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完結編 ネットワーク・プリンタの引越し

2006-04-28 23:33:39 | デジタル・インターネット

サブネット間での引越し作業にて、最後のほうに残ってしまった「ネットワーク・プリンタ」、これが曲者でした。

今回のトラブルは単純にして、最大の難問でした。

あれ?
これ、どうやってIPアドレスを設定するの?


そう、わかんないんです。じぇんじぇん、わかんないんです。プリンタの本体に、液晶表示と、ボタンが数個ならんでいて、いろいろな設定をできるようになっているのですが、なぜか、ネットワーク関係の設定項目には、タイムアウト時間は15秒だよん、なんてのしかないんです。

何しろ、古い機種。取り扱い説明書がない。メーカーのWebサイトでPDF形式のマニュアルがダウンロードできるのですが、なぜかその機種に限って、ないんです。

型番が1文字違いの機種のマニュアルなら、発見できました。それを見ると・・・ぜんぜん違う。

  • 液晶表示のメニューをいくら探しても、そんな設定メニューは、でてこないし!
  • Webブラウザで設定できるらしいけど、できないし!
  • TELNETで接続してメニューで設定できるらしいけど、メニューなんかでてこなくて、なぞのシェルみたいのがでてくるだけだし、それって、コマンドがわかんなくて、エラーメッセージは「マニュアルを見ろ、ボケ」みたいなのしかでてこない。
  • HELPコマンドさえ実装されていない。

マニュアル内で発見できた唯一ためせそうな方法が、ARPコマンドによるIPアドレス設定方法。

あれれ、ARPってのは、IPアドレスからMACアドレスを求めるときの仕組みなんだけど、なんでそれでIPアドレスを設定できるんだろう?・・・と疑問を感じつつも、わらにもすがる思いで、やってみると!!!

うわーーーー、いままで使えていたIPアドレスにさえも、反応しなくなっちゃいました。

10BaseTのdumb hub~通称・バカハブ(dumbはトンマとかマヌケという意味。バカはきつすぎだね)~を持ち出してきて、FreeBSDなノートパソコンと、問題のプリンタをつないで、tcpdumpで、ネットワークの通信内容を探ってみました。

プリンタの電源を入れると、まず、IPX(NetWare)のパケットが、ぽろぽろとでてきました。つづいて、昔の(今でも使ってるの?)Macintoshで使うEtherTalkのパケットが、ぽろぽろとでる。

で・・・あれ?それだけですか。

はぁ。

いつまでたっても、IPパケットはでてこないです。IPを忘れちゃったみたいですね。3ヶ国語をしゃべる優秀な人が、あるとき頭をトンカチでなぐったら、1つ、言語を忘れちゃったよ、みたいなかんじですか。

そういうときは、伝家の宝刀。「工場出荷時の状態に戻す」しかありません。

プリンタの電源を切り、ドライバーでネジをはずして、カバーをはずし、ネットワーク関係のボードが出現。ボードを凝視し、ジャンパピンを発見。RESETとか書いてあります。ジャンパを設定し、電源オン。そして電源オフ。ジャンパを元に戻し、もう一度電源を入れて、tcpdumpのログをじっくりと眺めていると・・・

でました!! BOOTPパケットの出現です。

BOOTPは、IPアドレスを自動設定するために使われるプロトコルです。今では、BOOTPをさらに拡張したDHCPが、よく使われています。

これで、とりあえずは、DHCPサーバで、プリンタのMACアドレスから固定IPアドレスを割り当てるようにすれば、プリンタに希望のIPアドレスを設定できるようになります。

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というようなかんじで、なんとか、全部で4台のプリンタを移動させました。

あと、プリンタサーバも。これ、FreeBSDで、Netatalkを使って、EtherTalkでプリンタにデータを送ってます。じゃあ、IP関係ないじゃん・・・まあ、気分の問題ですかね。

なんで、EtherTalkなのかってゆうと、単純な理由。

TCP/IPのLPDを使ってると、lpqコマンドを連続3回実行するだけで、プリンタがハングアップするから。

なんだこりゃ・・・ってことでEtherTalkにしたところうまくいったので、それに落ち着いたという次第。プリンタサーバがSolarisのときはぜんぜん問題なかったのですが、FreeBSDにしたら、ハングするようになっちゃいました。もっとも、ハングするのは、同じメーカーの、型番が1文字違いの2台のみで、同じメーカーのつい最近購入した機種では、LPDでもまったく問題なく(当然のことですが)動いています。

あと、1台は、Windowsでしか印刷できないやつ。これも、SAMBAとWindowsパソコンとWindows用のGhostScript、そしてredmonというツールを組み合わせることで、PostScriptプリンタとして、Unix側から利用できるようになっています。

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今日の教訓:

世の中には、捨ててもいい取扱説明書と、決して捨ててはいけない取扱説明書の、2種類がある