狸  森  日  記

                 ムジナnoモリnoクラシカタ

アリとヒキガエル

2009-08-03 02:31:32 | 



高速を日田ICで下りて212号線を一路杖立温泉へ向かう。時間はAM11時半
近頃は何処で食べても美味しくない・・というカミサンは家を出る前に
弁当をこさえていた。食べるところはまちまちで、高速道路のSAだったり
観光地のパーキングだったりするのだが、このルート、道幅がさほど広く
なく、時間はお昼になろうとしていたが、車を駐める場所が見当たらな
かった。杖立の温泉街を過ぎて暫く走ったら筑後川に架かる小さな橋が
見えてきた。地名は「大山」と書かれて居た気がする。


兎に角橋を渡って昼飯を食べる場所を探したが、適当な場所が見当たらない
一旦車をUターンさせて、橋のたもとに停車した。見ると川の方へ下りてい
く道が見えた。僕は車から降りて川の縁まで降りて見た。


有った、丁度橋の真下に大きな石が並べて置いて有るところが涼しくていい
車まで戻って、弁当を持ってカミサンと二人で橋の下へ。平らな石に弁当を
広げ僕らはその両端に座って昼食を摂ることにした。


こういう山間を流れる川は、その流れも急で、ゴーゴーと勢いよく流れて
いた。水は澄み切って綺麗である。腰掛けたところから川の流れが見渡せた
さほど暑くもなく、橋の下を涼しい風が通った。食事にする。暫くすると
弁当の匂いを嗅ぎつけてアリが寄ってきた。まだ1匹である。


僕は鮭の細い骨を石の上に置いてみた。長さは約25mm程だ。


暫くして道に目をやると、1匹のアリがその骨を運んでいるのが見えた
置いた場所から1m程も移動していた。・・・と、土色のヒキガエルの子が
どこからともなく現れ、骨を運ぶアリを見ている。


僕は「アリが食べられる」そう思ったのだが、外れた。蛙はアリから骨
だけを奪い取ると一気に飲み込んだのだが、蛙はまだ小さい。体長2cmにも
満たない大きさで、骨を一部口からはみ出させたままである。
前足で取り出そうとするのだが取れない。


今度はカミサンが鮭の身を小さく砕いて道に置いた。


またしてもアリが寄ってきてその一つを運びだした。口から骨がはみ出した
ままの蛙が又してもアリの後を追う。小さな鮭の身を奪い取ろうとするのだが
骨が邪魔して奪えない。それでも1m近く追いかけてたが、やがて諦めて鮭が
まかれた所に戻って来たが、自分でソレを取ろうとはしないのだ。


肉を咥えた犬が、川に映る肉を咥えた犬を見て「ワン」と吠えたら
自分が咥えていた肉まで川に落としてしまった・・・というような童話を
思い出した。その子蛙は、またアリの後を追いかけては小さな鮭の身を
アリから奪い取ろうとするのだが、結局骨が邪魔になって奪えなかった。


僕らが昼食を食べ終える頃には、その子蛙は居なくなっていた。アリだけが
せっせと餌を、何処やらの自分達の巣に運んでいた。