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20年前を振り返ってみる ~ Oh!X 1989年5月号

2009-05-06 16:15:02 | 日記・エッセイ・コラム

昨日のつづき:

20年前を振り返ってみる ~ I/O 1989年5月号

今日は、別の雑誌。

パーソナルコンピュータ・マガジン
MZシリーズ,X1/turbo,X68000&ポケコン

Oh!X
オー!エックス
1989年5月号
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広告 (クリックして拡大表示)
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サザエさんのネタで、大掃除のとき、畳の下にひいてあった古新聞を読み出してしまう、というのがありますが、古い雑誌を今読み直すと、おもしろい。当時つまらなかったものでさえ、おもしろくなってる。

商標の表示でさえも、なんか懐かしい雰囲気。

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表4広告は、X1 turbo Z III。究極の8ビットマシンという感じ?

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すでに、MZの広告はどこにもありませんでした。X68000とポケコンの広告は、昨日と同じのが入ってました。

昔、かなり有名だったグラフィックソフト、Z's STAFF PRO-68Kの広告。ツァイトは、1997年に、こんなことに・・・

http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/970811/zeit.htm
ツァイト、事実上の倒産

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Oh!Xは、ページ数も少なく、広告もあまりないです・・・

シャープパソコンフォーラム’89in赤坂というので、X68000を中心とした展示会があったそうです。女の人の雰囲気が、時代を感じさせられます。

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ビジネス向けコーナーには、AXパソコンも展示されていたそうですが、そういえばAXって規格、ありましたね・・・よく知らないんですが。

http://ja.wikipedia.org/wiki/AX

読者から投稿されたイラストを、カラーページ見開きで紹介。これは何の雑誌なんだ?

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隅に、なんとなくどこかで見たことのある名前が・・・。

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セキュリティ関係で有名なあの人と、同一人物なのでしょうか。

ソフトウェアの紹介コーナー。アフターバーナー、TETRISなどが見えます。

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パソコンとはあまり直接関係のない読み物記事がけっこう多いのも、Oh!Xの特徴かもしれません。「Oh!ナントカ」は、PC、FMなど、機種別の雑誌となってるし、Oh!Xは、かつてはOh!MZだったという経緯もあり、「オラの機種の記事が載らなくなってしまった・・・悲しいだべ」ということになっても大丈夫なようになってます 

「猫とコンピュータ」も、ちょっと一息つけるエッセイ。昔から、何かと、猫とパソコンは関連付けられることが多かった?

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うーん、懐かしいな。

この号での特集記事は、「MIDIサウンドデータ料理術」。あのころ、流行してましたね。
全200ページ足らずの雑誌なのに、50ページも割いて、かなり気合の入った特集が組まれています。

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「言わせてくれなくちゃだワ」という、読者からのお便りを紹介する企画。
この回で、すでに4回目。内容は、パソコンのことも確かにあるのですが、映画、SF、マンガ、アニメ、手塚治虫が亡くなったとか、大学受験のこと、などいろいろ。全部で20ページ以上・・・何の雑誌なんだ?

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FM-TOWNSの話題も多いですね。だいたい、みんなの予想(希望?)は当たってたかも。きっとコケルと。

ライターには、今でも活躍してる人が、数名、いますね。

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一部でファンの多い祝一平氏(故人)は、この、X68000でC言語プログラミングの連載をしていました。

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へー、K&R Cだったんだ・・・

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なんかBASICみたいなコードだな、と思ってしまいますが、おそらくは、わざと似た感じにすることで、従来のBASICプログラマーが楽にCへ移行できるようにしてあったんでしょうか。というか、慣れたものをわざわざ変える必要もないですし。

X68000では、一部で、OS-9も話題になってましたっけ。あのころ、「すげー!パソコンなのにUNIXみたいに使えるよ」と、わくわくした記憶があります。

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ゲームのアフターバーナー、投稿イラスト、そして、makeコマンドの使い方までと、幅が広い。まさに「雑誌」。

Oh!MZ時代の1986年6月号から続いていた企画「S-OS」の記事。これは、

X1もMZも、CPUはZ80で同じなんだから、各機種ごとに、機種の違いを吸収するサブルーチンを用意してやれば(今で言うなら、HAL=Hardware Abstraction Layerですな)、どの機種でもじマシン語プログラムを使えるようになるよね

というもので、CP/Mを再発明してしまうような、意欲的な挑戦でした。この号の記事によれば、6809版や、8086版もあるそうです。

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1987年12月号には、PASOPIA7版なんてものが・・・

今思えば、こういう意欲的なプロジェクトって、本当にすばらしいですね。時代がすすんでも、アマチュア精神がいつまでも、もっとも強く生き残っていた雑誌であったと思います。
あっ、途中で買わなくなっちゃいましたが

他の雑誌に掲載されている、MZ,X1,X68000,ポケコンの関係の記事を一覧で紹介する「FILES Oh!X」。そういえば、FILESというのは、BASICで、フロッピーディスクに記録されているファイル名の一覧を表示するコマンドでしたね(カセットテープでも使えたけど)。

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タイムマシンで20年前に行って、「ソフトバンクというプロ野球チームがあるよ」、「ソフトバンクの携帯電話を使ってるよ」、と当時の人に話して、信じてもらえるでしょうか 

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その他の雑誌。

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Oh!PCでは、ハードディスクの記事。すでにビジネス分野での実用性重視になっているのかも。ちなみに、Oh!Xの1989年4月号の編集後記みたいなコラムを見たら、40MBのハードディスクでは容量が少ないので、光磁気ディスクが有望、なんて意見も。未来を予想するのは難しいです。

Oh!FMでは、特集「FM-7シリーズ徹底活用術」で、「BIOSとの正しいつき合い方」、「サブシステム完全攻略法」なんていう、エイプリルフールか?みたいな記事があったり。「谷山浩子のエッセイ」なんてのもありました。
FM TOWNS関係では、「3Dスコープで4096色画面を立体化する」なんてのも。3Dって、昔からあるのに、全然実用化されていない技術ですなぁ。

BEEP?ファミ通みたいな雑誌かな? 新連載「すぎやまこういちのゲーム漂流記」などあります。日本ソフトバンクは、有名人を起用するのがうまかった?

THE COMPUTERというのでは、巻頭特別リポート スカリーの「これが90年代のアップルだ」というのが、うわー、今みたら大爆笑しそうな記事

「満開製作所」の「電脳倶楽部」の広告。

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あのころ、とっても楽しませていただきました。

アマチュアの同人レベルを超えてはいたけど、商売としてはそんなに儲からなそうなイメージでした。

1989年といえば、初期のマイコンマニアだった人たちがすでに社会に出てプロとして活躍しているころでしょうし、パソコンの機能も高度化し、パソコンが完全の商品の1つとして認知されるようになってたので、アマチュアが何かを作ってヒーローとなるチャンスというのは、もうほとんど残っていない、そんなころだったかも。

それでも、熱い思いがまだまだ残っていた雑誌がOh!X

2009年現在、インターネットのおかげで、アマチュアが活躍できる場ができています。いい時代になったな、とつくづく思います。

初心を思い出して、明日からまたがんばろう。