ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

25.設計変更管理の真の目的、設計変更の処置か予防か

2006-10-21 | 継続的改善52
7.3.7:設計変更について、レビュー、検証、妥当性確認を行うこと。当然、変更の承認、変更の処置が正しく行われたことを示す記録をとること。

設計変更は変更の理由を明確にして、変更実施前に承認を得ること、関係部署への連絡、図面の確実なさしかえ、など処理に多くの事務処理がともなう。
処置が確実に行われたか記録をとりながら消しこみでも行わないと漏れがでる。
処置は正しく行うべきである。ただし、処置のみを繰り返すのでなく再発防止、予防も同じように大切である。

コストダウンのための変更が、品質の不良につながり、結果はコストアップになったということをよく聞く。
変更は出来れば最小限にとどめたい。

そのため、設計では、設計変更の原因の解析をする。
ところが、変更はレビューの時の指摘や、他部門からの要望など、いわゆる他部門からの要望にこたえるためにおきる。ある会社で変更の原因解析をしたところ、大部分が指摘や要望によるもので、ごく僅かの設計者に起因する原因であった。このような解析をいくらおこなっても設計者は自分の解決すべき責任とは考えない。

ISOは顧客要求に特化した規格であるから、変更処理で問題が起きないように、水際で問題をくい止める努力を要求する。変更自体を少なくするのはその会社の技術力であり、利益の源泉であるが、そこまで要求するのはISOという規格の範囲を超えることになるので、そこまでは言及していない。ISOに対して過大の要求をすべきでない。

さて、ISOで変更処理に多大な労力をつぎ込むのは、こんなことをいつまでも繰り返すわけに行かないと反省するためには役に立つ。
出来ることなら設計変更を予防したい。
設計変更の真の原因は部門間連携の問題である。
当然、設計者が後工程のことをよく知っていれば、未然に防げるものも多い。
以前は「後工程はお客様」の考えから、設計者が製造の工程能力を理解しているのは当然のことであった。
最近は現場を理解してない設計者が多い。これが変更を多くしている。
設計者を甘やかしていると10年後の会社を危なくする。早急に手を打つべきである。
コメント
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