ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

外論54. 継続的改善

2008-11-14 | ISO外論
8.5.1:品質マネジメントシステムの継続的改善を次のような手段と機会を活用して行うこと。品質方針・目標の展開と管理、顧客の要求への対応、是正、予防処置、監査およびマネジメントレビュー、製造工程の管理など。

ISO規格全般を見ると、文書化、システム化は詳細に規定し、8の「測定、分析及び改善」になると大雑把になる。やはり改善というダイナミックな活動まで規格にすることに無理があるようだ。当然のこと、継続的改善という実践的活動においては企業文化や特殊性を活かすべきであり、規格で規制すべきものではない。ISOで取り上げるのは間違いである。
ISO批判は別に譲るとして、継続的改善は繰り返し実施しないと組織が形骸化、陳腐化する。その意味でも継続的改善は必要である。

改善は弱い点を是正することであるが、「強い点をさらに強くする」ことも大切である。
このためには、改善結果の成果の水平展開や技術的、システム的に強い点を組み合わせて、さらに強くすることを考えなければならない。

本来、このようなことにシステムが必要になる。
従来結びつきを意識してなかった組織をシステムに織り込むということは、従来以上の力を出すことが目的である。人間の手足も神経や脳が機能してないでばらばらに動いていても役に立たない。脳や神経というシステムがあってすばらしい動きをする。このように個々の機能以上の働きをすることを相乗効果、シナジー効果という。システムが必要なのはシナジーをあげるためである。
ただし、システムも放置しておくと形骸化、陳腐化する。
本来部分である手足が暴走し自分の都合の良いようにシステムを変える動きをする。自分の責任を回避するため責任を細分化させると、「責任のたらいまわし」のような官僚的システムになる。ISOでシステムの継続的改善を要求するのはこの点にある。

部門間の壁をなくしベクトルを統合させること、新たな品質文化を作り上げるために従来の障害を取り除くこと、相乗効果:シナジー効果をあげること、などを考えてシステムの基盤整備を行うことが大切である。
ISOの認証取得などはそれができるまたとないチャンスのはずであるが、そのようなことを考えていない。

その目的を達成してないシステムは、文書やフローチャートを書いた段階にすぎない。
継続的改善という実践活動でシステムを活用し生かすことが大切である。
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