ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

31.品質管理の原点:管理図による工程管理

2006-10-29 | 継続的改善52
7.5.1の補足

「品質管理は管理図に始まり管理図に終わる」といわれる。
シューハート博士の考案した管理図は、工業製品の経済的生産を可能にする革新的ツールである。管理図によらずして「統計的管理状態」を把握することはできない。管理図の活用により工程にくり返し手を打ち、管理状態が得られた時のよろこびは大きい。
この管理状態をISOでは要求事項(7.5.1)として文書化した。
ISOの要求事項にそって実施しても、実施の程度、実施の質により管理の程度は異なるから管理状態になる保証は得られない。結局のところ管理図を描いて確認しなければならないのだが、苦労して書いた管理図でないため、管理図の見方がわからない。

表現を変えよう。生産準備で品質の作りこみができていること、作業標準が良くできたことを評価するにはどうしたらよいだろうか。コントロールプランを作り、設備を導入し、作業のトレーニングをしっかりやったから間違いないと思いたいが、客観的にも証明できるものがほしい。
そのような時に、管理図を使おう。

完璧な生産準備ができていれば、その工程のデータは、管理状態を示すはずである。
本来、生産準備段階にすることは、
現在の最高技術を駆使して、設備、材料、人、方法の最適な組み合わせを決めること、
その組み合わせ(4M)以外の原因による変動を極力おさえること、
工程管理のためのデータを取リ、ねらいどおりのものができているか確認する。
はじめにしっかりした準備(いわば段取りだが)をしておかないと後で直すのに手間がかかる。品質管理は予防管理である。

また、管理図は一度書いて終わりでなく、維持改善を繰り返す工程の管理に便利な道具である。管理状態で十分に工程能力のある工程では、スピードアップや材料の変更などコストダウンのための対策がとられる。そのような手を打つと工程が管理状態でなくなる恐れがある。そのような工程の改善のために管理図を使う必要もでてくる。

このように維持、改善を繰り返す工程を「生きた工程」というが、このために管理図は必要な道具である。
最近の工程で管理図の活用が不足しているのは、日常での改善が不足しているからである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする