仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ゲーム

2017年05月27日 | ムービー
『ゲーム(原題The Game)』(1997年/デヴィッド・フィンチャー監督)を見た。
物語は、「サンフランシスコ。ニコラス・ヴァン・オートン(マイケル・ダグラス)は大富豪だった父の莫大な資産を引き継ぎ、投資家として成功していたが、エリザベス(アンナ・カタリーナ)との離婚後は、身の回りの世話は住み込みのイルサ(キャロル・ベイカー)に任せ、孤独な生活を送っていたのだった。彼の父親が投身自殺をした年齢でもある自身48回目の誕生日。弟のコンラッド(ショーン・ペン)から"CRS"(Consumer Recreation Services)という会社の紹介状をプレゼントされた。自分も会員になったが、入会すれば人生を変える凄い体験ができるのだという。市内で偶然にCRSのオフィスを見つけたニコラスは、ジム・ファインゴールド(ジェームズ・レブホーン)の説明を受け、申込書類にサイン。早速様々なテストを受けるのだったが・・・」という内容。
弟からとはいえ、これは何とも怪しすぎるプレゼントだ。
(^_^;)
帰宅したニコラスを待っていたのは、数十年前に自殺した父の亡骸と同じ姿で玄関前に横たわるピエロの人形。
そのような訳の分からないものを家の中に入れてしまい、さらには自分の部屋にまで運びこみ、ビデオカメラで映されてしまうのだから、警戒心がなさすぎだ。
(-_-;)
テレビのニュース番組で原稿を読んでいるキャスターがニコラス一人だけに話しかけたりと、まるで夢でも見ているような不思議な体験の連続で、妙な関わりを持つことになったウェイトレスのクリスティーン(デボラ・カーラ・アンガー)など、知り合う人間のほとんどが信用できなくなるような精神状態に追い込まれる。
すべてがゲームなのか、詐欺なのか。
何にしてもCRSに情報を提供しているのは弟のコンラッドなんだろうと想像はつくのだが、彼もまた、「俺のゲームは終わったはずなのに、まだ延々と続いている。兄貴とCRSがグルになって俺を苦しめてるんじゃないのか!?」(確かそんな台詞)と言い出すので、物語の終盤に差し掛かっても、謎はどんどんと深まるばかりだ。
見ていて、「もういい加減にしろよ。しつこいよ」と思ってしまうくらいに延々と緊迫感のある出来事が続く。
「人生が一変するような素晴らしい体験ができる」というのが、CRCの招待状に書いてあるキャッチコピーなのだが、果たしてこれが"素晴らしい体験"なのかは疑問に思える。
最後までドキドキしながら見ていられる作品ではあるのだが。
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LIFE!

2015年04月05日 | 映画サークル
『LIFE!(原題The Secret Life of Walter Mitty)』(2013年/ベン・スティラー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「歴史あるフォトグラフ雑誌"LIFE"編集部のネガフィルム管理部門で働いているウォルター(ベン・スティラー)は冴えない男だった。直接声を掛けることもできない同僚のシェリル(クリステン・ウィグ)が登録したらしいパートナー探しのウェブサイト"eHarmony"に自分も登録してみたものの、満足な自己アピールを記入できなかったことからシステムが上手く機能せず、サイトの顧客サービス責任者トッド・マハール(パットン・オズワルト)に苦情の連絡を入れるのだが、彼女はまもなく退会してしまう。妄想の世界ではどんなことでも可能なヒーローになりえる彼も現実の世界では特徴的な体験談のひとつも書くことができない退屈な人生を送っていた。ところが、いつものように出社したある朝、社の事業再編とLIFE誌の廃刊を知らされる。それを機に突如として彼の運命が動き始め・・・」という内容。
雑誌の出版という一見派手な仕事に関わるウォルターだが、現実は、まるで穴倉のようなフロアにある部署で地味ながらも真面目に働いていた。
社内の他の部署の人間はその仕事ぶりにさほどの興味も持ち合わせていない様子だったものの、フォト・ジャーナリストであり冒険家でもあるショーン(ショーン・ペン)は、彼の仕事ぶりに敬意を表していた。
自分に与えられた仕事をこなすだけのサラリーマンでは幾ら近くにいても気付かないことでも、冒険家とはいえ一人ですべてをこなさなければならない事業者でもあるショーンには、その勤勉さ、正確さ、仕事への情熱が分かっていたということなのだろう。
どんな地味な仕事に就いているのだとしても、その仕事に取り組む姿勢やその人の生活ぶり・生き様というのは、きっと誰かがどこかで見てくれているということか。
映像は迫力もあってとても綺麗なのだが、「どうせCGなんだろうなぁ」と思いながら見てしまうので、感動も半減してしまう。
そんな自分が少し残念だ。
(^_^;)
これは仁左衛門が都合により欠席した"ましけ映画サークル3月例会(2015年3月10日)において小○企画として取り上げられた作品のようで、偶然にもほぼ同時期に見ていたのだった。

ミスティック・リバー

2008年05月24日 | ムービー
『ミスティック・リバー(原題Mystic River)』(2003年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「雑貨店を経営するジミー(ショーン・ペン)の19歳になる娘ケイティ(エミィ・ロッサム)が他殺体の無残な姿で発見され、ジミーの旧友ショーン(ケヴィン・ベーコン)が事件を捜査することになったのだが、捜査を続けていくうちにショーンの相棒は、デイヴ(ティム・ロビンス)の事件当日の行動に不審を抱く。デイヴはジミー、ショーンの少年時代の遊び仲間だったが、2人の目の前で誘拐され、性的虐待を受けた過去を持っていた」という内容。
第76回アカデミー賞では、ショーン・ペンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞し、受賞は逃したが作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞でもノミネートされていた作品だ。
あまりにも怪しい連中ばかりが出てくるので、脈略無く突然に意外な真犯人が現れるんじゃないか、これはとんでもない駄作なんじゃないかと疑いながら見ていたが、超次元的な(?)まるでテレビドラマ『ツインピークス』を思い起こさせる不思議なことは起こらず、次々と登場するやくざな男達や女達の過去や人間性に呆れながらも見入っていったのだった。
アカデミー賞6部門ノミネートという高評価は甚だ疑問に思えたが、クリント・イーストウッド監督の「いかにも有り得そうな物語を作る」という力の素晴らしさを改めて感じた映画だった。
「いるんだろうなぁ、こういう人達」「あるんだろうなぁ、こういう話」と思ってしまう。