからだろうか。
子供の頃から、なんでもすぐ手に入る環境にあるから、欲しいものを我慢して待つ心が育たない。手に入れるための時間が心の虚しさを知るきっかけを作り、人を大人に成長させる。「お金を儲けることは悪いことですか」と居直り「お金で何でも買える」と自分を正当化した人がいたが、大人になりきってないのだろう。

心理学者E.フロムが指摘するように「人間というシステムは、物質的な欲求だけが満たされて、生理的な生存が保証されても、人間独特の欲求や能力――愛、思いやり、理性、喜び、など――が満足させられなければ、本来の機能を発揮しない」ということであろう。
最近起きている事件や企業の事故から、いじめに至るまで共通するのは、人間としての発達障害である。

お金で買えるもの所有できるものだけに価値を見出すのでなく、「いまここに」ある自分を受け入れる気持ちが必要である。
その自分における変革のためには、人間も脱皮しなければならない。職業生活における生きがい:QWL(QUALITY OF WORK LIFE)を追求する自由と希望がなければならない。
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51. 高シナジー経営

2009-04-28 | 継続的改善52
良い部品を集めてもよい製品ができるとは限らない。
これと同様に、優れた人がいるだけでは、よい会社になるとはいえない。
優れたシステムや組織には多少問題がある部品や人を集めても当り前のものを作る能力がある。
これがマネジメント力である。

普通、良い悪い、優れているか否かを考えるとき、一定の水準・目標で考える。
部品を購入するときの方針、人に関しては採用方針で大まかな目標が決まる。
当然、方針のあるところには予算がある。予算内で最大の成果をあげるためどう実践するかが、出来栄えと言う品質に関係する。

このように、方針、目標から一歩前に進んで品質について、きめ細かに考えることが品質管理である。

別の視点から考えたい。
自動車会社のような組立て会社はなぜ利益をあげているのか。
組立て製品の価値は部品の価値に影響される。
製品の価値を上げるためには、良い部品を少しでも安く買うことが大切である。しかし、力任せの部品購入は部品メーカーの利益を圧迫するので、長続きする方法ではない。

長続きするためには、部品メーカ-と組立てメーカーの共存共栄を図れる方法が検討されなければならない。
まず重視すべきは、技術力である。

以前ある部品メーカーで自動車メーカー各社の図面を見せてもらったことがある。
ほとんど同じ部品を注文するのに、図面に要求される内容がことなる。もし図面の要求に従って製作したら、2から3倍のコストの差が出てくるという。
さすがと言えるメーカーの図面はシンプルでおさえどころが明確に指示されている。
品質管理しやすい図面はコストも検討された図面である。

次ぎにシステム力である。
付加価値を考えると同じように、人や技術、情報を組織化して付加価値をあげるため、システムはどのように計画され管理されなければならないか、考えたことはあるだろうか。
1+1を2にするためには、システムはいらない。
システムの目的は相乗効果(シナジー効果)を高めることにある。
いまはシステムと言うとISOである。ISOがはじまって以来、メーカーからの監査がふえている。バカの一つ覚えのように監査を繰り返すが得られる効果は少ない。
売り手と買い手が腹を割ってお互いに何をしたいのかをまず決めるべきである。その後ISOを利用するなら良い。「始めにISOありき」はそろそろ卒業すべきである。

最後に改善力である。技術もシステムも継続的改善という実践がないと陳腐化する。
そして、継続的改善という活動がシナジー効果の源泉であることを理解すべきであろう。
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50. 強い文化を創ろう

2009-04-27 | 継続的改善52
何年か感じていることがある。
その危機はますます強くなるばかりで、変化の兆しが見えない。
国全体が狂気に向かって突き進んでいる。

かすかな希望は、このような危機感を感じている人がいて、変化が起きるだろうという漠然とした感覚である。
混沌とした暗いトンネルを抜け出し、パラダイムシフトが起きるためには、多くの人が危機感を共有化し、ビジョンに向かって一歩踏み出すことが大切である。

