ヘンゼルとグレーテル/日生劇場2019
作曲:エンゲルベルト・フンパーディンク
指揮:角田鋼亮
演出:広崎うらん、美術:二村周作、衣裳:十川ヒロコ
演奏:新日本フィル
出演:ヘンゼル:郷家暁子、グレーテル:小林沙羅
父:池田真己、母:藤井麻美、魔女:角田和弘
眠りの精、露の精:宮地江奈
ボロボロだけど、薄い生地を沢山重ねたバレエのチュチュのようなスカートは水色、兄妹の髪も水色。踊りやすそうな衣裳。踊りながら歌う重唱が楽しい。子供向けの演出。森の中で眠る前の重唱も美しい。最後に出て来る少年少女合唱団の合唱も美しい。魔女の人形の宙乗りもあり、父母が客席に現れる演出もあり、天井から雪ならぬ羽毛が一斉に落ちて来る演出もある。魔女につかまっているおじさんダンンサーズのダンスも面白い。仮面を背中にしょったダンサーとか、3メーターもありそうな巨大な生物とか、たくさんおっぱいをぶら下げているような生物とか、小枝をかき集めて団子にしたような生物とか。眠りの精は船こいで寝てしまうし。つゆの精の傘は破れかぶれだし。そのスカートは芯だけだし。ぼろぼろの衣裳のダンサーはいきなり天使たちになってしまうし。楽しいことだらけ。
序曲、間奏曲ではダンサーのダンスが多用され、出演者の動きもダンス的で、全体にバレエあるいはダンスの公演と言っても良いようなプロダクションだった。ミュージカル的ともいえる。かなり動きの多い演出なので歌手達の負荷は高かったのではないかと想像される。ラストは、音楽が終わったあとで、ダンサーたちにスポットライトが当たり、露の精の持つ魔法の杖が緑に光る演出だった。観客の皆さんを魔法の杖で森の中へご招待ということなのだろうか。あくまでもバレエ的な演出だと感じた。
郷家も小林も美しい声で重唱が良かった。小林はさっぱりとした声でショートカットヘアと子供っぽい笑顔に良くあっていた。強さ控え目な感じ。池田は迫力のあるバリトン。藤井は安定したメゾで、芝居を頑張っていた。魔女は本来メゾらしいけど、本作ではバリトン。角田は芝居が前開で、声も良く出ていた。どう見ても魔女には見えない。変態おじさんだな。宮地は黙役的にでずっぱり、ダンサーだと思っていたら歌いだした。ちょっとだけだったけれど、しっかりとした綺麗な声。
演奏は本格的に美しく迫力のある演奏だった。
楽しい公演だった。
2013年に休憩を含めた90分版として製作され、2015年にフルバージョンに拡大された。今回はその再演。小林沙羅は13年版、もう一つの組の鵜木絵里は15年版、今回は出演していないが15年版に小泉詠子の名がみえる。角田和弘も15年版に名前がある。
19.06.15 日生劇場
作曲:エンゲルベルト・フンパーディンク
指揮:角田鋼亮
演出:広崎うらん、美術:二村周作、衣裳:十川ヒロコ
演奏:新日本フィル
出演:ヘンゼル:郷家暁子、グレーテル:小林沙羅
父:池田真己、母:藤井麻美、魔女:角田和弘
眠りの精、露の精:宮地江奈
ボロボロだけど、薄い生地を沢山重ねたバレエのチュチュのようなスカートは水色、兄妹の髪も水色。踊りやすそうな衣裳。踊りながら歌う重唱が楽しい。子供向けの演出。森の中で眠る前の重唱も美しい。最後に出て来る少年少女合唱団の合唱も美しい。魔女の人形の宙乗りもあり、父母が客席に現れる演出もあり、天井から雪ならぬ羽毛が一斉に落ちて来る演出もある。魔女につかまっているおじさんダンンサーズのダンスも面白い。仮面を背中にしょったダンサーとか、3メーターもありそうな巨大な生物とか、たくさんおっぱいをぶら下げているような生物とか、小枝をかき集めて団子にしたような生物とか。眠りの精は船こいで寝てしまうし。つゆの精の傘は破れかぶれだし。そのスカートは芯だけだし。ぼろぼろの衣裳のダンサーはいきなり天使たちになってしまうし。楽しいことだらけ。
序曲、間奏曲ではダンサーのダンスが多用され、出演者の動きもダンス的で、全体にバレエあるいはダンスの公演と言っても良いようなプロダクションだった。ミュージカル的ともいえる。かなり動きの多い演出なので歌手達の負荷は高かったのではないかと想像される。ラストは、音楽が終わったあとで、ダンサーたちにスポットライトが当たり、露の精の持つ魔法の杖が緑に光る演出だった。観客の皆さんを魔法の杖で森の中へご招待ということなのだろうか。あくまでもバレエ的な演出だと感じた。
郷家も小林も美しい声で重唱が良かった。小林はさっぱりとした声でショートカットヘアと子供っぽい笑顔に良くあっていた。強さ控え目な感じ。池田は迫力のあるバリトン。藤井は安定したメゾで、芝居を頑張っていた。魔女は本来メゾらしいけど、本作ではバリトン。角田は芝居が前開で、声も良く出ていた。どう見ても魔女には見えない。変態おじさんだな。宮地は黙役的にでずっぱり、ダンサーだと思っていたら歌いだした。ちょっとだけだったけれど、しっかりとした綺麗な声。
演奏は本格的に美しく迫力のある演奏だった。
楽しい公演だった。
2013年に休憩を含めた90分版として製作され、2015年にフルバージョンに拡大された。今回はその再演。小林沙羅は13年版、もう一つの組の鵜木絵里は15年版、今回は出演していないが15年版に小泉詠子の名がみえる。角田和弘も15年版に名前がある。
19.06.15 日生劇場