村上春樹氏の「東京奇譚集」を読む。短編集。不思議な世界は村上氏のお家芸だが、この短編集は”不思議さ”が控えめでかえって生活感が出ているのが自分にとっては好印象。
村上春樹氏の小説といえば高校、浪人時代によみふけった記憶が懐かしい。「風の歌を聴け」「ノルウェイの森」「1973年のピンボール」に共通していえることは「喪失」ではなかったかと思う。
今思えば今より遙かに可能性が残されていた10代に、なぜか喪失というテーマが身に染みた。失っても代わりになるものがいくらでもある年代なのに、そのときは気づかなかったんだな。
何度も読み、自分なりに考えたのだが、けっきょく何も結論が出なかったように思う。それでよかった。10代そこそこで人生の結論なんか出していたらろくな人間になってなかったのではないかと思う。
photo : Kyobashi by EOS KISS-DN
村上春樹氏の小説といえば高校、浪人時代によみふけった記憶が懐かしい。「風の歌を聴け」「ノルウェイの森」「1973年のピンボール」に共通していえることは「喪失」ではなかったかと思う。
今思えば今より遙かに可能性が残されていた10代に、なぜか喪失というテーマが身に染みた。失っても代わりになるものがいくらでもある年代なのに、そのときは気づかなかったんだな。
何度も読み、自分なりに考えたのだが、けっきょく何も結論が出なかったように思う。それでよかった。10代そこそこで人生の結論なんか出していたらろくな人間になってなかったのではないかと思う。
photo : Kyobashi by EOS KISS-DN