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ドン・パスクワーレ/ハーモニーホール2024

2024-08-26 | オペラ
ドン・パスクワーレ/ハーモニーホール2024

指揮:山本達郎
演出:古川寛泰
演技アドバイザー:大塚ヒロタ (テアトロ コメディア・デラルテ主宰)
ピアノ:松岡なぎさ
合唱:「ハーモニーホール座間 オペラ合唱ワークショップ」参加者
出演:
ドン・パスクワーレ:岡野守
マラテスタ:小野寺光
ノリーナ:中井奈穂
エルネスト:井出司
公証人:星田裕治

岡野はしっかりと安定した声。痩せていて小柄、ひょろひょろで頼りない、元お坊っちゃまかと思われるような世間知らずな感じのするドン・パスクワーレを好演した。とぼけた芝居がとても良かった。小野寺は深くて大きい芝居と声。芝居全体を支える屋台骨。岡野との早口の二重唱はしっかりと決まった。早口の二重唱の最初、岡野が歌い出す時にドン・パスクワーレから取り上げた鉄砲の処置に困って、それを指揮者に預ける場面があった。中井は綺麗な声のソプラノで声も芝居も堂々としていた。マラテスタからbrava,bravaと絶賛されるsemplicetta(素朴な女の子)のポーズの所では定番のポーズながら何度も笑いを取っていた。井手はエネルギッシュなエルネスト。パワー全開で歌った。ちょっと声がカスレ気味になる場面もあったが最後まで歌いきった。セレナータもノリーナとの二重唱も全力だった。芝居は情熱的な感じ。

演奏はピアノ一台。セレナータは舞台裏でのギター伴奏。もともとこの場面はエルネストによるマンドリンのような楽器での弾き語りを想定していたのではないかと思った。序曲は指揮者単独か、あるいはピアニストとの連弾だったのか、わからなかったが、ややゆっくりめに始まり、メリハリのある力強い演奏。本編の演奏も力強い印象だった。

合唱は大人数で、舞台を所狭しと動き回って埋め尽くした。一方で、2回目の合唱のピアノの部分ではかなりの時間静止するような演出もあった。

装置はほとんど無く、舞台奥にカーテンがあって、ここから歌手が出入りする。

3人が召使いがかなりコミカルな芝居をした。特にエルネストを好きな若い男性の召使いは道化師っぽい感じでおもしろかった。

8月からハーモニーホールは改装のため休館する。それが原因かどうかは分からないが、300人規模の小ホールでの公演だった。

24.07.21 ハーモニーホール、小ホール

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