退化する日本の品質文化を総括すると、まず、高度成長の自信が、日本人を高慢にしたことである。
人をだめにするには、おだて続ければよい。
特におだてに弱い日本人は、それまでの、ひたむきな努力をやめ、バブル後遺症ともいえる経済成長というバブルの夢のなごりを目的とした生活に切り替えた。人が経済的安定を求めることは間違いではないが、経済格差の拡大は避けるべきである。

謙虚な日本人が高慢になり、経済格差が拡大する方向での、たてまえとしての品質が、品質文化をおかしくしている。

つぎに、ものづくり現場の欧米化である。
国際化の名の下に、なぜ、レベルを落とさなければならないのか、理解できない。
国際化とは、しっかりした文化を持ち、海外から尊敬される国になることで、国際貢献することではないのか。
従来の品質文化を捨て、なぜ国際標準に切り替えなければならないのか、理解に苦しむ。
しかも、レベルダウンというおまけ付きまで必要なのか。
国際化のための規格戦略の間違いである。

継続的改善活動という現場、現物、品質中心の活動を再構築することと思う。
ISOは製品実現プロセスを中心としたシステムである。
製品実現とはいかにも英文を翻訳した言葉だが、日本語に直すと「ものづくり」になる。日本には古くからものを大切にする文化があり、ものづくりの名人、職人芸を尊敬する気風があった。その点、設計と製造にはっきりした格差のある欧米の文化とは対照的である。その日本が欧米と圧倒的な力の差を見せ付けられたのは、戦争であり戦後の輸出製品に対する返品の山であった。

この現状を打破すべく産学協同で品質管理の研究に取組んだグループがあった。
戦後、壊滅的打撃をうけた日本が立ち直るためには「ものづくり」しかない。
もともと資源の少ない日本が戦争で資源を使い果たしたので、海外から原材料を輸入して製品に仕上げ海外に輸出する。クレームによる返品は最大のむだである。品質を良くしないと日本は生き残れないと考えた。その試みは、成功への確信より危機感のほうが強かった。品質管理を勉強するうちに危機感は希望に変化した。希望は情熱になり品質管理という活動となった。

当時JHQのスタッフとして来日していた統計学者のデミング博士に日参し講義を依頼した。日本人の情熱に動かされたデミング博士は講義の冒頭に全社で協力し品質をよくする活動の根底に「燃える情熱」がなければならないことを話した。日本人の情熱に動かされデミング博士の講義が続いた。講義には当時の多くの企業の技術者や経営者、学者などが参加した。用意された講義料をデミング博士は受け取ろうとしなかった。「日本の産業の発展に役立てて欲しい」という博士の友情を基金としてデミング賞がつくられた。

この講義に関係した不思議がある。
全社で協力して品質を作り上げる概念をデミング博士は恩師シューハート博士の考えをもとにデミング博士の哲学を加えてシューハートサイクルと名付けた。
その講義から多くの示唆を受けたある日本の学者がPDCAというサイクルとして、デミング博士の経営哲学を紹介した。いまいわれるPDCAである。当然のことデミングサイクルと名付けられた。これらの根底には国を超えた三人の学者の師弟関係と友情がある。

これが日本に品質文化の根底にあることを誇りに思う。
最近表面的な国際化と個人の利益を追求するあまり日本の品質文化が消えつつある。
日本の生き残る道はどこにあるのか少しの洞察力と想像力を働かせればわかることである。
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49.継続的改善から革新へ

2009-04-26 | 継続的改善52
改善するためには、問題点の原因を調査して、原因の除去や原因の影響をなくすことが必要であるが、原因がわかっても制約条件のため対策が取れないことがある。このような問題は原因と直接関係する上位者や他部門を改善する気にさせないと解決しない問題である。

上にたつものは部下の問題を感じとり進んで解決すべきである。責任とはRESPONSE:感応できるABILITY:能力である。ところが上位者が自分の責任を遂行しないですむことを経験すると、それで済まそうとする楽な習慣が定着してしまう。部下が問題解決をする支援や指導をすることが上位者の責任なのだがその責任を放棄したシステムができてしまう。部門間という横の壁と同様に上下間の壁は組織をだめにする。官僚化したシステムが組織をだめにする元凶である。
組織全体で改善に取り組んでないとこのような問題は解決できない。

