ドン・パスクワーレ/スカラ座2024
作曲:ドニゼッティ
指揮:Evelino Pido'
演出:Davide Livermore
装置:Davide Livermore, Gio Forma
衣装:Gianluca Falaschi
演奏:スカラ座
合唱:スカラ座
出演:
ドン・パスクワーレ:Ambrogio Maestri
ノリーナ:Andrea Carroll
マラテスタ:Mattia Olivieri
エルネスト:Lawrence Brownlee
幕が上がるとドン・パスクワーレの母親の葬式の場面が現れて序曲が始まる。しばらくするとドン・パスクワーレがウトウトし始め、夢の中で彼の過去が再現される。子供時代、青年時代、壮年時代、いずれも女性と仲良くしようとする場面で母親が現れてそれをぶち壊す。序曲の各部分ごとにそれぞれの場面をあてはめて、旋律の雰囲気に合わせて演出していた。
舞台は前面に屋敷の壁があって、これが上にあがると部屋が現れる。太い柱が何本かある豪華な部屋だ。部屋の中に額縁があって、そこに母親の顔の動画が映されている。ノリーナとのやり取りが始まると不機嫌な顔になったりする。この部屋はダイナミックに動いたり回転したりする。
床に動く歩道の様なものがセットしてあり、舞台の様々な場面で人やものが移動するシーンを効果的に作り出していた。
「あの騎士の眼差しは」の所では本物のオープンカーが登場し、歌の後半ではこれが4本のワイヤーで上に持ち上げられ、ノリーナはそれに乗ってコロラトゥーラを空を飛びながら披露する。背面にはサンタンジェロ、バチカン、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂などを空から見た映像が映される。
その後のマラテスタとの重唱はファッションショー風に展開する。ドレスを着たモデル数人が動く歩道の上を並んで、歌に合わせて歩く。モデル達はそれぞれ歌詞に出て来る単語に合わせた衣裳を身に付けていて、そのそれぞれが単語が書かれたプラカードを掲げている。歌の最後でプラカードがひっくり返り値段のような数値があらわれた。
you tubeに数年前に撮影されたと思われる映像がアップされている。この映像の出所はRosa Feoraのブログらしい。ブログによるとこれは2018年5月にスカラ座で新制作されたもので、キャストはノリーナがRosa Feora、エルネストがRene Barberaで、ドン・パスクワーレとマラテスタとは本公演と同じ。これによると、まず最初にノリーナが、Nuova Collezioneのカードを掲げ、モデル達は左から順に、
Semplicetta (単純)
Ba Gridare (叫ぶ)
Ba Pianger (泣く)
Fiera (誇らしく)
Mesta (悲しく)
のプラカードを掲げている。
それらが退場すると、次に
Zitella (独身女性)
Bricconcella (おてんば)
Collo torto (首を傾け)
Bocca stretta (口をすぼめる)
が出て来る。
最後にプラカードがびっくりかえる場面では、
Bricconcella 8000 Lire
Zitella 12000 Lire
Semplicetta 5000 Lire
Fiera 7500 Lire
Collotorto 10000 Lire
Boccastretta 11000 Lire
の値札に変わる。
2幕目冒頭のエルネストのアリアは夜更けの人数の少ないターミナル駅の前で歌われた。エルネストは大きな風船を持っており、歌の緩から急への転換の際にそれをバチンと割った。
最後の場面は遊園地風。背景に多数のブランコがくるくる回る乗りものらしきものが映っている。上からブランコが4つ降りてきて、皆がそれにのる。ブランコは空中に引き揚げられ、最後の合唱、重唱は空中で歌われる。ただし、ドン・パスクワーレは重すぎて一人持ち上がらない。ちょと残念な気持ちのドン・パスクワーレの所へ亡霊となった母親がやって来る。この最後の成り行きは母親にとっては嬉しい展開。母親がドン・パスクワーレの手を握って幕となる。
演奏は豪快。舞台も豪快。合唱は、最初のprest, prestは、いまいち迫力が無かったが、2つ目の合唱は迫力があった。
ドン・パスクワーレもマラテスタも美しい声で声量も十分ある。エルネストは真面目な感じの芝居で声は美しかった。ノリーナは透明感のある美しい声で、軽いコロラトゥーラ。明るく活発で強いノリーナだった。
軽快で豪快、大胆不敵なプロダクションでメチャメチャ楽しかった。また見たい。
24.05.11 スカラ座/ミラ
作曲:ドニゼッティ
