今月の藤子・F・不二雄全集は、おばけのQ太郎とドラえもんの2冊。
オバケのQ太郎 (7)
小学二年生 1965年1月号~1967年2月号に掲載された作品が収録されています。
冒頭は、正ちゃんがQちゃんと出会って、Qちゃんが家に住み着くようになる話なんですが、小学生のころに単行本で読んだのとは別のストーリーになっていて、これはこれで興味深いです。
トビラ絵のタイトルの脇に書かれている、キャッチコピーというかあおり文句というかみたいのが、なんだかいい味でてます。
- 大わらいまんが オバケのQ太郎
- オバケのQ太郎 テレビでほうそうちゅう
- さあ おもしろいぞ! オバケのQ太郎
- わあ おもしろい! おばけのQ太郎 (「オバケ」じゃなくて「おばけ」になってる)
- みんなが 大わらいの まんが おばけのQ太郎
- みんなが 大わらいの まんが オバケのQ太郎
- みんなが 大わらいの まんが オバケのQ太郎 テレビほうそうが はじまりました!!
- テレビで 大ひょうばんの まんが オバケのQ太郎
- はつわらいだよ。ことしも、よろしくね。 オバケのQ太郎 テレビで 大ひょうばん
- あけまして おめでとう(Qちゃん) オバケのQ太郎
- *日本じゅうを わらわせる まんが* オバケのQ太郎 テレビでも 大ひょうばん!!
というような感じ。
作者名が、
- 藤子不二雄とスタジオ・ゼロ
- 藤子不二雄とスタジオ0
- 藤子不二雄
と3通りの表記があったり、なんだかゆる~い感じ。
生まれる前のことなので、当時のことはよく知りませんが、テレビアニメのオバQは、そりゃあもう、すごい大人気だったとのこと。日常生活をギャグアニメにすること自体が、前例のないことだっととか。巻末の解説にて、おおすみ正秋氏がそんな話を書いています。
現在のマンガとくらべたら、このオバケのQ太郎は、シンプルな絵で、素朴なギャグストーリーなんですが、こうして2010年の今、読んでみると、ピュアな心になれるような気がします。
当時の日本の様子も、いい味がでてますよ。テレビには4本の脚が生えてるし、臼と杵で餅つきはするし、火鉢もあるし、ライターではなくマッチ、…
うん、いいね。
☆
ドラえもん (10)
分厚いです。
第10巻は、小学一年生 1977年4月号から小学六年生 1983年3月号までに掲載された、1970年度(昭和45年度)生まれの子どもたちが読んだ作品を収録しています。
とうとうきました、1970年度。あとで、落ち着いて、じっくりと読むことにします。
「防水折り紙」…スネ夫に馬鹿にされたりしますが、ヨットがひっくり返って湖に沈んでいくスネ夫(やばいよ、これは!)を、ドラえもんが助ける。そして、最後に、みんな仲良く、特大の遊覧船に乗って、めでたしめでたしハッピーエンド、っていうちょっといい感じのお話です。
「サンタえんとつ」…これ、小学一年生 1977年12月号に掲載ってことで、ああ、そうだったんだ!と納得。作品中でテレビゲームが登場するんですが、これが、あの懐かしいテニスゲーム。お金持ちの友だちの家にいくと、これ、あったんです。うらやましかった~。そうか、まさにリアルタイム世代です。
「はるかぜうちわ」…これは、小学一年生の3月号に掲載されたもので、3月という時期にあわせて、いいんですよ、これが。うわ~、こんなドラえもんもあったんだ、っていう感じです。最後のひとコマが、なんかジーンときます。(のび太)「ほんとうの春になったら、またあおうね。」(ドラえもん)「もうすぐだからね。」
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