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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

検査でアスペルガー症候群が指摘されても、学校で発達障害を認めてもらえない子 4

2009-01-05 22:36:21 | 昆虫博士からの研究発表
発達障害があっても発達障害がないように見える子というのは、
もともと発達障害がないから
発達障害がないように見える子(まどろっこしい言い方ですが…)とは、
同じようで
ずいぶんちがうのではないでしょうか?

発達障害があっても発達障害がないように見える子というのは、

怠けているようだったり
ふざけているようだったり
忘れ物が多かったり
すぐ手が出たりしている時にも

本人としたら、いっぱいいっぱいがんばっている場合が
ほとんどだと思います。

軽度発達障害があると
集団に参加しているだけでも(たとえ周囲の期待に応えてない場合でも)
ノートをとるだけ
お友だちと会話するだけ
こだわりを我慢して何もしないでいるだけでも
子どもには手に負えないほどの困難があるはずです。

そうした困難を抱えながら
周囲からは発達障害とわからないようにうつる子というのは、

たいてい自分で可能な部分では、いっぱいいっぱい
がんばっています。

叱られたり
注意されたり
甘やかされたわがままな性格と非難される部分は

本人には手のつけようがない部分
気づくことも直すことも難しい部分

です。
そうした困った部分が集団の場で目に余るとき…
というのは、
本人が自分の力でいっぱいいっぱいまでがんばれるからといって
十分なハンディーへの支援もなしに
放ってあることが
原因のように思います。

広汎性発達障害の子が暴れる時は
それまで自分で処理できないほどのストレスがたまっているときです。
ハンディーゆえに
適切にそれを言葉で訴えたりできないから
爆発するのではないでしょうか?

私も自分の小学生時代を思うと、
ハンディーがあってもハンディーがあるように見えない子の
大変さがひしひしとわかります。
私はADD(注意欠陥障害)の特徴をたくさん持った子だったので、

小中ともに
ひとつの作業を続けられない、すぐ怠ける、授業を聞いていない、
ノートをとらない、宿題をしない、すぐ忘れる、まじめにがんばらない、
手先が不器用、いつもぼんやりしている、ミスが多い、
という困った子でした。

目立たないので それほど叱られることはなかったのですが、
それでも自分は何をしてもきちんとできないダメな子だ
という思いを抱いていました。

けれど今の私は子どもだった自分が怠け者だったとは
思っていません。

というのも、当時の私にはがんばりようがないたくさんの理由が
あったのです。
まず私は手を使った作業をすると
(ノートをつけていたりするだけで)
ひじの少し上あたりが炎症を起こしたような痛みがはしって
その後、肩や首筋が痛くなって、頭痛が激しくなるので
普通に授業を受けているだけで吐き気がして冷や汗をびっしり
かいていました。

アレルギー性の鼻炎やぜんそく、低血圧や貧血のために
息をするのも苦しいし、立ち上がると立ちくらみがするので
教室にいるだけで、いつでもいっぱいいっぱいだったのです。
そうした悪い体調だけでなく、つぎつぎ絶え間なく新しいことをひらめき
自分の考えや空想を追いかけてしまう自分の脳をコントロールしようがありませんでした。

それに作業記憶が弱いので、
毎日繰り返す宿題をしたり、持ち物を用意したりするのは
どんなに反省してもがんばろうとしても
完璧にこなせませんでした。

体調のことも、作業記憶のことも
私にはどうしようもありませんでした。

が、子どもの頃の私は自分ができることの範囲なら
いっぱいいっぱいまでがんばっていたように思うのです。

そうして子どもの頃、自分のできる部分でがんばっていたことは
大人になった私にはとても役立っています。
私は作業記憶は弱いけれど、

自分の記憶できる部分では
ものすごい集中力で忘れないようにがんばっていました。
「もう忘れ物をしたらいけません」という注意を
真剣に受け止めていたからです。
おかげで今は作業記憶以外の記憶全般は、得意といえるくらいになっています。

集中できないかわり、とても早い速度で文章を読んで
それを記憶しておく術も身につきました。
おかげで短い時間で長い文章を読んで
細かい部分まで覚えておけます。

途中から自分の話になっちゃいましたが…
長くなったので次回に続きます。



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