仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

荒野の用心棒

2009年07月29日 | ムービー
『荒野の用心棒(原題Per un Pugno di Dollari)』(1964年/ボブ・ロバートソン監督/イタリア・西ドイツ・スペイン)を見た。
物語は、「ガンマンのジョー(クリント・イーストウッド)が立ち寄ったサン・ミゲルという小さな町では、ロホ兄弟とバクスター一味が対立し、無法地帯と化していた。ジョーはロホ兄弟側に早撃ちの腕を売りこんだが、実は両陣営の共倒れを狙って・・・」という内容。
荒野の七人(原題The Magnificent seven)』(1960年/ジョン・スタージェス監督/アメリカ)同様、黒澤明監督作品(『用心棒』)を西部劇に置き換えて再映画化したものであるという。
しかし、正式に許可を得ていた『荒野の七人』とは違い、この映画は公開後に作品の盗用がばれ、著作権侵害だとして『用心棒』(1961年/黒澤明監督/東宝)制作会社から告訴されたらしい。
また、監督の"ボブ・ロバートソン"という名前は偽名で、本名は、"セルジオ・レオーネ"というイタリア人である等、胡散臭い話題に事欠かない映画ではあるが、内容はそこそこ面白い。
まぁ、これは面白い作品のコピーなのだから、面白くて当たり前なんだが。
(^_^)

ミスティック・リバー

2008年05月24日 | ムービー
『ミスティック・リバー(原題Mystic River)』(2003年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「雑貨店を経営するジミー(ショーン・ペン)の19歳になる娘ケイティ(エミィ・ロッサム)が他殺体の無残な姿で発見され、ジミーの旧友ショーン(ケヴィン・ベーコン)が事件を捜査することになったのだが、捜査を続けていくうちにショーンの相棒は、デイヴ(ティム・ロビンス)の事件当日の行動に不審を抱く。デイヴはジミー、ショーンの少年時代の遊び仲間だったが、2人の目の前で誘拐され、性的虐待を受けた過去を持っていた」という内容。
第76回アカデミー賞では、ショーン・ペンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞し、受賞は逃したが作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞でもノミネートされていた作品だ。
あまりにも怪しい連中ばかりが出てくるので、脈略無く突然に意外な真犯人が現れるんじゃないか、これはとんでもない駄作なんじゃないかと疑いながら見ていたが、超次元的な(?)まるでテレビドラマ『ツインピークス』を思い起こさせる不思議なことは起こらず、次々と登場するやくざな男達や女達の過去や人間性に呆れながらも見入っていったのだった。
アカデミー賞6部門ノミネートという高評価は甚だ疑問に思えたが、クリント・イーストウッド監督の「いかにも有り得そうな物語を作る」という力の素晴らしさを改めて感じた映画だった。
「いるんだろうなぁ、こういう人達」「あるんだろうなぁ、こういう話」と思ってしまう。

アイガー・サンクション

2008年02月10日 | ムービー
『アイガー・サンクション(原題The Eiger Sanction)』(1975年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「大学で美術の講義をしているジョナサン・ヘムロック(クリント・イーストウッド)は、かつてのボスからスパイ組織への復帰を求められた。そして、過去に2度登頂を失敗したアイガー(標高3573m/スイス)北壁で・・・」という内容。
登山を題材にした映画はとても少ないような気がするが、この映画を見ればそれがどうしてなのかが納得できる。
どうやって撮影したのか詳細は分からないものの、CGが無い時代に大自然を題材にした映画を制作することは大変なことだっただろう。
また、スパイ映画は、毎回最新秘密兵器が登場するあの映画や、0.01秒が生死を分ける限界ギリギリのシーンをふんだんなCGを使って表現するあの映画などがシリーズ化されているが、この『アイガー・サンクション』はそれらと違って派手さは無い。
陰謀と愛憎が渦巻く"大人の映画"だ。
しかし、山に登り始めてからはこれがスパイ映画だということを時折忘れてしまうだろう。
登山をする4人は皆が寡黙で、極端に台詞が少ない。
食い入るように画面を見つめている筈だ。
(^_^)
これはとても面白い作品だった。