部下に問題解決を任せて、自分の問題を放置していると、問題は潜在化、慢性化する。慢性化され習慣化されると、解けない問題が蓄積され誰も手がつけられようになる。悪い習慣はそのようにしてできる。相乗効果は良い方に対してだけ起きるのでなく、負の相乗効果の方がスピードがある。
「悪貨は良貨を駆逐する」である。

革新が必要なのは、慢性化され悪い習慣となったことに対してであり、組織における継続的改善の欠陥に対してである。
「継続的改善、品質目標の達成、革新の為の環境の創造」を結びつける総合的活動を検討する必要性がある。
いつも忘れられていることだが、革新に一番重要なことは、上級管理者の教育である。
上位者が進んで教育を受けなければ部下も熱心になれない。
多くのマネジメントの本は、上級管理者が良く理解していることを前提に書かれている。
しかし、この前提が間違いであることが多い。

教育というとおこがましいので、事あるごとに報告して確認やレビューすることを習慣づけるよう提案したい。いわゆる双方向のコミュニケーションを活用する。
中でも重要なのは、戦略的な新製品開発におけるデザインレビューや品質評価など開発の各段階の区切りで行われる活動に参画してもらい意見を述べてもらうことである。この前段階のプレゼンテーション、後段階のレビューが大切である。

多くの上級管理者は自分の力を過大評価しているから、人の話を聞こうとしないことが多い。戦略的意思決定の場に立って、責任のある意見を述べてもらうことが大切である。

上位者は組織の風通しをよくするため、トップダウンとボトムアップの双方向を実践すべきである。
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48. ボトムアップマネジメント

2009-04-25 | 継続的改善52
トップダウン、ボトムアップという単純な二元論は誤りである。
たとえば、欧米の組織はトップダウンであるのに対し、日本の組織はボトムアップであるという見方があるが正しくない。経営は本来トップダウンであるがこれにボトムアップも加えようとしたのが日本流の全員参加による経営である。方針管理、トップ監査などはトップダウンの不足を補うために考えられたことである。

言葉は恐ろしいもので、一度ボトムアップと言う言葉が生まれるとその反対のトップダウンと対比して考える。対比し出すとどちらかが正しく一方は間違いと言う結論の出るまで繰り返される。間違った二元論、弁証法は危険である。

経営は目標を追求する活動だから基本的にトップダウンといえる。
ところが目標と現状のギャップがありすぎて、それを埋めるための経営資源が投入されない限り目標は達成できない。そのために現状把握が必要だが、トップ監査は経営トップが自ら現状把握するためにおこなう。ボトムアップが機能しないとトップに正しく現状が伝わらない。
イエスマンの取り巻きや、チャレンジ精神のない中間管理者の多い組織では、トップダウンもボトムアップも不十分になる。

組織をいくつかのパターンに分類してみよう。
トップダウンとボトムアップの双方向のできている組織。
トップダウンのみでボトムアップの不足している組織。
ボトムアップのみでトップダウンの不足している組織。
双方向ができている組織は問題ない。ボトムアップのみの組織は長続きしない。
多くの組織がどちらかが不足している組織である。

不足を補う方法に方針管理やQCサークル活動がある。
この活動も双方向が機能しないと長続きしない。
方針の双方向を実践するために、「方針のキャッチボール」を徹底した会社があった。
QCサークル活動も上位者がいつも関心を示し具体的な支援をしないと長続きしない。
上位者がQCサークルの成果の水平展開を行い、成果を拡大することを、QCサークルに対する「お礼」とよんでいた会社があったが、このような会社はボトムアップを実践している会社といえる。

いずれにせよ継続的改善は双方向でないと長続きしない。
そのためにはボトムアップを意識して実践する必要があろう。
日本の経営はボトムアップであると言う誤解にわるのりして、ボトムアップマネジメントというコンセプトで品質管理をまとめてみようと考えている。
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47. マネジメントと人の問題

2009-04-24 | 継続的改善52
ISO/TS16949 には、従業員を動機付け活性化するプロセスを持つこと、との要求事項がある。継続的改善を行うこと。品質目標を達成すること。革新を行う環境を創造すること。これらの動機付けと活性化のプロセスをもつことが要求である。

