7.6の補足
「品質は工程で作りこむ、検査でつくるものでない」という言葉がある。品質管理といえばまず検査と考えていたのは品質管理が始まる以前のこと、不良やクレームを出口で防ぐだけでは完全ではないことを理解してから、工程で「品質を作りこむ」という新しい考えに変わった。
品質管理のようなマネジメントの技術も社会環境や現状の問題に応じて進化すべきである。
最近、品質に対する危機意識がなくなり品質管理が現状に合わなくなっている。同時に、品質管理技術者もISOのような標準を守ることだけ考えて、現状打破する気持ちや創造性がなくなったようにも思える。これが残念でならない。
検査の目的は、次のように整理できる。
① 規格に適合しない不良品が次工程や客先に引き渡されないように確認する。(狭義の検査機能)
② 不良品を作らないように予防する。そのために検査結果を設計、製造にフィードバックして、前工程で不良が出ないような管理をする。(予防機能)
③ 品質の現状を経営者や関係部門に報告する。この報告をもとに品質方針を設定し、維持、改善の計画を作成する。(評価機能)
検査の基本は①であるが、そればかりしていても不良は減らない。②、③へも仕事をシフトさせるべきである。②と③を管理検査あるいは検査管理とよぶ。
顧客は検査が正しく実施されている企業を希望するが、製造での不良を水際の検査でかろうじて抑えているような企業は歓迎しないだろう。そのような企業はいつ不良が流出するかわからないからである。また、品質管理に詳しい顧客になると「検査より管理」という考えが強くなる。
品質管理にかけるコストに、品質コストという考え方がある。
概念であるから、細かく計算する必要はないが、次のようなものである。
不良、クレームなどの損失コスト(Failure cost:Fコスト)を減らすために、評価や検査などの評価のコスト(Appraisal cost:Aコスト)と品質管理を実践する予防の活動のためのコスト(Prevention cost:Pコスト)を使うこと。
多くの場合、損失は評価や予防のコストよりかかっているから、品質管理の必要性があるわけだが、これが理解できてない。損失の全貌が把握できてないからである。
逆に品質管理を理解している企業では、予防にお金をかけて、潜在的損失にまで手を打つので、理解の差によって格段の成果の差がつくことになる。品質管理に対する理解というよりも現状をどこまで正しく把握しているかによる。
また、品質管理は道具であるから、なにに使うかにより成果に差が出てくる。
製造現場の第一線の活動にのみ使うか、検査や品質管理と名が付く範囲で使うか、それとも全社的に使うかで、差が出てくる。
次ぎに、誰が使うかで差が出てくる。
大きな成果をあげたければ、組織の上位者が使えばよい。
上位者になるほど責任のある仕事をしているので、得られる成果も大きいのが当然のことである。
経営に品質管理を実践している企業では、経営の機会損失まで手を打つため、コスト以上に利益をあげることができる。品質管理を実践している企業では、これを理解しているが、実践してない企業では、機会損失の存在すら理解されてない。これを理解することが品質管理のスタートである。
現状を良く見ること。見たくない事実でも将来よくするために良く見ること。
たとえ自分の日であろうが目をそもけてはならない。見ることが基本である。
「品質は工程で作りこむ、検査でつくるものでない」という言葉がある。品質管理といえばまず検査と考えていたのは品質管理が始まる以前のこと、不良やクレームを出口で防ぐだけでは完全ではないことを理解してから、工程で「品質を作りこむ」という新しい考えに変わった。
品質管理のようなマネジメントの技術も社会環境や現状の問題に応じて進化すべきである。
最近、品質に対する危機意識がなくなり品質管理が現状に合わなくなっている。同時に、品質管理技術者もISOのような標準を守ることだけ考えて、現状打破する気持ちや創造性がなくなったようにも思える。これが残念でならない。
検査の目的は、次のように整理できる。
① 規格に適合しない不良品が次工程や客先に引き渡されないように確認する。(狭義の検査機能)
② 不良品を作らないように予防する。そのために検査結果を設計、製造にフィードバックして、前工程で不良が出ないような管理をする。(予防機能)
③ 品質の現状を経営者や関係部門に報告する。この報告をもとに品質方針を設定し、維持、改善の計画を作成する。(評価機能)
検査の基本は①であるが、そればかりしていても不良は減らない。②、③へも仕事をシフトさせるべきである。②と③を管理検査あるいは検査管理とよぶ。
顧客は検査が正しく実施されている企業を希望するが、製造での不良を水際の検査でかろうじて抑えているような企業は歓迎しないだろう。そのような企業はいつ不良が流出するかわからないからである。また、品質管理に詳しい顧客になると「検査より管理」という考えが強くなる。
品質管理にかけるコストに、品質コストという考え方がある。
概念であるから、細かく計算する必要はないが、次のようなものである。
不良、クレームなどの損失コスト(Failure cost:Fコスト)を減らすために、評価や検査などの評価のコスト(Appraisal cost:Aコスト)と品質管理を実践する予防の活動のためのコスト(Prevention cost:Pコスト)を使うこと。
多くの場合、損失は評価や予防のコストよりかかっているから、品質管理の必要性があるわけだが、これが理解できてない。損失の全貌が把握できてないからである。
逆に品質管理を理解している企業では、予防にお金をかけて、潜在的損失にまで手を打つので、理解の差によって格段の成果の差がつくことになる。品質管理に対する理解というよりも現状をどこまで正しく把握しているかによる。
また、品質管理は道具であるから、なにに使うかにより成果に差が出てくる。
製造現場の第一線の活動にのみ使うか、検査や品質管理と名が付く範囲で使うか、それとも全社的に使うかで、差が出てくる。
次ぎに、誰が使うかで差が出てくる。
大きな成果をあげたければ、組織の上位者が使えばよい。
上位者になるほど責任のある仕事をしているので、得られる成果も大きいのが当然のことである。
経営に品質管理を実践している企業では、経営の機会損失まで手を打つため、コスト以上に利益をあげることができる。品質管理を実践している企業では、これを理解しているが、実践してない企業では、機会損失の存在すら理解されてない。これを理解することが品質管理のスタートである。
現状を良く見ること。見たくない事実でも将来よくするために良く見ること。
たとえ自分の日であろうが目をそもけてはならない。見ることが基本である。