指揮:Evelino Pido'
演出:Davide Livermore
装置:Davide Livermore, Gio Forma
衣装:Gianluca Falaschi
演奏:スカラ座
合唱:スカラ座
出演:
ドン・パスクワーレ:Ambrogio Maestri
ノリーナ:Andrea Carroll
マラテスタ:Mattia Olivieri
エルネスト:Lawrence Brownlee
幕が上がるとドン・パスクワーレの母親の葬式の場面が現れて序曲が始まる。しばらくするとドン・パスクワーレがウトウトし始め、夢の中で彼の過去が再現される。子供時代、青年時代、壮年時代、いずれも女性と仲良くしようとする場面で母親が現れてそれをぶち壊す。序曲の各部分ごとにそれぞれの場面をあてはめて、旋律の雰囲気に合わせて演出していた。
舞台は前面に屋敷の壁があって、これが上にあがると部屋が現れる。太い柱が何本かある豪華な部屋だ。部屋の中に額縁があって、そこに母親の顔の動画が映されている。ノリーナとのやり取りが始まると不機嫌な顔になったりする。この部屋はダイナミックに動いたり回転したりする。
床に動く歩道の様なものがセットしてあり、舞台の様々な場面で人やものが移動するシーンを効果的に作り出していた。
「あの騎士の眼差しは」の所では本物のオープンカーが登場し、歌の後半ではこれが4本のワイヤーで上に持ち上げられ、ノリーナはそれに乗ってコロラトゥーラを空を飛びながら披露する。背面にはサンタンジェロ、バチカン、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂などを空から見た映像が映される。
その後のマラテスタとの重唱はファッションショー風に展開する。ドレスを着たモデル数人が動く歩道の上を並んで、歌に合わせて歩く。モデル達はそれぞれ歌詞に出て来る単語に合わせた衣裳を身に付けていて、そのそれぞれが単語が書かれたプラカードを掲げている。歌の最後でプラカードがひっくり返り値段のような数値があらわれた。
you tubeに数年前に撮影されたと思われる映像がアップされている。この映像の出所はRosa Feoraのブログらしい。ブログによるとこれは2018年5月にスカラ座で新制作されたもので、キャストはノリーナがRosa Feora、エルネストがRene Barberaで、ドン・パスクワーレとマラテスタとは本公演と同じ。これによると、まず最初にノリーナが、Nuova Collezioneのカードを掲げ、モデル達は左から順に、
Semplicetta (単純)
Ba Gridare (叫ぶ)
Ba Pianger (泣く)
Fiera (誇らしく)
Mesta (悲しく)
のプラカードを掲げている。
それらが退場すると、次に
Zitella (独身女性)
Bricconcella (おてんば)
Collo torto (首を傾け)
Bocca stretta (口をすぼめる)
が出て来る。
最後にプラカードがびっくりかえる場面では、
Bricconcella 8000 Lire
Zitella 12000 Lire
Semplicetta 5000 Lire
Fiera 7500 Lire
Collotorto 10000 Lire
Boccastretta 11000 Lire
の値札に変わる。
2幕目冒頭のエルネストのアリアは夜更けの人数の少ないターミナル駅の前で歌われた。エルネストは大きな風船を持っており、歌の緩から急への転換の際にそれをバチンと割った。
最後の場面は遊園地風。背景に多数のブランコがくるくる回る乗りものらしきものが映っている。上からブランコが4つ降りてきて、皆がそれにのる。ブランコは空中に引き揚げられ、最後の合唱、重唱は空中で歌われる。ただし、ドン・パスクワーレは重すぎて一人持ち上がらない。ちょと残念な気持ちのドン・パスクワーレの所へ亡霊となった母親がやって来る。この最後の成り行きは母親にとっては嬉しい展開。母親がドン・パスクワーレの手を握って幕となる。
演奏は豪快。舞台も豪快。合唱は、最初のprest, prestは、いまいち迫力が無かったが、2つ目の合唱は迫力があった。
ドン・パスクワーレもマラテスタも美しい声で声量も十分ある。エルネストは真面目な感じの芝居で声は美しかった。ノリーナは透明感のある美しい声で、軽いコロラトゥーラ。明るく活発で強いノリーナだった。
軽快で豪快、大胆不敵なプロダクションでメチャメチャ楽しかった。また見たい。
24.05.11 スカラ座/ミラ
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