ガンマン無頼 / 地獄人別帖

2008年01月23日 | 映画サークル
昨日(2008年1月22日)のましけ映画サークル1月例会は、忠〇企画の『ガンマン無頼/地獄人別帖(原題Vengeance Trail)』(1971年/ウィリアム・レッドフォード監督/イタリア)だった。
ジュリアーノ・ジェンマやクリント・イーストウッドが主演の"マカロニウェスタン"が人気を博したのは1960年代なはずで、この『ガンマン無頼/地獄人別帖』はブームが相当下火になった頃に作られたものではないかと思う。
しかし、「一匹狼の主人公が地域に君臨する有力者の悪事を暴き、壮絶な戦いの末に打ち倒す」という展開はほぼ共通で、その"勧善懲悪"っぽい物語は日本の時代劇ともほぼ一緒。
しかも、"人別帖"という邦題がすっかり江戸時代である。
(^◇^)
物語は、「インディアンから"黄色い髪のボーイ"と呼ばれるジム(レナード・マン)は、少年時代にインディアンに襲撃されて家族を失った。すべてのインディアンに対する復讐を誓った彼は、殺したインディアンの頭の皮を剥ぎ、それを商人に売ることで生計を立てていたのだが、ある日インディアンの女トーネ(エリザベス・エヴァースフィールド)に関わったことから・・・」という内容。
銃撃戦では沢山の死人が出たが、衝撃的だったのは、どのような映画なのかまだはっきり判らない序盤に家族が襲撃され、ジムの幼い妹の身体に矢が突き刺さったシーン。
"ガンマン"が主役な割には、撃ち合いではそれほど見ごたえのあるシーンは無かったように思う。
また、物語自体は単純な話なので、「スコットという役柄の人の顔、イタリア人以外の何者でもないじゃないか」とか、「頭に白い羽根を付けてインディアンを印象付けてるけど、これもイタリア人の顔つきだよなぁ」などと余計なことばかり気になってしょうがなかったのだが、まぁそこそこ面白い映画だった。
(^_^)
イタリアで作られた西部劇を、"スパゲッティウエスタン"ではなく、"マカロニウェスタン"と名付けたのは、確か映画評論家の故淀川長治(1909~1998年)氏ではなかったかと思うが、どうだったかな。
(^_^;)

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

2007年09月18日 | ムービー
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(原題Back to the Future Part Ⅲ)』(1990年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
前作でビフ(トーマス・F・ウィルソン)が捩曲げた時間の流れを元に戻したマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)とDocことドクター・エメット・ブラウン(クリストファー・ロイド)だったが、タイムマシーンのデロリアンが雷に撃たれ、次元転位装置が暴走。Docは西部開拓時代の1855年に飛ばされ、マーティは1955年に取り残されてしまった。マーティは過去にタイムスリップしたドクが廃坑に隠しておいたデロリアンを掘り起こし、再び1955年のドクの助けを得て過去に向かう」という物語。
タイムスリップ先の西部開拓時代では、前作と前々作の登場人物のご先祖様達が続々と登場する展開だったが、ストリックランド先生(ジェームズ・トールカン)の先祖が保安官をしていて、100年後の学校でと同じようにビュフォード(通称マッドドック)・タネンを取り締まる。
この時代では髪があるので判りにくいのだが・・・。
(^O^)
ご先祖様と出会ったマーティは、マクフライと名乗ることができず、俳優クリント・イーストウッドの名前を借用。
この映画を見ている人の殆どが知っている名前だけに、これは笑える。
Docにも出会いがあったが、こちらはご先祖様ではなく、クララ・クレイトン(メアリー・スティーンバージェン)という女性。
不安になって「僕の未来はどうなるの?」と聞くマーティに、Docは「未来は自分で切り開いていくものだ。自分の信念に従って生きろ。私もそうするよ」と良いことを言うのだが、いざ自分のことになると・・・という毎度のパターンが生きている。
「続きを見たい」と誰かが言っても、この物語はこれで完結。
誰もが納得する結末ではないだろうか。

