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カバレリア・ルスティカーナ、道化師/スカラ座2024

2024-08-26 | オペラ
カバレリア・ルスティカーナ、道化師/スカラ座2024

作曲:マスカーニ、レオンカバッロ
指揮:Giampaolo Bisanti
演出:Mario Martone
装置:Sergio Tramonti
衣装:Ursula Patzak
演奏:スカラ座
合唱:スカラ座
出演:
サントッツァ:Saioa Hernandez
トゥリッドゥ:Brian Jagde
アルフィオ:Amartuvshin Enkhbat
ルチア:Elena Zilio
ローラ:Francesca Di Sauro

ネッダ:Irina Lungu
カニオ:Fabio Sartori
トニオ:Amartuvshin Enkhbat
ペッペ:Jinxu Xiahou
シルビオ:Mattia Olivieri

サントゥッツァは強い綺麗な声で衝動に引き裂かれた気持ちがよく出た芝居。トゥリッドゥは高音がしっかり出るクリーンな声で声量も十分。ルチアは安定した声だが、どうして良いかわからずオロオロする母親の気持ちが良くでていた。アルフィオは落ち着いた低い声でオーケストラに負けない声量がある。肝の据わった陰険な芝居に存在感があった。ローラは安定感のある綺麗な声。

カニオは強力な高音が綺麗にでる圧倒的なテノール。少しにやけた感じの表情にやるせない雰囲気がよく出ている。ネッダは綺麗な強い声のソプラノ。トニオはアルフィオと同じ歌手。ペッペは綺麗な声で控えめな芝居。シルヴィオは強い声で高音が綺麗。

合唱は迫力のある綺麗な声。演奏は大迫力のイタリアっぽい音。ゆっくりと丁寧に演奏された。

カバレリアルスティカーナは真っ暗な中、合唱とソリストの人数分の椅子以外、ほとんど装置なしの舞台。教会の美しい合唱場面では、舞台奥にキリストの磔像が現れ、合唱団は整列して向こう向きに座り、聖歌隊の列が舞台奥から舞台前に、合唱団を巻くようにして聖具を持つ数人の聖職者を先頭に静かに横切る。

間奏曲では座っている合唱団の中をサントッツァがゆっくりと下手から上手に歩いて行く。演奏は彼女の引き裂かれた魂を鎮めるかのように優しく響いた。

最後の場面は決闘場面を見せる事なく、女声合唱団が見守る中、決闘の結果を聴いたルチアが倒れて演奏が終る。

パリアッチは大きな薄汚れた橋の立ち上がり部分の下が舞台。小さなキャンピングカーが下手に1台。実車が複数登場する。左右の舞台下の観客席も演出に使われて、観客役の合唱団と観客を繋げて劇場全体の一体感を出すような演出だった。最後の場面ではシルビオは観客席から劇中劇を見ている設定で、そこから舞台に上がって殺される。アクロバットをやる数人の大道芸風の人達が楽しく芸を披露して芝居を盛り上げた。

前半はシンプルに、後半はサーカスっぽく大規模に、渋い演出だ。

24.05.05 スカラ座/ミラノ

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