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カヴァレリア・ルスティカーナ、道化師/ハーモニーホール2015

2015-09-22 | オペラ
カヴァレリア・ルスティカーナ、道化師/ハーモニーホール2015

作曲:マスカーニ/レオンカヴァッロ、指揮:飯坂純
演出:橋本英志
演奏:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
サントゥッツァ:二瓶純子、トゥリッドゥ:青柳素晴
アルフィオ:森口賢二、ローラ:末広貴美子
ルチア:八木下薫

カニオ:及川尚志、ネッダ:江口二美
トニオ:村田孝高、シルヴィオ:上田誠司
ぺッペ:望月光貴

背景はすこし雲のある空で、夕方には橙に染まる。その前に黒い縦長の壁が2枚配置されるグラフィックデザイン的な美術。道化師では黒の壁は1枚となり、代わりにワインレッドの3枚の布が両端を天井に付けて、重ねて半円を描くように下げられていた。舞台上には黒いスティール風の枠でできた階段と台が配置され、あとは小物。シンプルで、すっきりしたいいデザイン。

森口の厳しい顔つき、声が印象に残った。本当にナイフで刺すような怖い感じが出ていた。容赦がない。青柳の芝居、歌には苦悩や慟哭が感じられた。青柳の芝居を見ていて間奏曲を聞くと、これはサントゥッツァの絶望だけでなく、トゥリッドゥの苦悩と慟哭をも表現していると、そう感じられた。真面目なトゥリッドゥはカーテンコールでもそのまま深刻な表情だった。二瓶は強烈な感じのソプラノで雷鳴を感じさせた。サントゥッツァの絶望よりも怒りを強く感じた。八木は安定したメゾ。マイムが人形振りのようで印象的だった。流れるようなマイムでは無く、ポーズを1つ1つ決めるスタイル。

及川は真面目な感じのカニオでストレートに怒りを表現していた。村田の出だしの幕前の歌はやや不安定だったが、幕が上がってからは吹っ切れたように歌も芝居も大暴れだった。屈折した厳しいトニオがよく表現されていた。江口は緊張感のある芝居を続けた。声はやや重い安定した美しいソプラノ。

全体におちゃらけた雰囲気が少なく、重喜劇的な演出だった。

合唱は素人主体で女声が多い。カヴァレリア・ルスティカーナの教会音楽的な合唱部分はハーモニーが美しい。前半部分のアルフィオと一緒に歌う男性合唱部分もキレが良くて迫力があった。

演奏は元気よく、金管が悪くないと感じた。

15.08.30 ハーモニーホール
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