ガントレット

2006年11月18日 | ムービー
『ガントレット(原題The Gauntlet)』(1977年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
警察官が容疑者のいる家やバスに向かってライフルやピストルで撃ちまくるシーンがあるのだが、なんとも凄まじい撃ち方。
ああいうのを一斉射撃というのだろう。
終いに家は崩れ落ちるし、バスも穴だらけで走行不能だ。
(^_^;)
映画だから当然デフォルメされているのだが、許可さえあれば誰でも銃を持てるアメリカという国を派手に表現するシーンだった。
クリント・イーストウッドは監督兼主演。
役どころは"ダーティーハリー"とは違って、将来の年金のことしか頭に無い冴えないベン・ショックリーという刑事。
上司の命令によって証人マリー(サンドラ・ロック)の護送任務にあたるのだが・・・という内容だ。
このサンドラ・ロックという女優はなかなかにイイ女だが、この映画のあとクリント・イーストウッドとは15年にわたって公私共に懇意だったらしい。
それにしても、西部劇でも戦争映画でもそうなのだが、敵が撃ってくる銃弾というのはどうしてああも当たらないのだろうか。
(^。^)
なかなかに面白い作品だった。

仁左衛門賞 / 2005年

2005年12月13日 | ムービー
"ましけ映画サークル"例会は、先日の『愛のメモリー』で2005年の開催を終了したのだが、記憶を辿ると、
【1月】中止
【2月/守○企画】『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow )』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)
【3月/仁左衛門企画】『Visas and Virtue』(1997年/クリス・タシマ監督/アメリカ)他
【4月/忠○企画】『ミッドナイトクロス(原題Blow Out)】(1981年/ブライアン・デ・パルマ監督/アメリカ)
【5月】不明
【6月/守○企画】『Ray/レイ(原題Ray)』(2004年/テイラー・ハックフォード監督/アメリカ)
【7月/仁左衛門企画】『ドゥー・ユー・ハブ・ア・シャイン?』(2002年/スゥエーデン・フランス)他
【8月/忠○企画】『妖怪百物語』(1968年/安田公義監督/大映)
【9月/小○企画】『ソウ(原題SAW)』(2004年/ジェームズ・ワン監督/アメリカ)
【10月】中止
【11月/守○企画】『ミリオンダラー・ベイビー(原題Million Dollar Baby)』(2004年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
【12月/忠○企画】『愛のメモリー(原題Obsession)』(1976年/ブライアン・デ・パルマ監督/アメリカ)
と、確か10本の映画を見た筈で、この中から【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2005年】は?と選考してみる。
(^_^)
んー、今年の1番は、『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow )』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)かな。
地球温暖化が氷河期を引き起こすという発想が斬新で面白かったし、物語の展開にも飽きがこなかった。
そして、何よりも映画で使われていた効果音が良かった。
マイナス200度という強烈な冷気によってあらゆるものが凍り付いていく。
その時の「ピシピシピシピシピシ・・・」という音が、作られた音だと解ってはいても、まるで本物の音であるかのような気がしたほどだ。
この映画に、【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2005年】をあげよう。

ミリオンダラー・ベイビー

2005年11月16日 | ムービー
ましけ映画サークルの10月例会は中止になっていたので、今月の例会は2か月ぶりの開催だった。
今月の例会は、守○企画の『ミリオンダラー・ベイビー(原題Million Dollar Baby)』(2004年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)。
ヒラリー・スワンクがアカデミー賞の主演女優賞を獲っていたことは覚えていたが、作品賞、監督賞、助演男優賞も獲っていたとはすっかり忘れていた。
まぁ確かにアカデミー賞の各賞を受賞するほどに、強烈な印象を残した映画であることは間違いはない。
生活保護を受けているあの母親の設定やエピソード。
サクセス・ストーリーではないだろうとは予想していたが、ちょっと強烈過ぎるような気もする・・・。
強烈といえば、クリント・イーストウッドのジイちゃんぶり。
調べてみたら、75歳(1930年生まれ)ということだったが、モーガン・フリーマンのほうが7歳も年下だと知って、そっちのほうにも驚いたのだった。
それにしてもなんてヘビーな作品だろう。
さて、次の12月例会は忠○企画&忘年会。
忘年会って・・・、もうそんな季節か。