ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

「今度のクラスの○くん、問題児らしいよ。注意してね。」とメール 2

2008-09-06 21:14:02 | 番外
今朝、記事を書き上げて送信ボタンを押したとたん、
インターネットが不通になってしまい…今まで戻りませんでした。
もう一度記事を書き直さなければ…

グレーゾーンの子が困った言動を繰り返す時、
周囲がやめさせとうと、叱ったり、
罰っしたり、
厳しい規則で縛ったりしても、
いっこうに直そうとする気配が見えないことがあります。

それはそれは反抗的で
頑固に見えて、
「この子には何を言ってもむだ!」
という印象を周囲に与えてしまうことがあります。
こうした時に、周囲の人は思うようにコントロールできない子どもへの
イライラを「母親の育て方が悪い、接し方が悪い」
と責めて終わりがちです。
そんな周囲の圧力のせいで、
母親が性急にしつけようとすると、
たいていは言うことを聞くどころか、
問題行動がさらに増えるだけのようです。

でも本当にグレーゾーンの子たちは「何を言ってもむだ!」なのでしょうか?

先日、虹色教室のグレーゾーン児の☆くんのお母さんから
こんなうれしい報告をいただきました。

☆くんはかなり前から登校班のリーダーを任されていて、
毎朝、年下の子たちをまとめて学校まで誘導しています。
☆くんはもともと勝ち負けへのこだわりが
とても強い子です。
ゲームや競争が大好きですが、
勝つことへのこだわりが強すぎて
友達や妹さんと仲良く遊べません。
登校班のリーダーを始めた当初は、
はりきっているのは良いのですが、
他の班より先に学校に着こうとするあまり
年下の子たちがついて来れないほどのスピードで進んで、
周囲から注意を受けていました。

それが、何度注意されても、
「もっとはやい班もある」と言って、
聞き入れる様子がありませんでした。
あまりに頑固な態度なので、
ここでも周囲は「この子はいくら言ってもダメなのか…」という思いにかられたようです。

が、それから何ヶ月もたった今になって、
☆くんが学校に提出する目標の紙に自分から
「登校班で年下の子たちのことも考える(配慮する)」といった
内容を書いていたことがわかったのです。
そして必死で努力して、
みんなが楽しく歩けるスピードで誘導できるようになったそうなのです。

☆くんにとって、負けてもいい、遅くてもいい、を受け入れることは
それは苦しいことだったはずです。
それでも長い長い時間、
周りが忘れてしまっても
自分と格闘し続けて、ちゃんとそれを自分のものにしたのです。

そうした☆くんの心は、

担任の先生が、がんばりを認めて、どうしてもできないことは
余裕を持って見守ってくれたこと
親御さんが夏休み中、家族で楽しむイベントの中で
☆くんの気持ちに十分配慮してあげたこと
虹色教室で年上のお兄ちゃんに遊んでもらったり、
その時、ゲームで負けることがあっても、いっしょに遊ぶのは楽しいことを経験したこと。年下の子たちの遊びを考えることで、配慮するとはどういうことか学んだこと。

といった体験の中で、
たくさん愛情を感じながら、変化していったのです。
コミュニケーションの能力が進歩したために、お友達からも
認められるようになってきたようです

グレーゾーンの子には、とにかくたっぷりの時間が必要です。
反抗から聞き入れないのではなくて、
自分のそれまでしてきた行動や考え方を手放すことが
苦しくてできないから、頑固になるのです。
でも本人の心の中は向上したい気持ちが渦巻いているんですね。


にほんブログ村 教育ブログへ