ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

19.事業戦略と品質戦略

2006-10-13 | 継続的改善52
7.1:製品の開発から生産、サービスにいたる製品実現のプロセスについての計画を作成すること。計画は次の項目を検討すること。
製品の品質目標及び要求事項
特有なプロセス、文書、経営資源の必要性
検証、妥当性確認、監視、検査、試験、合否判定基準
要求事項を満たす証明になる記録

9001の特徴は、製品開発からはじまる「ものづくりのプロセス」を中心にしての具体的手順がかかれていることで、この7章の「製品実現」に他の章の要求事項を関連付けて考えると具体性が出てくる。
たとえば、5章の「経営者の責任」には品質方針についての要求があるが、この品質方針は、設計、生産準備、生産などの各段階に展開されて具体化される。
当然、6の「資源の運用管理」についても、製品の実現のために、人、もの、金などの経営資源をどう投入するか、具体的に検討し実施されなければならない。
ものづくりの全てのプロセスで、「測定、分析及び改善」(8章)を繰り返すのは当然のことである。
ISOではこれらの(各章の)ことをプロセスとよび、それらが有機的に総合的に結びついたものをシステムと名付けている。

さて、7章は、新製品開発から生産、販売、サービスにいたるプロセスを考えればよい。
そのプロセスの一番上流で検討することは、事業戦略との関連で製品についての企画を考えることである。

品質管理と事業戦略の関連は産業によりまた、市場環境により異なる。ヨーロッパなどでは、半世紀以上も同じ部品を作り続けている企業は多い。日本と違い大きい企業が必ずしもいいと考えられてないから、日本のように中小企業が弱者であるというかんがえはない。1994年版のISOが改訂されるとき、日本が主張したのは大企業対象のISOだけでなく中小企業向けのISOを作成するよう主張したそうであるが、日本的な弱者救済の発想がEUになく、中小企業向けのISOは日の目を見なかった。

つぎに,品質戦略について考えたい。日本の高度成長の時期には,事業戦略の中心に品質戦略があった。当時は品質がこれ以上悪くなれば,生き残れないという時代であった。いまは、品質がよくなり、過去のハングリー精神が忘れられている。しかし、品質上のミスが企業の生死を決めることは昔と変わらない。以前のように国全体が励ましあって成長した時代と違い、最近は人の失敗を自分のチャンスと見る世の中である。

事業戦略における品質戦略の位置付けは組織によりことなるが、製品開発の上流の段階から検討すべき企業の存続に関与する戦略である。
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