保守的なISOで「革新」という言葉が出てくるのは、ここぐらいである。
ISOは顧客と約束することを前提とした文書であるから、確実に実行できること、実行していることしか書けない。ISOの認証取得の難しさは今後したいことを文書にできないことである。これが、手かせ足かせになり、革新と程遠い消極的な対応しか出来なくなる。
この危険性はいくら強調しても強調しすぎることはないが、現実には多くの企業がこのわなにはまっている。

このような消極的で静的なプロセスから脱皮するためには、ダイナミックな活動を中心としたプロセスが必要である。
このひとつが、動機付けと活性化のプロセスである。
品質目標を達成する活動をおこなうこと。
継続的改善という活動をおこなうこと。
従業員一人一人が革新に主体的に取組めるように意識を変革すること。

品質管理の活動の基本はPDCAというデミングのサイクルである。
このPDCAはダイナミックな活動そのものである。
品質目標のPDCA。
継続的改善のPDCA。
革新を行う環境を創造するPDCA。

活動の良さはトップダウンとボトムアップの双方向なことである。
双方向だとそこから新しいものが生まれる。

どのような「教育」が動機付けに役立つ教育なのだろうか。
教えるものと教えられるものが固定している教育では双方向になりにくい。
OJTといわれる現場教育は、教えるものも学びながら教えるので、共に成長することができる。その意味からも、現場教育、実務教育は継続的に進めなければならない。
継続的改善のためには継続的教育が不可欠である。

革新を行う環境をどのように作るかは、革新を行う品質目標がなければならない。
革新を目指した継続的改善がなければならない。
いま日本のものづくりの現場は顕在的、潜在的にかかわらず多くの品質問題をかかえている。現場の第一線が派遣や外国人労働者に占められ、品質目標の展開、継続的改善の実施、革新のための教育などできる環境ではない。それだからこそ、現場第一線からの革新が必要である。ISOのようなしくみ作りも大切だろうが、なりふり構わず革新することも大切である。そのための材料はどこにもころがっているのだから。
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46. ハイリスク・ハイリターン

2009-04-23 | 継続的改善52
リスクとは「海図なき航海」を意味するポルトガルやスペインの言葉が語源だそうである。当時の冒険家はリスクを承知で敢えて大海にのり出した。地球の果てに行くと海が滝のように落ちていると信じる船員を説得しての冒険である。不安と新しい発見、名誉を得ることへの期待で冒険を繰り返した。そのためにできる限りの準備も惜しまなかった。スポンサーは国王や貴族であるが、成功すれば、新しい植民地や貿易の拠点が開発できる。そのようなものが、リスク管理の本質である。

何回も繰り返すが、品質問題において目に見える部分は氷山の一角である。
海面から出ている部分は顕在問題、海面下の次の層は慢性問題、一番底の部分をリスクゾーンと名前をつけたが、潜在的で組織によってはタブーや制約とされている分野である。大人の社会では不要な規則や規律があり、品質管理で言う管理でなく自主性を尊重しない統制という管理があり、あきらめと否定形の企業文化があり、裸の王様がいる。
ISOや最近流行のコンプライアンスも運用を間違うと、元気のないネガティブな文化をつくる。ISOで実力以上のシステムを作り、監査のための帳尻合わせをおこない、コンプライアンスで内部告発を恐れるあまり秘密警察網を作れば成長しない組織の完成である。

このようなリスクゾーンは組織が成長する過程で負の遺産として蓄積される。そのため定期的にリスクゾーンから現状打破することが必要である。PDCAや守破離といわれる活動は人間や組織が精神的に脱皮するため必要なプロセスである。そのためにこそ継続的改善を活用しよう。


成功することがわかりきっていることへの投資は、リスクといわない。
最近本業を離れバーチャルな資金運用に夢中になる経営者が増えて社会問題になっている。成功する確率に投資するのは、ベンチャーキャピタルの仕事である。
前向きな経営者は確率や保証よりむしろ情熱に投資する。自分がどれだけ熱くなれるかに賭ける。成功する経営者は冒険家の心を持っている。
ハイリスク・ハイリターンに挑戦する勇気と楽しみを持っている。 

開発:developmentの意味は、囲まれた領域(velope)から外に(de)でることを意味する。以前、ある教育学者と人間の成長モデルについて研究したことがある。彼は欲求の段階や自己実現の研究で有名なW.マズローの直弟子で、人間の意識の進化についての研究をしていた。

人は生まれながら大きな能力と可能性をもっているが、成長の過程で多くの制約条件を学習させられるため、能力が限定されてくる。
成長するためには、その制約から外に飛び出し、新しい領域を手に入れることで能力を身につけていく。

人間も成長するためには精神的に脱皮しなければならない。最近大人が少なくなった。
大人の企業も少なくなったように思う。現状打破や脱皮を経験せず体だけ大きくなったからである。
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45.パラダイムシフト

2009-04-22 | 継続的改善52

現状打破、経営革新とは、従来の殻を破ることである。

人間の成長について考える。
人は生まれながら大きな能力と可能性をもっているが、成長の過程で多くの制約条件を学習させられるため、能力が限定されてくる。
「これをしてはいけません」「なかよくしなさい」「自己主張ばかりでなく控えめにしなさい」という類のことである。
成長するためには、その制約から外に飛び出し、新しい領域を手に入れることで能力を身につけていく。

人間も成長するためには精神的に脱皮しなければならない。
最近大人が少なくなった。
大人の企業も少なくなったように思う。
現状打破や脱皮を経験せず体だけ大きくなったからである。

何回も繰り返すが、問題という氷山を考えてみよう。
海面から出ている部分は顕在問題、海面下の次の層は慢性問題、一番底の部分をリスクゾーンと名前をつけたが、リスクゾーンは潜在的で組織によってはタブーや制約とされている分野である。大人の社会では不要な規則や規律があり、品質管理で言う管理でなく自主性を尊重しない統制という管理があり、あきらめと否定形の企業文化があり、その頂点に裸の王様が君臨している。

ISOや最近流行のコンプライアンスに対する対応も運用を間違うと、守り中心の元気のないネガティブな文化をつくる。ISOで自由度のない守りのシステムを作り、コンプライアンスで内部告発を恐れるあまり秘密警察網を作れば成長しない組織の完成である。

このようなリスクゾーンから現状打破しよう。
精神的に脱皮しよう。
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シナジー効果をあげる継続的改善

2009-04-21 | ISO外論
日本の改善活動を高く評価したのはドラッカーであるが、「改善とは強い点をより強くすることである」と解説した。弱い点を直すことが改善であるが、それを繰り返すうちにいつの間にか強くなっているのも改善である。ドラッカーはPDCAを繰り返す改善を継続的改善活動と理解したうえでの解説である。
時代を洞察する人の本質をとらえた言葉である。
そのドラッカーが「マネジメントとは強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである」といっている。

いまの日本どこかおかしい。
弱みが発揮され、強みが無意味になっている。
もともと日本人の発想は否定的と言い切る人もいる。
その説を100%賛同することはできないが、アメリカ人のおおらかさを見ていると、日本人が悲観的であるのもうなずける。
ただこれを何とか治したいとも思う。

あなたの組織の強い点、優れた点はなんですか。
または強くしたい点、改善したい点はなんですか。
その強さをますます強くする工夫や活動がありますか。
強さを顧客や社会にどのようにアピールしていますか。

人間は自分の強さを自覚してないことが多いが、組織も強みを自覚してないことが多い。
強さを自覚してないから、ますます強くするための工夫や活動にも気付いてない。
スポーツの一流の選手は一流の目標を持っている。
当然一流になりたいという夢を持つのは大切だが、環境や愛情を持って育てる人がいなくては、努力が継続しない。

教育、方針、目標、継続的改善などは優れた経営の道具であるが、強くしたい目標と目標達成の気構えがなくては何も生み出さない。
デミングのサイクルでは、品質に関する情熱と責任感をベースにPDCAという継続的活動が繰り返される。

まず、現状の組織の強い点を自覚できる人を育てること。
強くしたい点を発見し継続的改善をできる人を育てること。
それらの人を中心として組織にシナジー効果(相乗効果)をあげるため継続的改善活動にとり組む必要がある。
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