ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

事例

2006-10-16 | 継続的改善52
ある素材メーカのことである。客先ニーズに合わせて素材を供給していた会社が,市場の変化で販売量が低下したので,新市場の開拓を考えた。
自社の得意な技術を活用して,新市場の製品に素材を供給できるか,検討をすすめた。

いままでの顧客は素材のことにもなれていたため、あまり突飛なクレームもない。
ところが,新しい顧客は、この素材に慣れてないため,考えられないようなクレームがおきる。このように、製品によって,開発の品質保証の重点が異なることを経験した。

これらの開発を通して、従来型の製品開発を「市場先行型」、保有技術を生かす開発を
「技術先行型」として開発の重点管理すべきことを層別管理して進めることとした。

洗剤や化粧品などの家庭用品を扱うL社では、海外との積極的技術提携により製品グループを充実してきた。
この会社では、技術の新規性,市場の新規性を現有から新規まで3段階に分け,3×3のマトリックスを作り,開発のパターンを整理している。
製品を開発するはじめの段階で、まず,その製品がどのパターンに属するのかを評価して,開発スケジュールの概略を作成する。

品質保証システム,品質システムは一種類作成してすべての製品を当てはめるのはむりが多い。非常に類似性のある製品でも、品質方針や技術の新規性により管理するポイントがことなるので、運用管理に際して工夫がいる。
新製品に応じた、層別管理、重点管理できる工夫が必要である。この段階での戦略の不足が企業にとっての一番の損失である。

さて,L社では、生産準備と市場導入の計画が関連するため、パート(PERT)という日程管理の手法を使い、日程,コスト,品質の総合管理を行った。このようなPERTを
PERT―QCとよんでいる。

これらの事例のように,自社の従来の製品について総点検することが大切だが,多くの会社では製品別に縦割りの組織であるため,総合的に考えることが難しい。

ある中小企業では,新製品開発の品質保証を中心にISOに取り組み認証取得により対外的にアピールできる体制を作り、その後,従来から社長の夢の実現に取り組んだ。

ある新規分野進出の不足技術を補うため,自社より大きいアウトソーシング先の企業数社とネットワークを結び,新規事業をたちあげた。後日,社長は、ISOでも取得していなければこの事業は立ち上げられなかったと話していたが、このような戦略的取り組み方も検討すべきである。


経営資源の運営というと、資源を投入することばかり考えるが、もっと大事なことは、資源を使わないことである。
例えば、何か新しいことを始める場合は、今までの仕事を点検して、しなくて良いことを
決めることである。新たな仕事が追加されて、今までの仕事が見直されないことが多い。特に、ISOのような従来の仕事を見直す時には、今までの仕事でしなくてもいい仕事が見直しされなければ、改善のはずが効果が出ないことになる。
この意味で、ISOは事業再構築(本来の意味でのリストラ)の手段であるがこれがあまり考えられてない。

つぎに新製品開発のような時間が勝負の仕事では、開発のプロセスですべきことと、日常することを整理して取り組むことが大切である。

このような当たり前のことが出来てないのは、個別製品企画という計画段階で、現状把握をせず理想的な計画を作るからである。慢性的に計画倒れにおわることになる。
これらは技術力の不足としてあきらめていることが多いが、計画の管理の不足であり経営資源の投入の誤りであり、経営層のマネジメント力の不足である。
コメント
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